須永辰緒 日本が世界に誇るジャズ・バンドが集結する 人気コンピレーション・シリーズの“特別編”


クラブ / ジャズ・シーンを第一線で牽引する、“レコード番長”のニックネームでおなじみのDJ / プロデューサー、須永辰緒。全国各地でのDJに加え、自身のソロ・ユニット、Sunaga t experience名義で発表した4枚のアルバムや、150作を超えるプロデュース・ワーク / リミックス作品を通して、“クラブにおけるジャズ”を提示し続けている重鎮だ。

そんな彼が監修する数多くのコンピレーションの中でも代表的な作品が、’06年にスタートした『夜ジャズ』シリーズだ。これまでに、全8タイトルがリリースされているが、このたび、その“特別編”となる『須永辰緒の夜ジャズ・外伝~All the young dudes~すべての若き野郎ども』が登場した。ジャズという共通のキーワードを軸に、ルーツや表現方法によって全く異なるサウンドを展開する、国内15アーティストの楽曲を収録した本作。『夜ジャズ』シリーズの中では異色の作品ながらも、その収録曲からは、他シリーズ同様、深夜のダンス・フロアに漂う濃厚な空気感や熱気、色香を感じ取ることができるだろう。

また、EGO-WRAPPIN’やSOIL&”PIMP”SESSIONS、勝手にしやがれ、PE’Zといった、ジャンルを超えて人気を博しているアーティストも参加しているため、ジャズに触れたことのないリスナーにとっては、入門編としても楽しめる作品となっている。

そこで、『夜ジャズ』シリーズのコンセプトと、現在進行形のジャズがつまった『須永辰緒の夜ジャズ・外伝~All the young dudes~すべての若き野郎ども』の内容について、須永辰緒に詳しい話を聞いた。なお、インタビューの後には、須永氏による全収録曲の解説を掲載しているので、そちらも合わせてお楽しみください。


【『夜ジャズ』の出発点は深夜3時のフロア】

ーーまずは、夜ジャズ・シリーズがスタートした経緯から教えてください。

「シリーズを始めた頃は、’60~’70年代の黄金期のジャズだけでフロアを構成するのに、自分が盛り上がっていた時期だったんです。それまでは、踊りやすい曲も割とプレイしていて、それを撒き餌にジャズで踊ってもらうスタイルだったけど、そろそろ、お客さんにストレスを与えることも厭わず、ジャズだけでフロアを構成してもいいんじゃないかと思っていたんです。ジャズだけでダンス・ミュージックとして成立させようというのも乱暴な話だし、生音のジャズだけで踊るって、ダンス・ミュージックに慣れた若いクラウドには難しかったけど、敢えてやっていたんですよ」

ーーお客さんに対する、ある種の挑戦からスタートしたんですね。

「それで、あるとき、深夜の3時にハンク・モブレーやリー・モーガン、ヨーロッパの誰も聴いたことのないジャズだけで、フロアが盛り上がっていたんですよ。あまりにもその光景が格好良くて、東京にこんなシーンがあることを誇りに思い、何か形に残したくなったんです。そのときに、“深夜のジャズだから、これは夜ジャズだ”と思ったんです。その話をレコード会社の人が面白がってくれて、コンピレーションという形でリリースできることになったんです」

ーースタンダードなジャズのどんな部分に、踊れる要素を見いだしたんですか?

「ジャズに踊れる要素を感じたというよりも、選曲やミックスで、踊れるジャズに無理矢理仕立てたんです。元をただせば、ジャズで踊るのは当たり前で、今みたいに、椅子に座ってじっと聴くものではなかったんですよ。だから、原点回帰という側面もありますね。それに、元々自分が、ハードコアやパンクのDJ出身だから、パンクな精神が好きなんですよ。DIY精神を引きずっているので、黄金期のジャズだけで現在のフロアを揺らすことが、めちゃくちゃパンクなんじゃないかと思ったんです。ジャズを方便に、パンクな精神を実践しているというところですね」

ーーなるほど。夜3時のフロアを見てひらめいた、ということですが、どんな要素を持つ楽曲が、『夜ジャズ』シリーズに適しているのでしょう?

「『夜ジャズ』をコンパイルする際にいつも意識しているのは、エドワード・ホッパーの『Night Hawks』という絵画の持つ世界観なんですよ。あとは、今回のジャケットには、名前もついてないような、NYの裏通りの写真を使ってるんだけど、こういう、夜のストリートの雰囲気を連想するような曲を、これまでに選んできました。夜ジャズを聴いてもらうと、サウンドスケープが浮かんでくるような、そういうイメージの曲ですね」

ーー作品と連動して、イベントも開催されていますが、そこには、現場でジャズを体感してほしい、という思いがあったのでしょうか?

