『Championship Midnight Carizma 2』インタビュー


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東京発のディスコ・フレイバーなパーティー・トラックを送り出すべく、2004年に設立されたレーベル、CARIZMA。Kagami、JJ Flores & Steve Smooth、NEON、Arai Lazerらのアンセミックなトラックを次々に送り出してきた、国内屈指のディスコ・テクノ・レーベルです。

そんなCARIZMAが、2007年の『CHAMPIONSHIP MIDNIGHT CARIZMA』以来約4年ぶりとなる、待望の最新コンピレーション『CHAMPIONSHIP MIDNIGHT CARIZMA 2』を6月25日にリリースします。その内容は、Kagami「Guardians Hammer」やNEON「Ship In Ship (HATIRAS Remix)」といった、リリース時に話題となったトラックから、Arai Lazer、A-Inc、DJ Funsko、そしてレーベル・オーナーのMOAらの最新トラックまでを収録したもの。現在のCARIZMAサウンドを凝縮した、こだわりの作品となっています。

ここでは、そんな『CHAMPIONSHIP MIDNIGHT CARIZMA 2』の内容について、CARIZMAのレーベル・オーナーで、DJ/クリエイターとして活躍するMOA氏に話を聞きました。


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CHAMPIONSHIP MIDNIGHT CARIZMA 2
ディスコ・テクノの現在と未来が詰まった最新コンピレーション

interview with MOA

__『CHAMPIONSHIP MIDNIGHT CARIZMA 2』は、CARIZMAレーベルのコンピレーションとしては、前作から約4年ぶりとなりますね。

「そうですね。意外と期間をあけちゃいましたね。曲数がたまるのを待っていたり、タイミングを見計らっていたりしているうちに今になった、という感じなんですけど」

__近年は、デジタル・シングルを軸にリリース活動をしてきたんですよね?

「はい。NEON「Ship In Ship (HATIRAS Remix)」は、ハナから配信限定でリリースしようと思ってましたしね。最後にリリースしたアナログは、Kagami「Guardians Hammer」です。その後にリリースしたArai LazerやA-Incの作品も、アナログで出したかったんですけど、今の時代なかなか難しいところもありますから。実際、アナログを使う人達よりも、デジタル音源を使う人達の方が多くなってきていますし。だから、そこはシングルを出すこと自体に重きを置いてやってきました」

__今作は、そういったデジタル・シングル音源の中からベスト・トラックをピックアップしで、初CD化したコンピレーションでもあるわけですか?

「そういう側面もありますね。前作に収録したトラックは、カタログの15番くらいまでをまとめたものだったんですけど、今回はそれ以降の、2008年から現在までのカタログをまとめたものになってます。カタログの16番から28番までですね。で、質量のある音源として、やっぱりデータではなく盤にして出したかったんですよ。デジタル音源を買い集めていくのって、自分のハードディスクにはどんどんたまっていきますけど、どうしても手元にないって感覚があるじゃないですか」

__そうですね。

「それで、例えば、カーステでしか音楽を聴かないっていうような人達にとっては、デジタル音源を買うのって、逆に億劫だったりすると思うんですよ。“iTunesでしか売ってないのか…”みたいな。BeatPortなんてさらに…ですよ(笑)。なんで、CDにすれば、そういった人達にも気軽に聴いてもらえるのかな、と」

__ノンストップ・ミックスではなく、アンミックスのコンピレーションにしたことには、何かこだわりがありますか?

「このCDに興味を持って手に取ってくれた時、購入した時に、ミックスCDの場合はDJで使えないじゃないですか。今は、ミックスされていると、それが逆にマイナス要素になるんじゃないかなって思ったんですよ。自分がコンピを買った時も、各曲がバラで入っていた方が嬉しかったりするんですよね。いい曲があったらDJで使えるんで」

__その感覚、よく分かります。フル・レングスのトラックがセパレートで入っているコンピCDの方が、時代のニーズに合っているのかもしれませんね。

「そうなんですよ。それにDJミックスって、みんな気軽につくってWebでアップするようになってきちゃっているんで、それをわざわざCDで買って聴く感じではないのかなって。むしろ、そういったDJミックスをつくるための資材として(笑)、今回のこのCDを使ってくれたらなって思ってます。CDJでDJする人は、そのまま持っていけますしね。CD-Rを焼く手間が省けるので、便利だと思います(笑)。デジタルでDJする人は、データとして取り込めばいいだけですし」

