Real Estate『Days』インタビュー


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米ニュージャージーのリッジウッドで結成されたインディー・バンド、リアル・エステート(Real Estate)。メンバーは、マーティン・コートニー(G/Vo)、マット・モンデナイル(G/Vo)、アレックス・ブリーカー(B/Vo)の三名。’09年にWoodsistからファースト・アルバム『Real Estate』をリリースすると、そのナチュラルでキラキラしたギター・サウンドとノスタルジックな音楽性が評判となり、一躍USインディー・シーンのホープとなった注目株です。昨年秋に、ウッズ(Woods)と共に行ったツアーで来日も果たしております。

そんな彼らが、待望の最新作『デイズ』(Days)をリリースしました。アニマル・コレクティヴやダーティー・プロジェクターズを擁するDominoに移籍し、ザ・ウォークメンやタイタス・アンドロニカスとの仕事で知られるケビン・マクマホンをプロデューサーに招き制作した意欲作です。その内容は、リード曲の「It’s Real」や「Green Aisles」を筆頭に、彼ら独特のギター・ポップ・センスと、シンプルにして味わい深い音世界を楽しめるものとなっています。

ここではそんな『デイズ』の内容とリアル・エステートの音楽的背景について、メンバーのアレックスにメール・インタビューで話を聞いてみました。


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Real Estate『Days』インタビュー

__まずは、あなた達がリアル・エステートを結成した経緯と理由について教えてください。みなさん幼なじみだそうですね。

「マットとマーティンと僕は、もう10年以上一緒に音楽をやっていてね。音楽は僕たちの友情の中心となっているんだ。大学ではバラバラになっちゃったんだけど、常に連絡は取り合っていたよ。で、学校の合間に、しょっちゅう会ってはセッションをしてた。学校を卒業した後は、みんな実家に帰ったから、このバンドをやることはとても自然な流れだったね」

__お互いに、どんな少年時代を過ごして成長したんですか?

「僕たちはみんないい子だったけど、学校ではダメダメなタイプだった。パブリック・スクールっていうのに合わなかったんだよね。でも僕らは僕らなりに、とてもスマートだった。だから仲良くなったんだ。若い頃はお互いの趣味に影響されていたよ。今でもそうだけど。高校の時は、クラシック・インディー・ロックのレコードを発掘するのに没頭してたね。’80年代、90年代のヤツとか」

__結成当初、リアル・エステートで音楽的にチャレンジしてみたかったこととは何だったのでしょうか。バンドのコンセプトなどがありましたら教えてください。

「ニューヨークで沢山ライブをしてみたかったね。それで、レコードもつくりたかったんだ。こういう流れで上手くやってる友達がいたから、彼らの方法を真似してみたのさ」

__で、今作はUKが本拠地の名門、Domino Recordsからのリリースとなりますね。どういう経緯で契約することになったんですか?

「実のところは、彼らの方から僕らにアプローチしてきてくれたんだ。もう、すごく興奮してしまったよ」

__では、ニュー・アルバム『デイズ』について教えてください。本作は、2009年にWoodsistからリリースし、好評を得たセルフ・タイトル・アルバムに続く作品となりますが、作品のテーマやコンセプトは、どのようなものでしたか?

「このアルバムに意識的な“メインテーマ”があるかどうかっていうのは…どうだろう、分からないな。でも知らず知らずのうちに、“若さの反映”にはなっていたと思う」

__“Days”というアルバム・タイトルの由来について教えてください。

「Televisionのセカンド・アルバム『Adventure』(’78)に入ってる「Days」っていう曲の曲名から取ったものなんだ。ライターのブライアン・ウォーターマンって人が、この曲のことを“’90年代カレッジ・ロックのブループリントだ”って評してたのさ」

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__音楽的には、ファースト・アルバムで展開した、ナチュラルで、ピュアで、どこかノスタルジックで、ドリーミーで、イノセントで…というReal Estate独特の音世界をさらに押し進めた内容だと感じました。今作の曲づくりで重視したことは何でしたか?

「僕たちはずっと同じ人間だし、(あのアルバムから)そんなに時間も経ってないからね。バンドっていうのは、セカンド・アルバムでは急進的に新たな方向性に進まなきゃ…って、とてもプレッシャーに感じるものだとは思う。常に音楽を発展させなければいけないし、同じところに止まってちゃいけない、っていうのがあるからね」

__そうですね。

「でもそういった変化は、自然に起こるべきものだと思うし、そうじゃなければ、無理している感じが伝わってしまうんじゃないかな。実は僕らのファースト・アルバムの方が、このセカンド・アルバムから自然に進化を遂げたサウンドみたいだって、驚く人が多いんだよね。面白いことにさ。でも、本来はそういう音になるべきだろう?」

__具体的なサウンドメイキング面に関しては、何か意識したことがありましたか?

「ちゃんとしたスタジオで行う制作環境に慣れるまでに、結構時間がかかったよ。クリックトラックに合わせて演奏するのは、僕らにとって今までにない経験だったしね。(今作のプロデュースを担当した)ケビン・マクマホンは、本当に素晴らしい人さ。すごく尊敬してる」

__先行シングル「It’s Real」は、どのようにして誕生した曲ですか?

「「It’s Real」は、マーティンの頭の中から誕生したものだね。彼の頭と、指と手首から生まれたんだ曲なんだ」

__最後に、リアル・エステートの次なる活動目標を教えてください。

「まずはこのアルバムでしっかりツアーをして、その後は新しいアルバムをつくりたいな。この『デイズ』よりも、ずっと良い作品をね」

photo (top) SHAWN BRACKBILL


【リリース情報】

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Real Estate
Days
(JPN) Domino/Hostess / WIGCD275J (流通品番:HSE-10116)
11月2日発売
※日本盤はボーナストラック2曲、歌詞対訳、ライナーノーツ付
HMVでチェック

tracklist
01. Easy
02. Green Aisles
03. It’s Real
04. Kinder Blumen
05. Out Of Tune
06. Municipality
07. Wonder Years
08. Three Blocks
09. Younger Than Yesterday
10. All The Same
11. Blue Lebarron (ボーナストラック)
12. Reservoir (ボーナストラック)

【オフィシャルサイト】
www.hostess.co.jp/realestate
※ アルバム『デイズ』の全曲試聴が可能です。

http://www.facebook.com/realestateband

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