「実は、イベントは後づけだったんですよ。ジャズ・シーンでは、古い曲から新しい曲まで体系立てて聴くスタイルがメインストリームなんですね。ただ、若い人にとっては、どこから聴いていいかわからないし、敷居が高いイメージがあるんですよ。それで、双方のリスナーをつなぐ接着剤の役割として、イベントを始めたんです。“クラブ・ミュージックを通過した耳で聴く、黄金期のジャズはこういうものだ”というコンセプトが自分の中にありますね」


【ダンス・ミュージックを通過した世代が生み出すジャズ】

ーーでは、今回の『須永辰緒の夜ジャズ・外伝~All the young dudes~すべての若き野郎ども』のコンセプトを教えてください。

「“~All the young dudes~すべての若き野郎ども”というサブタイトルが付いているけど、そもそもは、これが本タイトルで、“夜ジャズ外伝”はつけ足しだったんです。今までの『夜ジャズ』とは、全く違うコンセプトだから、“外伝”なんですよ。オーセンティックなジャズが好事家の間で脈々と聴かれている中に、若い子はなかなか入っていけないんですね。だけど、ジャズの理論を勉強した上で、タテノリの曲をやっているSOIL&”PIMP”SESSIONSをはじめ、日本には、世界に誇るジャズ・コンボがたくさんいるんですよ。どんな形にせよ、みんな、“ジャズはジャズ”という気持ちでやっているんですよね。そういう世代がたくさん出てきているので、それを一度コンパイルして、紹介したいと思っていたんです」

ーーなるほど。今回は、自己流のジャズを表現しているアーティストをピックアップしたんですね。

「ジャズのルールや決まりごとよりも、自分たちの考えるジャズを実践しているバンドですね。ジャズの影響を受けて、アコースティックな初期衝動としてのジャズをやっている世代。その多くは、ハウスやヒップホップなどダンス・ミュージックの洗礼を受けていて、その上でジャズをやっているんですよ」

ーー本作は、『夜ジャズ』シリーズの中でも、ジャズを知らないリスナーにも親しみのあるアーティストが、とりわけ多く収録されていると感じました。

「そうですね。ただ、言ってることは相反するけど、これが王道のジャズかといったら、それはどうかな? と思うんですよ。古いジャズを否定しているわけではなくて、古いジャズに、2000年代型のイディオムを加えてリロードさせると、こうした形になることもあるということです。収録アーティストは、みなさんスタンダードのセッションもできるし、古いジャズに敬意を払っていますから」

ーージャズという音楽が、時代によって様々な要素を取り込み、変化する余地があるから、2000年代的な解釈な楽曲が生まれていくのでしょうか?

「それは逆で、ジャズは基本的に変わらないんです。’60年代に雛形ができて、そこから、フュージョンやフリージャズなどいろいろな潮流が生まれたけど、基本的にオーセンティックなジャズの概念は変わらず、インプロビゼーションと演奏です。それと、今回コンパイルしたジャズの何が違うかといえば、ダンス・ミュージックを通過しているかどうかということなんです。ジャズしか勉強していない人が、クラブ・ジャズのような音楽をつくろうとしても、恐らくできないと思います。ジャズは、クラシック / ジャズ・オーディオで聴くことを前提につくられたものが多いけど、ダンス・ミュージックを通過した人の手にかかると、コンポーズやアレンジだけではなく、トラックダウンで上がってくる音も変わってくるんですよ。要するに、クラブの音響に適した音が分かっているということです。そういう曲は、ジャズとして聴くには不自然でも、ダンス・ミュージックと並列して聴くと極めて自然なんですね」

ーー本作のラインナップを見ると、ダンス・ミュージックを通過したジャズのアーティストがこんなに集まるほど、シーンが充実していることが分かりますね。

「そうですね、極めて健全だと思いますよ。’90年代初頭、イタリアにスケーマというレーベルができて、そこからクラブ・ジャズ系のアーティストがたくさん輩出されたんですね。彼らがフランスやカナダ、ノルウェー、フィンランドなど世界中を手引きして、バンドにDJがいるけど、ECMレコードからリリースするようなアーティストが、世界中から出てきたんです。そういう流れは当初から知っていて、日本からも、もっと出てきても良いんじゃないかと思っていたんで、今の状況は非常に喜ばしいですね」

ーー本作を聴くと、一口にジャズといっても、バンドの形態も、アウトプットの方法も実に多彩だと感じました。リスナーには本作をどのように楽しんでほしいですか?