__では、各収録アーティスト/収録曲について教えてください。まず、近年のCARIZMAのニューフェイスとしては、Arai Lazerがいますね。本作には「SNR753」「MILLALCO」「Rumbull Rocka (Kagami Remix)」の3曲が収録されています。

「Arai君は、海外からもリリースしてますけど、CARIZMAからもよく出してもらっていますね。『LAZER BOX』ってアルバムも出しましたし。彼は、配信レーベルを基盤に活動している、新しい世代の音って感じなんですけど、年齢自体はあんまり離れてないんですよ、実は」

__知り合ったきっかけは何だったんですか?

「Arai君と知り合ったのは、2008年の終わり頃でしたね。あの当時は、MySpaceで新しいアーティストを探す感じだったんですけど、CARIZMAのフォロアーをチェックしていったらArai君を見つけて、日本人アーティストなのに面白い音のつくり方をしているなって思って、ちょっとひっかかったんですよ。でも、すぐにはコンタクトをとりませんでしたけど。“本当にアリなのかな? 出したらどうなるのかな?”とか、いつもいろいろ考えるんで。でも、最初にひっかかったイメージがやっぱり良かったので、コンタクトとって、“他にも聴かせてください”ってアプローチしたら、いい感じで話が進んでいきました」

__A-Incも注目のニューフェイスですね。本作には「Smooth Tarmac」が収録されています。

「彼は、Akira Ishihara名義でも活動していて、その名義の方が有名だと思うんですけど、わりと昔からの付き合いですね。かなり若い頃からハード・テクノのトラックを海外でリリースしていて、その頃から仲良かったんですけど、なかなかCARIZMAとの接点はなかったんですよ。でも、最近パーティーで一緒になることが多くて、その時に観た彼のライブが、わりと自分のDJセットに近いグルーヴを出しつつ、そこに初期のシカゴ・ハウスのネタを盛り込んでいくようなノリで、すごいかっこ良かったんですよね。で、そういうノリの曲であれば、CARIZMAからぜひ出してみたいんで、やってみてくれないかってオファーを出しました。実際「Smooth Tarmac」には、けっこうな大ネタが入ってますよね」

__そうですね。「Funsko Flush」のDJ Funskoは、どのようなクリエイターなんですか?

「彼とは、まだ直接会ったことがないんですけど、どういう人なんでしょうね(笑)。メキシコ出身で、現在はアメリカで活動している人です。彼の名前は、BeatPortとMySpaceで知りましたね。今でもディスコものをやっているクリエイターには、どんな人がいるんだろう?って感じで検索していった中で見つけた人でした。いろんな名義で活動していて、曲もなかなか面白いんで声をかけてみたら、本人も乗り気で、リリースすることになりました。彼は自分でBanging Grooves Recordsってレーベルをやってるんですけど、他から声がかかるのは面白いからぜひ…という感じで」

__「Crazy Disco」と「Ship In Ship (HATIRAS Remix)」が収録されている大阪出身のNEONは、現在も東京を拠点に活動中なんですよね?

「そうですね。ただ、もともと二人組だったんですけど、今年に入ってからボーカルのMasahiro Tagamiのソロ・ユニットになってます。でも、もともとはバンドだったんで、ライブをやる時はドラムとベースが入った編成になったりするんですよ。だから、今後はよりバンドっぽいサウンドの曲をつくっていくんじゃないかと思ってます」

__あと忘れてはいけないのが、本作の価値を特に高めているであろうトラック、Kagami「Guardians Hammer」になりますね。

「ですよね。Kagami君は、去年亡くなっちゃいましたけど、残念というか…プライベートでも交流があったんで衝撃でした。いろいろやろうとしていたこともありましたし…。今回、このコンピをつくるにあたって、カタログの16番から28番の中に、普通にKagami楽曲も入っていたんで、ここで入れないという選択はないし、入ってこその『CHAMPIONSHIP MIDNIGHT CARIZMA 2』だと思ったんで、入れました。かといって、それを全面に押し出すのは違うと思うんで、サラっと収録したかったんですけどね」

__「Guardians Hammer」は、実質上KagamiさんのCARIZMAでのラスト・リリース曲になりますよね。

「オリジナル・シングルとしては、そうですね。Arai Lazer「Rumbull Rocka (Kagami Remix)」の方が、後のリリースになりますけど。「Guardians Hammer」は、もともと配信と12インチでリリースしたものなんで、一応初CD化音源です。Arai Lazer「Rumbull Rocka (Kagami Remix)」も、他の曲もそうなんですけど」

