池内ヨシカツ『Signal – EP』インタビュー


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18歳から独学で音楽制作を開始し、現在SNSを中心にファンを増やし続けているプロデューサー/トラックメイカー、池内ヨシカツ(Ikeuchi Yoshikatsu)。京都出身の彼は、地元クラブへのレギュラー出演やライブハウスでの300人限定単独公演をソールドアウトさせるなど、精力的に活動を展開している新星です。2014年にリリースしたデジタル・シングル「Leaving」は、iTunesのエレクトロジャンルで2位にランクイン。さらにEDMシーンをリードするオランダのレーベル、Spinnin’ Recordsのオーディション(タレントプール)では2位にランクインするなど、海外での評価も上げています。

そんな池内ヨシカツが、Spinnin’ Recordsのオフィシャル・ライセンサー、FARM RECORDSとタッグを組み、ファーストEP『Signal – EP』をリリースしました。Soundcloudで16万再生を超えている「VANISH」のほか、和の要素を取り入れた「Spirits」やタイトル曲の「Signal」など、計5トラックを収録した本作。その内容は、ビッグルーム系のEDMサウンドを軸にしたパワフルなものとなっています。

ここでは、本作『Signal – EP』の内容について、池内ヨシカツ本人に話を聞きました。


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池内ヨシカツ『Signal – EP』インタビュー

__まずは、池内さんがダンス・ミュージックに興味を持った経緯について教えてください。

「高校生の頃、トランス・ミュージック全盛期にCDショップで展開されていてなんとなく聴いてみたのがきっかけです。特有のノリの良さにハマってFerry Corsten(System F)などよく聴いていました」

__音楽制作は、いつ頃から始めましたか?

「作曲家の叔父の影響で、小学生の頃からアコースティック・ギターを触り始め、コード進行などを教えてもらっていました。18歳でDAWでの制作を始めました。バイトして貯めたお金で地元の楽器屋でableton live7を購入、スピーカーはお金がなかったので一番安いモニタースピーカーを購入しました」

__制作を始めた当初から、いわゆるEDM系のサウンドを目指していたのでしょうか?

「当初はジャンル関係なく色いろんな曲を作ってました。ハウスなどの四つ打ち系はもちろん、ピアノ三重奏曲などクラシック音楽が好きだったので、オーケストラ・ソフト音源を購入して制作したりもしてました。四つ打ち系を作り続けて海外の流行を取り入れているうちに、自然とEDMサウンドになった感じです」

__音楽活動を始めた頃に目標としていたアーティストは誰かいましたか?

「ジャンルは違うんですが、Kanye West「Flashing Lights (feat. Dwele)」の、クラシック演奏から始まりシンセのリフが自然と入ってくる所が衝撃でした。楽器と電子音を完璧にクロスオーバーさせたこんなトラックを作ってみたい、と」

__その後、Spinnin’ Recordsのオーディションに参加した経緯について教えてください。そして池内さんは、そのタレントプールで2位を記録しましたが、その時の感想や手応えなどについても教えてください。

「Showtekなど、Spinnin’ Recordsの曲をジャケ聴きしていたので、タレントプールがあることを知り迷わず参加しました。最初は何曲か送ってもまったく反応なし。。なので三味線や弦楽器など日本の音を取り入れた変化球な曲でトライしてみたら反応が良く、徐々に外国の人からもコメントが来るようになり、最高で2位にランクインできました。海外のリスナーに評価してもらえたのは単純に嬉しかったです」

__では、2014年のシングル「Leaving」を経てこの度リリースされるファーストEP『SIGNAL』について教えてください。EP全体を通してのテーマやこだわりは何かありましたか?

「普段からダンス・ミュージックを聴いている多くの人に自分を知ってもらいたいと思い、“合図”や“きっかけ”を意味する“Signal”というタイトルにしました。EP全体のテーマというよりは、いままで自由に作ってきたサウンドをまとめた内容という感じです」

__EPのタイトル曲「Signal」は、どのようなアイディアやインスピレーションから誕生したトラックですか?

「いわゆる“ビッグルーム系のEDM”というリクエストがきっかけで「Signal」が完成しました。フロアにガツンと投下できるような、ハードめなドロップを強調してます。去年公開した「VANISH」に通じる音色で続編のような感じで作りました」

__では「VANISH」はどのように誕生した曲ですか?

「「VANISH」は、2014年にSoundcloudにショートバージョンを公開したトラックで、EQとOverDriveの調整を何度も繰り返し自分が最高だと思える音色に仕上げました」

__「Spirits」についても、どのようなアイディアやインスピレーションから誕生したトラックなのか教えてください。

「三味線や和太鼓、侍をイメージした刀を鞘にしまう音などを取り入れました。楽器の色が調和するように、シンセとのバランスを重要視しました」

__「Bounce Back」と「ZEAL」についてはいかがでしょう?

「「ZEAL」は、綺麗な音色のシンセにエッジを効かせたドロップ、後半はメロディを変えてゲーム音が入っていたり展開も楽しんでもらいたいトラックです。「Bounce Back」は踊りながら作って、完成したその日にクラブでかけたらみんな盛り上がってくれました」

__池内さんが曲づくりを行う際にいつも意識していること、重視している点は何でしょうか?

「多くのシンセを重ねて曲構成をすることが多いので、綺麗に音をまとめることを重視しています。あとドロップだけでなく曲全体のグルーヴ感はすごく意識してます。ドロップのメロディが良くても、そこに辿りつくまでの展開が良くなければその曲をあまり好きになれないので」

__現在の世界のEDMシーンについて、池内さんはどうみていますか?

「情報が早く最新の音楽をすぐネットで聴ける時代なので、EDMシーンでも常に新しい音が生まれて、アーティストも流行もカタチを変えてすごいスピードで進展していくのかな、と思っています」

__では最後に、池内さんの今後の活動目標、将来のビジョンについて教えてください。

「インストには言葉の壁がないので、世界中の人に認めてもらえるサウンドを作れるように発信し続けたいです。また楽曲提供や去年から活動している自身のユニットなど、いろいろな音楽を作り続けたいです」

interview: iLOUD


【リリース情報】

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池内ヨシカツ (Ikeuchi Yoshikatsu)
Signal – EP
(FARM RECORDS)
iTunesでチェック
https://itunes.apple.com/jp/album/signal-ep/id1003205021

tracklist
01. Spirits
02. VANISH
03. Signal
04. Bounce Back
05. ZEAL

【オフィシャルサイト】
http://www.ikeuchiyoshikatsu.com/
https://twitter.com/ikeuchi_y
https://soundcloud.com/ikeuchi_yoshikatsu

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