「このアルバムに限ったことじゃないけど、音楽はパッケージあってのものだと思っているんです。ジャケットを手に取って、眺めながら聴きたいので、最近はCDしか出てないものも多いけど、レコードで出ているものはそれを買いますね。音楽は、ジャケットも含めてのトータルアートだと思っているので、CDの中身はもちろん、いつもジャケットにも力を入れているつもりなんです。だから、パッケージを大事にしてほしいという啓発運動の一環として、こういう作品をつくっているんですよ(笑)」

ーー以前にLOUD本誌で行ったインタビューでは、“アンチ・デジタル”とおっしゃっていましたが、パッケージへのこだわりは、それともつながるんでしょうか。

「音楽をパッケージで聴くこととはまた別の話だけど、DJとしては、完全にアンチ・デジタルですよ。デジタルどころか、最近はCDも使わないくらいですから。リスナーにとって、配信音源は便利だけど、DJとしては、音質面でお客さんにストレスを与えたり、いろいろと不都合がありますから」

ーーなるほど。デジタル音源が普及し始めてからは、作品に対する愛着が薄まってきたというか、気軽に取り扱われることが増えたように思います。

「ただ、アルバムを一回聴けば十分というような、消費されるような音楽をつくってる作り手も悪いんですよ。とりあえず耳ざわりのいい、安易なコンピレーションや、カバー・アルバムをつくって配信するだけという状況に慣れてしまうと、ユーザーが麻痺してしまう恐れがあるんですよね。一方で、魂込めて音楽をつくっている人もいるわけですから、全てを同じ並びで聴いてしまうと、音楽文化はどうなってしまうんだろうという懸念があります。ただ、自分としてはパッケージが好きだから、純粋に仲間がほしいんですね。だから、全てを含めて楽しんでほしいですね」

【須永辰緒による、収録アーティスト&楽曲解説】

ここでは、『須永辰緒の夜ジャズ・外伝~All the young dudes~すべての若き野郎ども』の全収録アーティストと楽曲を須永辰緒氏に解説してもらいました。


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01. THE SAX NIGHT

SCRAP JUNCTION

勝手にしやがれの飯島誓と、Bloodest Saxophoneの甲田伸太郎を中心に2006年に結成された、5人のサックス奏者を擁するロックン・ロールオーケストラ。2009年には現メンバーの10人編成となり、これまでに3枚のアルバムを発表。ロックンロールや’60年代のガレージ・サウンドをベースに、ジャズやスカ、タンゴ等、様々な要素を取り入れた、ワイルドなサウンドを展開。「SCRAP JUNCTION」は、本コンピのために新録された楽曲。

「THE SAX NIGHTの作品のジャケットを見た瞬間に、本作への収録を決めました。本作のジャケットのイメージにぴったりなんですよ。実は、噂は聞いていたものの、彼らの音を聴いてなくて、ディレクターから紹介されたんだけど、案の定ど真ん中でしたね」


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02. TRI4TH

BMWの女

つくり込まれた楽曲と確かなテクニックに裏打ちされた、迫力あるライブ・パフォーマンスに定評のある、2006年に本格始動した5ピース・バンド。2009年3月には須永辰緒の主宰レーベルDISC MINORからアナログ・シングル『TRI4TH plus EP』(「BMWの女」収録)をリリースしているほか、多数のコンピレーションやトリビュート・アルバムに参加。さらに、脚本・三谷幸喜、主演・香取慎吾、音楽監督・小西康陽のミュージカル『TALK LIKE SINGING』に出演するなど、多方面で才能を発揮している。

「TRI4THは、若いけど実力者で、つい最近まで、NYのブロードウェイや日本で行われていた舞台、『TALK LIKE SINGING』に、ハウス・バンドとして出演していていました。このシーンで、2、3番手に飛び出てくる可能性のあるバンドですね」


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03. JABBERLOOP

TIME PARADOX

2004年に結成された、5人組クラブ・ジャズ・バンド。2007年にニック・ウェストン主宰のMUKATSUKU RECORDSより12インチEP 『UGETSU』をリリース。同年、1stアルバム『and infinite jazz…』でメジャー・デビューを果たした。その独自の音楽性は海外でも評価が高く、ジャイルス・ピーターソンやJAZZANOVAのユルゲン、パトリック・フォージら多くのトップDJがプレイ。本コンピには、新曲の「TIME PARADOX」を提供。

