Ra Ra Riot『Beta Love』インタビュー


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2006年にマイロ・ボナッチ(G)を中心に結成された、ニューヨックのインディー・バンド、Ra Ra Riot(ラ・ラ・ライオット)。2008年にデビュー・アルバム『The Rhumb Line』(オリジナル・ドラマー、故ジョン・パイクに捧げた作品)をリリースして以降、ストリングスを取り入れたドラマティックなサウンドで話題を集めてきた人気バンドです。2010年には<NANO-MUGEN CIRCUIT 2010>で初来日を果たし、世界的に高い評価を得たセカンド・アルバム『The Orchard』を発表。日本でも好セールスを記録しています。2011年には、初の単独公演、そしてフジロックで来日を果たしていますね。

そんなRa Ra Riotが、ニュー・アルバム『Beta Love』(ベータ・ラヴ)を、2013年1/9に日本先行リリースします。メンバーのアリー(チェロ)が脱退し、マイロ(G)、ウェスリー・マイルズ(Vo/Keys)、マシュー・サントス(B)、レベッカ・ツェラー(バイオリン)という4名編成で制作された本作。エルヴィス・コステロやモデスト・マウスとの仕事で知られるプロデューサー、デニス・へリングと共にレコーディングしたという内容は、新たなアイディア、サウンド・アプローチを大胆に導入した、ポップかつ刺激的なものとなっています。

ここでは、本作『Beta Love』の内容について、メンバーのマシューに話を聞いてみました。なおRa Ra Riotは、アルバム・リリース後の2/3(日)に、<Hostess Club Weekender>で来日することが決定しております。


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Ra Ra Riot『Beta Love』インタビュー

__ニュー・アルバム『Beta Love』の完成、おめでとうございます。『Beta Love』は、4人編成後初のアルバム作品となりますね。まず、今作の制作はいつ頃始めたのでしょうか?

「2011年夏頃からいくつか曲ができ始めたんだけど、本格的に制作に取りかかったのは、去年の12月、今年の1月辺りからだったね。たくさんできたデモの中には、ウェスが書いた曲もあれば、リハーサル・スペースでジャムった中から出てきたものもあったから、プロデューサーのデニス(・へリング)の助けも借りながら、どの曲がいいか選んだり、肉づけしたりして、作業を進めていったよ。で、その後やっとスタジオに入ったのが、今年の3月だった」

__アルバムを手がけるにあたって、テーマやコンセプト、青写真のようなものは何かありましたか?

「今回の作品に対するアプローチって意味では、ざっくりとした青写真、アイディアがあったと思う。自意識過剰にならず、あまり考えすぎないように、っていうね。曲のアレンジメントにフォーカスするのではなく、それぞれのメンバーが音的に占めているスペースみたいなものに、意識を向けてみることがポイントだったんだ。それから、テクノロジーの問題や、それが人に与える影響…例えば“特異点”(singularity)とか、そういうことについてよく話していたんだよね。だからそういうアイディアが、歌詞や今回のアルバムの全体的なテーマに反映されていると思う」

__もし差し支えがなければ、メンバーだったアリーがバンドから離れた経緯や理由について教えていただけますか?

「一番シンプルな答えとしては、最初にバンドを始めた時、“楽しく思えるかぎり続けよう”って約束をしたんだけど、アリーはもうバンドにいることを楽しめなくなっていたと思うし、今回の作品の方向性に対してもあまり乗り気ではないみたいだった。だから、このタイミングでバンドを卒業することが彼女にとっても良いんじゃないか、という判断になったんだよ」

__分かりました。で、今作は、従来のバンド・サウンドはもちろん、シンセ~エレクトロニック・サウンドやストリングスの要素も印象的ですね。曲づくりや音づくりの部分で特に重視したことや、トライしてみたかったことは何だったのでしょうか?

「僕らみんな、シンセサイザーやエレクトロニック・ミュージックに対してずっと興味があったんだけど、バンドでとなると、そういった分野にトライしてみる自信を持てなかった部分があったんだよね。でも今回は、自分たちのクリエイティブなひらめきに対して、もっと素直になって本能に従ってみよう、今までだと自意識が働いて、自分の中で却下していたようなことにもトライしてみよう、って思ったんだ。自分たちの中にあるハードルを少しだけ下げて、グループとして素直に楽しくエキサイティングだと思える音楽をつくりたかったんだよね。その目標を達成するにあたって、プロデューサーであるデニスには凄く助けられたよ」

__アルバムのタイトル曲「Beta Love」は、どのようにして誕生した曲ですか? また、“Beta Love”という言葉をアルバム・タイトルにした理由は?

「あの曲は、ウェスが書いたんだ。パワフルなシンセ・フレーズが素になっていて、そのフレーズをコンピューターに取り込んで、肉付けしていったよ。何度も変更を重ねて、曲の骨組みを決めてから、デニスと一緒に曲の方向性、ドラムのプログラミングなんかを詰めていった。歌詞は、さっきも言ったテクノロジーの問題のようなことをテーマにしていて、具体的に言うと、これは発達したアンドロイドのために書かれた、最初の恋のプログラムについての歌なんだ。で、この曲が完成すると、アルバムについて最初に思い描いていたことが、歌詞の面でもサウンドの面でもかなり実現できた気がしてね。だから、アルバムのタイトル・トラックにすることに決めたよ」

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__次のシングル「When I Dream」は、どのようにして誕生した曲ですか?

