New House『Kaleidoscopic Anima』インタビュー


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2008年に結成された日本のインディー・バンド、New House。2009年にミニ・アルバム『Want Alone But Help Me』を、2012年にファースト・アルバム『Burning Ship Fractal』をリリースした彼らは、Vivian Girlsなど多くの海外バンドのサポートや、Black Lipsのニューヨーク公演のフロント・アクトを務めるなどして活躍の場を広げてきた注目株です。USツアーも行い、SxSWにも出演を果たすなど、海外のシーンともリンクした活動を展開しています。

そんなNew Houseが、京都のインディー・レーベル、Second Royal Recordsからセカンド・アルバム『Kaleidoscopic Anima』を8/27にリリースします。先にBandcamp等で配信もスタートしている本作は、Animal Collectiveらとの仕事で知られるベテラン・エンジニア、Alan Douches(アラン・ドーチェス)がアナログテープによるマスタリングを担当。従来作以上に曲づくりやアレンジにもこだわり、彼らならではのポップかつエクスペリメンタルで、サイケデリックでカラフルな音世界に磨きをかけた内容となっています。

ここでは、本作『Kaleidoscopic Anima』の内容とバンドの音楽性について、New Houseにメールで話を聞きました。


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New House『Kaleidoscopic Anima』インタビュー

__まずは、2008年にNew Houseが結成された経緯についてご紹介ください。

「(基本的にYutaが答えていきます)New Houseです。よろしくお願いします! 僕(Yuta)、Seiya、Moro、Komuro、現在はやめてしまった子と、ファッションの専門学校で、学校の後夜祭のために結成されました。ファーストEPを発表後にギターの子が抜けてしまい、地元の友人であるPun Pun(この頃、僕と彼は一軒家でルームシェアをしていました)を誘ってからは、現在のメンバーで活動しています」

__結成当初のバンドの音楽的コンセプトは、どのようなものでしたか?

「結成当初はニューウェイヴ、クラウトロック、ブルーグラスをよく聴いていたと思います。しかし僕以外、楽器の演奏経験もなく、自身も作曲経験に乏しかったため、シンプルな楽曲を心がけました」

__New Houseは、これまでにUSツアーやSxSWへの出演等も行ってきましたね。これまでの活動については、ご自身の中ではどのような評価ですか?

「バンドとして、海外でライブをしてみたい気持ちがあったので、参加できたことはとても良かったと思います。また、海外の方のライブへ向かうプロフェッショナルな姿勢と、音楽的な層の厚さにも刺激されました。これらのことは、僕らにとってすごく価値のある経験だったと思います。余談ではありますが、Black Lipsの前座公演の緊張はすごかったです」

__では、ニュー・アルバム『Kaleidoscopic Anima』について教えてください。制作をはじめるにあたって、まずはどのようなアイディアや構想がありましたか? アルバムのテーマ等もありましたら教えてください。

「前作は、ディープなイメージが強い作品でしたので、今回は“ライトに聴ける作品を”という気持ちでつくりました。既に自分がつくってあったデモトラックも、自然とテーマに添うようにアレンジをしていきました」

__今回、曲づくりとレコーディングはどのように進めていきましたか?

「曲づくりは、自分が原曲とリズムからエレクトロニクスな部分とのアレンジをあらかたつくったものに、Pun Punにギターを入れてもらったり、アレンジの再考をしたりしてつくりました。Seiyaにも、ドラムのアレンジを曲によって再考してもらい、スタジオで録音もしました。また、前回はスタジオでの録音や自分たちの実力、予算の関係もあり難しいものがありましたが、今回は僕の自宅に機材を揃えてレコーディングやミックスをしたので、音のレイヤードに関してしっかりチェックしながらできたと思います。ゆったりしたアトモスフィアを音楽に求めていたので、時間も限定して、夜は制作しないように昼前に集まり夕方には解散、というスタイルでレコーディングに挑みました」