「JABBERLOOPも、若いのにキャリアがあって、堅実な演奏をするバンドですね。アレンジ力のあるメンバーがたくさんいるので、彼らのアルバムは聴いていて楽しいですよ」


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04. EGO-WRAPPIN’

Nervous Breakdown

1996年に大阪で結成された、中納良恵(Vo / 作詞作曲)と森雅樹(G / 作曲)からなるユニット。 2000年に発表した4thアルバム、『色彩のブルース』がロング・ヒットを記録。 戦前のジャズやキャバレー音楽、昭和歌謡を消化し、現代的なクラブ・ミュージックの感覚も取り入れた独自の世界観は、クラブ〜ポップ・シーンの枠を越えて、幅広いリスナーから支持されている。「Nervous Breakdown」は、『色彩のブルース』の冒頭を飾る一曲。

「僕は、EGO-WRAPPIN’が大好きで、彼らの曲を日本一かけるDJなんですよ。世界中で最もお気に入りのアーティストは、多分EGO-WRAPPIN’だと思います。本人たちはジャズをやっているとは一言も言いませんが、勝手に仲間へ引き入れたんです(笑)」


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05. Bloodest Saxophone

キッスをしようぜ!

1998年に甲田伸太郎を中心に結成された、6ピース・バンド。通称ブラサキ。一発録りのライブ感あふれるサウンドをつめこんだ1stアルバム『Bloodest』以来、これまでに6枚のアルバムを発表している。そのほかにも、トリビュート・アルバム『HEDWIG AND THE ANGRY INCH TRIBUTE』や、m-floのアルバム『ASTROMANTIC』に参加するなど、幅広い活躍を見せている。「キッスをしようぜ!」は、本コンピのための新録曲。

「Bloodest Saxophoneもディレクターから紹介してもらいました。いやに味がある人たちで、語弊があるかもしれないけど、本作の中では、三枚目担当というか、句読点になる曲だと思います。アルバムとして、そういう楽曲が必要だったんですよね。ライブも迫力があって、すごく良いんですよ」


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06. cro-magnon

Feelin’

1996年、ボストンで出会った大竹重寿(Dr)、コスガツヨシ(G / B)、金子巧(Key)のトリオでセッションを開始。Loop Junction名義での活動を経て、2004年よりcro-magnonとして活動開始。ソウルを軸に、ヒップホップ、ハウス、ダブ、ジャズ、ファンク、レゲエなど、あらゆるジャンルを飲み込んだ音楽性を展開し、Jazzy Sportの看板アーティストとして人気を博している。「Feelin’」は、本コンピのための新録曲。

「cro-magnonの「Feelin’」は、本作の中ですごく重要なんです。彼らは、羊の皮を被った狼というか、とても研ぎ澄まされているんだけど、ループに徹していて、黒い狂気を放っているというか…。例えようのないほど格好いい曲ですね。この曲は新録なんだけど、“自分がcro-magnonだったら、こんな曲をつくるだろうな”という期待通りの理想的な曲で、感謝しています」


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07. indigo jam unit

Dooinit

繊細で郷愁感あふれるピアノの旋律、豪快なツイン・ドラム、極太ベース・サウンドを武器に活動する、2005年結成の4ピース・インスト・ユニット。これまでに4枚のアルバムをリリースし、全て1万枚を超えるセールスを記録している。そのほかにも、様々なリミックスや、flexlifeとのコラボ・カバー・アルバム『Vintage Black』や、COMMONのリワーク集『re:common from indigo jam』を発表。「Dooinit」は、このリワーク集に収録されている、故JAY DEE作のトラックをカバーした一曲。

「indigo jam unitも、本作に絶対収録すべきアーティストですね。クラブ・ジャズと呼ばれることを、彼ら自身がどう思っているかは分からないけど、紛れもなく、本作のフロントライナーの一組です。ツイン・ドラムという珍しいスタイルのバンドで、もっと世界に出ていってほしいですね」


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08. quasimode

Corazon

北欧最高峰のジャズ / クロスオーバー・レーベル、RAW FUSIONからデビューし、JAZZANOVA主宰のSONAR KOLLEKTIVEともライセンス契約を結んでいる4ピース・バンド。さらに、名門BLUE NOTEからもカバー・アルバム『mode of blue』と4thフル・アルバム『daybreak』をリリースしているシーン屈指の実力派。今回は、キャロル・キングが1973年に発表した「Corazon」のカバーを、本コンピのために新録。