「この曲の歌詞の大部分は、ウェスがよく見る夢からインスパイアされたものになってるんだ。歌詞の意味は、ウェスの方がうまく説明できると思う。で、この曲は、他の曲とは全然違う形ででき上がったから、僕ら自身も凄く楽しかったよ。ウェスがオモチャみたいなカシオで曲を書いて、それをベースに、デニスがパワフルなドラム・ビートをプログラミングしたんだ。ちょっと人工的な拍子になってるんだよね。その後は、それほど追加しなかったよ。あえて我慢するっていうのも、僕らにとって良い勉強になった」

__今作にはバラエティー豊かな楽曲が収録されていますが、バンドとして特にその仕上がりに満足している曲がありましたら、ご紹介ください。

「選ぶとしたら、さっきも言った理由でやっぱり「Beta Love」かな。この曲ができた時、これがアルバムの基盤となる曲だって思えたからね。あと「Wilderness」って曲も、みんな仕上がりに満足しているよ。僕個人は、アルバム最後の曲「I Shut Off」も大好きさ」

__今作のアルバム制作で特に印象に残っているエピソードは、何でしょうか?

「このアルバムの制作は、とても楽しかったよ。デニスは、僕らが普段はやらないようなことに挑戦させてくれたし、制作プロセス自体にすごく刺激を受けたと思う。それに、制作環境も素晴らしかった。デニスのスウィート・ティー・スタジオは居心地が良かったし、春のミシシッピ州オックスフォードは気候も最高だったよ。でも今回のハイライトといえば、ドラムを担当してくれたジョシュ・フリース(Josh Freese)と一緒にやれたことかな。僕らはみんな彼の大ファンで、スタジオで一緒にレコーディングできるなんて、Ra Ra Riotのキャリア史上クライマックスの一つだったね」

__2013年2月に開催される、Hostess Club Weekenderでの来日公演では、どんなステージを披露しようと考えていますか?

「新曲のリハーサルをここ何ヶ月か続けているから、2月までにはライブでちゃんとできるようになってるんじゃないかな! 日本でのライブは大好きだから、また行けるのがすごく楽しみなんだ。そのワクワク感が、きっとステージからも伝わるようなライブになると思うよ」

__最後に、Ra Ra Riotの次なる活動目標を教えてください。

「これから1~2年は、このアルバムのためのツアーに費やすつもりだよ。なるべく多くの人に聴いてもらいからね! 大仕事ではあるけれど、ツアーに戻れるのは楽しみでもあるんだ。僕ら自身すごく愛着のある作品になったし、みんなに聴かせるのが待ちきれないよ。2月のライブの後も、また日本に戻れるといいね!」

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【リリース情報】

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Ra Ra Riot
Beta Love
(JPN) Barsuk/Hostess / HSE60144
2013年1月9日発売(日本盤2週間先行発売)
※ボーナストラック9曲収録
HMVでチェック

tracklisting
01. Dance With Me
02. Binary Mind
03. Beta Love
04. Is It Too Much
05. For Once
06. Angel, Please
07. What I Do For U
08. When I Dream
09. That Much
10. Wilderness
11. I Shut Off
12. Kiyomizu (Demo)
13. Valerie (Featuring Delicate Steve)
14. St. Peter’s Day Festival (Live “NANO-MUGEN CIRCUIT 2010”)
15. Boy (Live “NANO-MUGEN CIRCUIT 2010”)
16. Run My Mouth (Live “NANO-MUGEN CIRCUIT 2010”)
17. Can You Tell (Live “NANO-MUGEN CIRCUIT 2010”)
18. Too Dramatic (Live “NANO-MUGEN CIRCUIT 2010”)
19. Ghost Under Rocks (Live “NANO-MUGEN CIRCUIT 2010”)
20. Dying Is Fine (Live “NANO-MUGEN CIRCUIT 2010”)

【オフィシャルサイト】
http://www.rarariot.com/
http://www.facebook.com/rarariot
http://rarariot.tumblr.com/
http://hostess.co.jp/
http://www.onlyindreams.com/artist/rarariot.html

【試聴】
「Beta Love」(試聴&ダウンロード)
http://www.npr.org/blogs/allsongs/2012/11/12/164978249/song-premiere-ra-ra-riot-beta-love

【来日公演情報】
Hostess Club Weekender
日時:2013年2/2(土)2/3(日)
会場:Zepp DiverCity Tokyo
http://www.ynos.tv/hostessclub/schedule/201302weekender.html

※Ra Ra Riotの出演日は、2/3です

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