SPICY CHOCOLATE 『渋谷 RAGGA SWEET COLLECTION』 インタビュー


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 ‘94年に南青山のアフロマニアを拠点に活動を開始した、SPICY CHOCOLATE。これまでにオリジナル作品、数々のコンピレーションなどを発表する一方、レギュラー・ダンスやダンサー・コンテスト、“渋谷レゲエ祭”も主催するなど、多方面に渡ってアクティブに活動している、ジャパニーズ・レゲエ界の重要サウンド・クルーです。レゲエの本場ジャマイカとのパイプラインも太く、彼らの活動は、常にリスペクトの対象となっています。

 そんなSPICY CHOCOLATEが、ミックスCDとの二枚組アルバム『渋谷 RAGGA SWEET COLLECTION』、通称“渋ラガ”をリリースします。すでに先行配信リリースされてヒットしている「君に会いたい…feat. 青山テルマ & RYO the SKYWALKER」、夢のコラボが実現した「信ジルモノ feat.YU-A, AK-69 & HAN-KUN from 湘南乃風」を含む注目盤です。ジャケットに、人気モデルの宮城舞を起用しているのも話題でしょう。

 そこでiLOUDは、ジャマイカから帰ってきたばかりだという、中心人物のKATSUYUKI a.k.a. CONTROLERに時間をつくってもらい、新作について話を聞いてみました。


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SPICY CHOCOLATE
ジャパニーズ・レゲエ界の最重要サウンド・クルーが
“渋ラガ”を発信!

ーー『渋谷 RAGGA SWEET COLLECTION』には、何かコンセプトやテーマがありましたか?

「渋谷発、発信ということですね。僕らは渋谷を拠点にしているし、渋谷でレギュラー・ダンスをやっているので、こだわってみました」

ーー“渋谷恋愛百景をフィーチャリングした”と資料にありますが、“恋愛”もテーマになっているんですよね。その発想はどこから生まれてきたのでしょう?

「もともと『東京 RAGGA LOVERS』っていうコンピレーション・アルバムをつくったりもしていたので、ラヴァーズに、盛り上がれる曲も入り交じった新しい形のものを今回はつくってみようと思ったんです」

ーーたくさんの方が制作に関わっていますが、制作は、どのような段取りで進めていったのでしょうか?

「まずオケづくりがあって、そこから人選をしました。僕は歌が歌えないので、アーティストさんに、つくった音源で、こうやって歌ってくれないかってアプローチをしていったんです」

ーーそのフィーチャリング・ボーカリスト陣は、どのように選んでいったんですか?

「勘ですかね。ダブ・プレートの感覚で、例えば、Miss MondayとSIMONに一緒に歌ってもらったことは今までないんで、じゃあ渋谷で夢をつかむっていう歌を歌ってもらおうかなとか。エクスクルーシブな感じで、人が絶対やらねえだろっていうところから動かしていきました」

ーー曲づくりのインスピレーションは、どんなところから得ましたか?

「例えば、参加してもらってるアーティストの歌を研究したり、聴いたりとか。で、この人に、こういうテーマで歌ってもらったら、かっこよくなるんじゃねえかとか。こいつは、こういうことやったことないからっていうところとか」

ーー制作面で、特に追求したことは何でしたか?

「いろんな人に、レゲエっていうものがあるんだよって知ってもらいたかったんで、リズムのつくりかたとか選び方とかそういうところで、幅広く玄人の人から素人の人まで、聴いてもらえるようなつくりにしました」

ーーレゲエが持つ懐の深さも紹介していきたかったっていうことですね。

「そうですね。例えば、AK-69、HAN-KUN、YU-Aの曲(「信ジルモノ feat.YU-A, AK-69 & HAN-KUN from 湘南乃風」)は、今までにやったことのないような、ヒップホップとレゲエとR&Bが一緒になっている曲になってます」

ーー確かに「信ジルモノ〜」はアルバムの中でも、かなり毛色の変わった曲ですね。

「参加してくれたのが、ヒップホップ界とレゲエ界とR&B界のトップのアーティストさんたちなので、だったら本人たちのフィールドのものをまとめあげられたらいいなということで、やってみました」

ーーこの曲は、最終的にレゲエの枠を飛び越えるものになっていると思うのですが、そういうところも意識しましたか?

