MADEMOISELLE YULIA『WHATEVER HARAJUKU』インタビュー

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東京のエレクトロ・シーン、ファッション・シーンを軸に、DJ、シンガー、モデル、自身のアクセサリーブランド、GIZAのジュエリーデザインなど、幅広い 活動を展開するポップ・アイコン、MADEMOISELLE YULIA(マドモアゼル・ユリア)。2011年には、デビュー・アルバム『MADEMOWORLD』(マドモワールド)をリリースし、本格的にアーティスト活動を開始。昨年は、ミックスCDシリーズ“NEON SPREAD”の最新作『NEON SPREAD 3』を発表し、オリジナリティーあふれる選曲センスを披露しています。

そんな彼女が、二作目となるアーティスト・アルバム 『WHATEVER HARAJUKU』を9/18にリリースします。前作同様、エグゼクティヴ・プロデューサーにVERBAL(m-flo/TERIYAKI BOYZ®)を迎え、自分の意志や興味に従って制作を進めたという本作。その内容は、“MADEMOISELLE YULIA”という個性のバックボーンである原宿とそのカルチャーへの思いを、MADEMOISELLE YULIAならではの音楽的センスで表現したコンセプチュアルなものとなっています。

時代やジャンルを超越する、ポップかつエッジの効いた楽曲群が楽しめる『WHATEVER HARAJUKU』。ここでは、本作の内容とその背景について、MADEMOISELLE YULIAに話を聞きました。


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MADEMOISELLE YULIA『WHATEVER HARAJUKU』インタビュー

__今作『WHATEVER HARAJUKU』はセカンド・アルバムになりますが、制作を始めるにあたってどんな構想を描いていましたか?

「アルバムの曲自体は、去年の年末にはでき上がっていたんですけど、自分の中では裏テーマ的なものとして、“もし原宿にヤンキーが来たら”みたいなものがあり ました。オシャレヤンキー、ファンタジーヤンキーみたいな人がいたら…っていう設定で、歌詞とかはけっこう書いていきましたね」

__どうして、この裏テーマを思いついたんですか?

「インパクトがあるのがいいな、と思って。あと、自分の中での流行りだったんですよ。この“強め”な感じが、そろそろ必要かなって思って(笑)。ちょっとユルいなって思っていたので。ちょっとダサいけど、それがあえてカッコいいかなって思ったんですよね。カッコいいものは世の中に溢れているので、カッコいいこ とをやっても新しくないし、つまんないな、っていうのがありました。それで、ダサカッコいい感じで」

__前作に続き、今作もVERBALさんがエグゼクティヴ・プロデューサーを務めていますね。今回はどんな相談をしたのでしょうか?

「自分の場合はヴィジュアルからいろいろ考えていくんですけど、このヤンキーっぽい感じを話したら、“いいじゃん、面白いじゃん!”ってなりましたね。それで、“じゃあコレでやります”ということで進んでいきました。わりと今作の方が、前作よりも自分の意志がストレートに反映されていると思いますね」

__“WHATEVER HARAJUKU”というアルバム・タイトルには、どんな意味合いが込められているんですか?

「“WHATEVER” は、“気にしない”という意味なんですけど、ファッションや環境などもふまえた上で、いろいろと何が流行っていようと自分は気にしない、自分が好きなこと だけをやりたい…みたいなことですね。で、“HARAJUKU”の方は、実際の場所としての原宿、カルチャーとしての原宿ってことだけじゃなくて、外人に は“原宿=カワイイ”みたいなイメージがあると思うんですけど、自分の知っている原宿はそういうものじゃないとか、いろんな思いが入ってます。なんで、み んなが思っている原宿は関係なくて、自分が知っている、自分の思う原宿を世の中にレベゼンしたい…っていうような意味合いを込めたタイトルですね」

__ちなみにユリアさんは、原宿の過去、現在、未来については、どのような思いをお持ちなんでしょうか?

「今回「HARAJUKU WANDER」のPVに出演してもらった人達は、リアルに原宿で仕事をしている人達なんですよ。そこでずっとがんばって自分を築き上げてきた人達なんで、 リスペクトしています。で、原宿にはやっぱり独特のカルチャーがあると思うんですけど、例えば海外の人達が思っている原宿っていうのは、こうした人達がみんなで築いてきた原宿とは違うって感じているんですよ。だから、みんながやってきたこと、やっていることをもっといろんな人に知ってもらいたい、というのがありますね。自分は、そういう原宿のカルチャーの中で育ってきたし、そういう人達が周りにいて今の自分はでき上がったと思うんで」