__今作はセルフ・プロデュースをしつつ、マスタリングはAlan Douches(アラン・ドーチェス)に依頼したそうですね。今作で実現したかった音像について教えてください。

「まずライトなものを、という気持ちで音像をつくっていきました。趣向としてアフリカ、中東のフォーク・ミュージックに加え、50~60’sのオールド・ポップス、電子音楽などをよく聴いていたと思います」

__Alan Douchesににマスタリングをお願いした決めては何でしたか?

「他にも候補はいましたが、彼の活動歴は長く、作品のジャンルに際限もないことや、一番は自分たちの好きなレコードを沢山手がけてきていることがポイントだったと思います。結果的に僕らの音楽を理解し、アナログテープによる素晴らしいマスタリングをしてくれました。感謝しています」

__「Your Kaleidoscopic Anima Pt.1」「Your Kaleidoscopic Anima Pt.2」は、どのようにして誕生した曲ですか?

「もとから多面性のある作品にしたいというのが裏テーマであったので、僕が“Pt.1”のラフ版をつくり、Pun Punに渡しました。アレンジを再考後、スタジオで二人で同時に録音しました。“Pt.2”は、さらに彼がアコースティックの響きを強調した別アレンジのものを制作してくれました」

__今作のアルバム・タイトルを“Kaleidoscopic Anima”とした理由についても教えてください。とてもサイケデリックなイメージですが、どのような意味合いを込めたタイトルなのでしょうか?

「先に申しあげてしまいましたが、多面性のある作品にしたいというのが裏テーマでした。聴く人によって拾い上げる音像が違う万華鏡のような作品を、というところと、単に“カレイドスコープ”(バンドやモノ)が好きなことからも由来しています。“アニマ”は、光、魂はもちろん、非西欧のニュアンスが欲しくてつけました」

__先にPVも公開されている「Blow Wind Blow」は、どのようにして誕生した曲ですか?

「前作の、わりとスロウでジャム感のあるものから少しパキッとしたものが欲しい、という気持ちからできた曲です。このアルバム制作の初期にできた曲です」

__今作の中で特に重要視している曲、思い入れがある曲は何でしょうか?

「「Blow Wind Blow」だと思います。このアルバムのために最初にできた曲としてもですが、メンバーのKomuroは仕事の都合上、今回は不参加でした。しかしこのPVには参加しています。ので、ぜひ「Blow Wind Blow」のPVをご覧いただきたいです」

__New Houseの音楽は、ジャンルや時代がオーガニックに解け合った、とてもマジカルで無国籍的なものだと感じました。あなた達自身は、ご自身達の創作活動におけるインスピレーションのルーツというのは何だと感じていますか?

「ありがとうございます。とても嬉しいです! ルーツに関して、色々な国の音楽に興味があることはもちろんですが、退廃的なエスケーピズではなく、日々の生活に寄り添えるようなものも、ライトな作品の中にあるテーマの一つだと思っています。自分たちが気持ちよく感じるものを、というのがインスピレーションの源泉かもしれません」

__最後に、New Houseの今後の活動目標、バンドの次なるヴィジョンについて教えてください。

「既に新曲の制作も始まっています。僕たちは常に変化を追い求めています。ニュー・アルバム『Kaleidoscopic Anima』を聴きながら、次回作の変化を期待していてください!」

Interview iLOUD


【リリース情報】

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NEW HOUSE
Kaleidoscopic Anima
(JPN) Second Royal Records / XQGE-1042 (SRCD-042)
2014.08.27 発売
HMVでチェック

tracklist
1. The River Singers
2. Do Splash Happy
3. Blow Wind Blow
4. Your Kaleidoscopic Anima Pt.1
5. Landscape
6. Natural Blessings

7. Sunset Mirage

8. Your Kaleidoscopic Anima Pt.2
9. ALMA ALBA

【アルバム全曲試聴】

【ライブ情報】
09月26日(金)東京 下北沢 Daisy Bar
11月23日(日)京都 nano
11月30日(日)東京 渋谷 HOME

【オフィシャルサイト】
http://www.newwwhouse.jp/
http://www.secondroyal.com/

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