「やっぱり枠を飛び越えていかないと、新しい人たちに出会うことがないので、枠を飛び越えることは視野に入れてました。でも、僕らがやるのはレゲエなんで、それを、レゲエへの入り口にしてもらえればいいかなって考えてます」

ーー先行シングルとしてヒットした「君に会いたい…〜」が、でき上がった経緯について教えてください。

「青山テルマちゃんと曲をつくりたいっていうことで、何回もアプローチしていたんですけど、今回やっと一緒に曲をつくることができたんです」

ーー青山テルマさんにレゲエを歌ってもらうのは、ずっと頭の中にあったんですか?

「彼女には、カリブ海のトリニダードの血が流れているんですね。そこは、ジャマイカの隣、おんなじカリブ海の中にあるから、彼女の歌がレゲエのビートにのっかったらハマるんじゃないかなとずっと思ってました」

ーー彼女とRYO the SKYWALKERさんを組ませたのは、斬新なアイディアだと思うのですが、それはどういったところから思いついたのですか?

「あの曲をレゲエっぽくするには、レゲエ界の中で頑張っている上手いアーティストに乗っかってもらうべきってことで、RYO くんに一緒にやってもらいました。テルマちゃんのパートの歌詞はMiss Mondayに書いてもらったので聴きやすいけど、筋の通ったものになってると思います」

ーー他の曲では「Tun up!!」で、卍LINEの窪塚さんが歌っているのとか、ちょっと意外な展開でした。

「MUNEHIROと卍LINE、鈴木紗理奈と窪塚洋介って、レゲエ界に身を置きながら芸能界で活躍してる人たちという点で、特殊なんですね。彼ら二人が一緒に歌を歌うっていうのは今回が初めてなんで、それも前からやってみたかったことでした」

ーー二枚組のミックスCDのほうは、豪華23曲収録ですが、選曲はどのようにしましたか?

「選曲は、今回レゲエってところにこだわらず、いろんな人に届くように、FUNKY MONKEY BABYSだったり、BENIちゃんだったり、幅広く入れて、変わった形にしてみました。ミックスCDから逆にDISC-1を聴いてもらって、こういうのがレゲエなんだって知ってもらってもいいと思ってます」

ーー今作は、レゲエ初心者にとっての入り口になるっていうことに、重きをおいているんですか?

「そうですね。それが僕がこういうところ(メジャー)でやらせてもらう理由なので。僕の楽曲をきっかけに、全然違う曲とかレゲエに興味を持ってもらって、SPICY CHOCOLATEって何なんだろうって、夜クラブに遊びに来てくれたりとか、そういう人たちが増えていってくれると、非常にありがたいなと」

ーーこれから特にやってみたいことは何ですか?

「今までレゲエのビートに乗っかったことのないような人にも、レゲエを歌ってもらえるようにしていきたいっていうのがあります」

ーー今、この人に歌ってもらいたいなっていうアイディアはありますか?

「やっぱり安室ちゃんかAKBに(笑)。“えー?、KATSUYUKI、こんな人にレゲエ歌わせちゃったの?”って、そういうところで人を驚かせたいですよね。それでいて、かっこいいものを提供して、発信していきたいなと思います」

ーー今後の予定などありましたら、教えてください。

「9月の23日に<渋谷レゲエ祭>をShibuya O-EASTで開催します。SPICY CHOCOLATEプロデュースの<渋谷レゲエ祭>では、アーティストに、一曲一曲交代しながら移り変わり出て行くような、ミックスCDと同じようなスタイルのパフォーマンスをしてもらいます。来てもらえれば面白さがわかると思うのでぜひ来てください」

interview & text TOMO HIRATA


【リリース情報】

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SPICY CHOCOLATE
渋谷 RAGGA SWEET COLLECTION
(JPN) UNIVERSAL / UICV-1015/6
HMVでチェック(9/14リリース)

【オフィシャルサイト】
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