__リード・シングル「HARAJUKU WANDER」のPVのイメージは、その裏テーマの要素を取り入れたものなんですか?

「いや、これはわりと普段の自分をビデオ用のハイパー・ヴァージョンに、自分の凄いヴァージョンにしてみた感じですかね。自転車に乗っているシーンが出てきますけど、私、わりと本当にあの格好で自転車漕いでるんですよ」

__そうなんですか。

「だから、けっこうリアルですよ。ある意味空想の部分もありますけど、そこにいる人達はみんなリアルですしね。みんなで築いてきた原宿のカルチャーや、そこで 働いている人達を一挙に出すというのは、まだ誰もやってないと思ったんで、それを大々的にできたら面白いと思ったのでやってみました。ここでもう一度みんなに協力してもらって、自分達のカルチャーを出したかったんです」

__「HARAJUKU WANDER」の楽曲自体は、どのようにして誕生した曲ですか?

「この曲は、もともとアルバムのリード曲になるとは自分でも思ってなかったんですよ。だから、わりと好きなことをやっちゃってますかね。’80年代のサウンドで、ラップは吉幾三っぽい感じにしたくて、歌い方はちょっと中森明菜みたいにしかったですね。だから若干ふざけつつも、曲はちゃんとマジメに…。楽しみながらアルバムをつくる、というのも今回の裏テーマだったと思いますね。歌詞は、’80年代の歌謡曲をイメージしながら、自分の日常に基づいたものになってます」

__今作の曲づくりや収録曲のセレクションは、どのように進めていったんですか? まとまりがありつつも、かなりバラエティー豊かな楽曲を収録した内容になっていますね。

「自分の中では、この曲はなんとなくトラップ系だとか、これはEDM系だとか、これはポップだとか、そういうのがあったんですけど、“こういう曲にしなきゃいけない”みたいな、明確なものはなかったですね。自分がその時につくりたいと思った曲をつくっていった感じです。歌詞の部分は、かなり裏テーマを意識しましたけどね。前作の時は、特にテーマがあるわけではなかったんで、今回はテーマを設けて、アルバムの中で一つの新しい世界をつくってみたら面白くなるんじゃないかと思ってましたから」

__曲づくり、音づくりは、どのように進めていったんですか?

「曲づくりは、まずトラックメイカーの子に“こういう感じの音で曲をつくって”とか、“こういう感じのイメージで曲をつくって”って伝えて、できたトラックにiPhoneで歌を入 れて、同時に歌詞も書いて…みたいな感じで進めていきました。何回もつくり直したりしながら、煮詰めていきましたね」

__なるほど。

「例えば「RUNNER」は、前日にたまたま『ブレードランナー』を観ていて、“なんか『ブレードランナー』っぽい曲をつくりたいね”って話になったら、トラックメイカーの子もちょうど観ていて、“コレすごくない? もうやるしかない”ということで、“こういう音を入れると近未来的な街っぽくなるんじゃないか”とか、そういう感じでつくっていきました」

__面白いですね。では、各曲解説お願いできますか。

01. BOOM BOOM BOOM
「結構疾走感のあるトラックだったから、バイクのエンジン音をイントロに入れてみました。ただ、疾走感はあるけどメロディーもしっかりしているんで、ちょっとEDMっぽいですかね。歌詞とのアンバランスな加減も面白いかな」

02. BGNLT
「“Bad Girls Need Love too…”の略なんですけど、アルバムのテーマの中に、“バッドガール”というイメージもあったので、そのまんまのイメージの曲が一つあってもいいかな、 と。で、鼻歌でも歌いやすいものがいいかなって思って、すぐに覚えられそうなメロディーを入れました。日本語ヴァージョンの歌詞もあったんですけど、それ はちょっとストレート過ぎたので、英語にしましたね。その方がしっくりきたんで」