__ご自身の、MOA名義のトラック「Malicia Mpedia」と「Silverstar Alone」は、それぞれどのようにして誕生したものでしたか?

「「Malicia Mpedia」は2009年に、「Silverstar Alone」は、今年の4月末に出したものになりますね。で、これまで自分は、“ディスコ”をキーワードに活動してきているんで、やっぱりその要素を下敷きにした曲をつくろうと思って、やりました。ディスコなサンプルを使って、うまくそういう曲にまとめられたかなって思ってます。こういうタイプの曲って、普通にやるとちょっと古くさいテイストになってしまうんですけど、2011年にも関わらず、それを今っぽくやろうとしているんだという、そのスタンスがポイントでしょうか(笑)」

__ところで、クラブ・シーンのトレンドは日々変化していくものですが、現在はどのような心意気でCARIZMAレーベルを運営していますか?

「まぁ、CARIZMAはずっとこんな感じでやっているので…なんでしょうね。好きの延長でもあるし、お家芸的なところはあるのかな、という感じでやってます。常に新しいものを取り入れて、新しいタイプの曲を出していくレーベルもありますけど、自分はどちらかというと、自分のやっていることに新しい要素をちょっとずつ取り入れていく、という感覚でやっているので、軸の“ディスコっぽいテクノ・サウンド”という部分は、変わってないと思います。自分の曲と同じで、音に今風な感じを取り入れつつも、ディスコでテクノな部分は変わらない、ということでしょうね」

__なるほど。

「ただ、これは昔からそうなんですけど、あんまり同じようなことをやっている人達がいないんで、まぁ善し悪しなんですけど、たまに寂しい(笑)。強気な時は、自分達しかいないからやりやすいっていうのがあるんですけど、ふと周りを見渡すと、今はみんなディープでミニマルなんで、“なんかみんな楽しそうだなぁ…”みたいな(笑)。だから、そういった中に、例えばCARIZMAの音を混ぜたりして、起伏をつけたり、色を付けてもらえたら嬉しいですね。それが、自分の思っている良いムードの一つでもあるんで」

__では最後に、今後のCARIZMAの予定について教えてください。

「7/4(月)の21:00に、『CHAMPIONSHIP MIDNIGHT CARIZMA 2』リリース記念ということで、DOMMUNEに出演します。で、その翌週の7/16(土)に、わりと定期的にやっている吉祥寺CLUB SEATAの<DISCOHACK>で、リリース記念パーティーがあります。どちらにもA-IncやArai Lazerが出ますので、よろしくお願いします。<DISCOHACK>の方には、NEONも出ますね。リリースに関しては、やることはそんなに変わらないですね(笑)。また新しい人をリリースしていけたらいいと思ってます」


【リリース情報】

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Various Artists
CHAMPIONSHIP MIDNIGHT CARIZMA 2
(JPN) CARIZMA/aright’s / CRZM-029
6月25日発売
HMVでチェック

Track List
01. NEON – Crazy Disco
02. Kagami – Guardians Hammer
03. NEON – Ship In Ship (HATIRAS Remix)
04. Arai Lazer – SNR753
05. Arai Lazer – Rumbull Rocka (Kagami Remix)
06. Moa – Malicia Mpedia
07. DJ Funsko – Funsko Flush
08. Arai Lazer – Dancing Django Go Go
09. A-Inc – Smooth Tarmac
10. Moa – Silverstar Alone
11. Arai Lazer – MILLALCO

【オフィシャルサイト】
http://www.arights.co.jp/label/carizma/
http://www.myspace.com/midnightcarizma

【LIVE & PARTY INFO】
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CHAMPIONSHIP MIDNIGHT CARIZMA 2 リリース記念
at DOMMUNE

2011年7月4日(月)21:00-24:00
DJ:MOA, A-INC, naoto hiroyama (delofamilia)
LIVE:ARAI LAZER
http://www.dommune.com/

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DISCOHACK 『CHAMPIONSHIP MIDNIGHT CARIZMA 2』Release Night!!!
at 吉祥寺 CLUB SEATA

2011年7月16日(土)
DJ:MOA (CARIZMA), A-Inc, DAICHI (DENKIROK), Junya
LIVE:NEON, Arai Lazer
VJ:TEPPAN, brix video syndicate (sailor chainsaw+desART+FUJINAGA)
Lounge:DJイオ, SIEGZEON, ENBUN8WARI, Cage Miura (Clymb)
start 23:30
door: 2000yen(D代500yen別途)
w/f: 1500yen(D代500yen別途)
http://seata.jp/club.html?ItemId=6155&y=2011&m=7&d=16&action=form

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