03. HARAJUKU WANDER
(上記参照)

04. SUNNY
「これは、トラップの曲を一曲つくりたかったんで、つくりましたね。DJの時にかけたかったんで。私、最近DJではトラップとかヒップホップをかけることが多いんですよ。この曲は、ラップの仕方が一番と二番で違っていて、一番は強めな感じで、二番はあえてちょっとふざけた感じにして、落差を出してみました」

05. DON’T TELL ME GOODBYE
「純粋にいい曲が欲しいと思って、つくってみましたね。うちのお母さんが聴けるような(笑)。他の曲が濃いんで、何も考えずに聴けるような曲があるといいんじゃないかな、って思って。実は結構好きな曲ですね。’70年代の感じを意識した曲です」

06. LIKE THE 1ST TIME
「この曲は、ポップで、EDMっぽい感じですね」


07. I’MA MADEMOISELLE
「コラージュっぽくて、なんなんだコレって感じの曲ですね(笑)。当初あるトラックがあって、ラップを乗せる予定だったんですけど、なんかつまんないかもって思ったので、どうせならいろんなことやってみよう、と。わけが分かんない曲があってもいいんじゃないか、ということで」

08. BAD VIBRATIONS
「前回のアルバムからのノリを引き継いだ、’50年代っぽい曲だと思います。はじめに書いた歌詞は、完全に加山雄三っぽい感じでした。夕焼けっぽくて、結構ウケるかもって思ってやったんですけど(笑)、ちょっと待てと思って、もうちょいヤンキーっぽさも出しました。私、’50年代の曲って好きなんで、欲しかったんですよね。メロウでスローテンポな感じというか、ちゃんと歌いたいっていうのもありました」

09. THE VOID
「バンドっぽい曲ですね。この曲のトラックメイカーの子が、もともとパンク・バンドをやっていたんで、そういう曲もつくろうよって提案したら、“やりたい、やっていいの?”って話になったんで、つくりました。私も昔バンドをやってたんで、いいかなと思って。でも、言葉の入れ方、単語の散りばめ方は、今っぽくしたかったですね」

10. RUNNER
(上記参照)

11. UFO feat. VERBAL
「オートチューンを使ったような、今の日本っぽいポップな曲をつくりたくて、つくりました。前回のアルバムではオートチューンを全然使わなかったんで、これくらいやってみてもいいかな、と。ラップの部分はVERBALさんがやってくれました」

__アルバム全体のテーマがありつつ、各曲ごとに異なったコンセプトがあるんですね。

「一応そうですね。自分の中では、一編の映画をつくっていくような感覚でしたね。こういうシーンがあって、ああいうシーンがあって、みたいな感じで考えていっ たかもしれません。今回は、こうしたテーマでアルバムをつくってみて、面白かったです。「HARAJUKU WANDER」のPVも、自分で絵コンテを書いて、ロケハンに行ってと、DIYな感じで全部考えましたし。今回は、アルバムもビデオも“カルチャー”を押 し出す感じにしたかったんですけど、自分が今いるカルチャーは上手く出せたかなって思えます」

__最後に、今後の活動予定について教えてください。

「9/22(日) に、南青山のLe Baron de Paris(ル バロン ド パリ)でアルバムのリリース・パーティーをやります。このパーティーは、ファッションと結びついたものにしたかったから、私の好きなロンドンのブランド “KTZ”と自分の“GIZA”でコラボの服をつくったんですけど、そのストアのクロージング・パーティーと組み合わせたものになってます。で、それ以降 はツアーがスタートしますね。全国の主要都市にはなるべく行く予定で、ライヴとDJをしたいと思っています。自転車に乗って登場できたら、面白そうなんで すけどね(笑)」

interview iLOUD


【リリース情報】

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MADEMOISELLE YULIA
WHATEVER HARAJUKU
(JPN) UNIVERSAL / TOCT-29188
9月18日発売
HMVでチェック

tracklist
01. BOOM BOOM BOOM
02. BGNLT
03. HARAJUKU WANDER
04. SUNNY
05. DON’T TELL ME GOODBYE
06. LIKE THE 1ST TIME
07. I’MA MADEMOISELLE
08. BAD VIBRATIONS
09. THE VOID
10. RUNNER
11. UFO feat.VERBAL

【VIDEO】

【オフィシャルサイト】
http://www.universal-music.co.jp/mademoiselle-yulia/
http://mademoiselleyulia.com/

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