「quasimodeも、早くからクラブ・ジャズを標榜してきたバンドで、BLUE NOTEからリリースするくらい、実力者揃い。間違いないバンドです。“クラブ・ジャズといえばquasimode”というイメージが強いですね」


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09. カルメラ

地中海に浮かぶ女

西崎ゴウシ(Tp)と宮本敦(G)が2006年に前身となるバンドを結成し、2007年4月より本格的に活動を開始。大阪市内でのストリート・ライブや、ライブ・ハウス、クラブを中心に活動する8人組インスト・バンド。胸を撃つ哀愁メロディーに、ジャズ、サンバ、ラテン、ソウルなど多彩なテイストを取り入れた、血湧き肉踊るロック・チューンを展開している。5月26日には、1stアルバム『Hello!!ワールドワイド』をリリース予定。それに先駆け、本コンピには新録曲「地中海に浮かぶ女」を収録。

「カルメラは、僕が大阪でやっている<World Standard>というイベントで、早い時間にレギュラーで演奏してくれている、4管+4リズム隊の8人編成のバンドですね。この「地中海に浮かぶ女」で初めて世に出ると思います」


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10. Black Qp’67

Lunes Feliz

オーセンティックなジャズ、クラブ・ジャズの両シーンから注目を集めているバンド、nativeのリーダーである中村智由による新プロジェクト。2009年8月に1stアルバム『Hot Chase』をリリースし、ドラム、ベースのボトムスに、オルガン、ギター、中村智由をメインとしたホーン隊がファンキーかつ華麗に絡み合う、重厚で華やかなサウンドを展開している。本コンピには、『Hot Chase』に収録されている「Lunes Feliz」を提供。

「nativeのメンバーによるアザーサイドのバンドです。ハンク・モブレーの『Dippin’』のような、ソウル・ジャズの世界観を演出しているコンセプトが面白いと思っていたんです。彼らは、唯一無二の個性を持っているので、まず紹介したいなという思いがありましたね」


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11. Sunaga t experience

A Kite

須永辰緒によるソロ・ユニットで、これまでに4枚のアルバムを発表している。2009年末にリリースした3年半ぶりの4thアルバム、『Jazz Et Jazz』には、アキコ・グレース、ティモ・ラッシー、ユッカ・エスコラ(The Five Corners Quintet)、ジェラルド・フリジーナ、リクル・マイ、万波麻希ら多彩なゲストが参加。フロア・フレンドリーなダンス・ジャズから、陶酔を誘う幽玄なエレクトロニカ・ジャズまで、多彩な楽曲でジャズの前衛性を表現している。本コンピには、そんな『Jazz Et Jazz』より「A Kite」を収録。

「これは自分の曲ですが、自分もこのシーンでDJも制作もやっているから、仲間に入れてもらった感じですね。本当は裏方になりたくて、入れるつもりはなかったけど、The Five Corners Quintetのメンバーが参加しているので、それも含めて、入れる意義があるかなと思いました」


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12. THE TRAVELLERS

GHOST RIDERS IN THE SKY

1998年、福岡県久留米市を拠点に活動を開始して以来、国内の大型ロック・フェスに出演するほか、US、UK、タイといった海外でも活躍する4ピース・バンド。ロック・テイストなものからジャズ・スタンダードまで、多彩な楽曲をメンバーが一丸となってプレイするパワフルなライブで人気を博している。「GHOST RIDERS IN THE SKY」は、2001年のカバー・アルバム、『THE TRAVELLERS』からの一曲で、1948年にスタン・ジョーンズが作曲したカウボーイ・ソング。

「THE TRAVELLERSは、福岡のバンドで、バンドをやっている人はみんな知っている、隠れた実力者なんですよ。ロッキンなジャイブがありますね。彼らは、クラブ・ジャズの仲間に入れちゃホントはまずいんだけど、このくくりで入れたらどうなのかな、と思っていたんです。クラブ・ジャズは幅広さが肝だったりするので」


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13. 勝手にしやがれ

ステンドグラスのキリスト

1997年の活動開始以来、様々なジャズをパンク・ロックの精神で独自の音楽に昇華させている7ピース・バンド。ドラムの武藤昭平がボーカルを務める独特のスタイルが特徴で、2004年にメジャー・デビュー。CMや映画のサントラにも起用されるなど、幅広い活躍を見せている。これまでに9枚のアルバムをリリースしており、本コンピには、2005年の5thアルバム『シュール・ブルー』からの一曲「ステンドグラスのキリスト」を収録。

「勝手にしやがれも、THE SAX NIGHTと同様に、バンドのコンセプト自体が、“~All the young dudes~すべての若き野郎ども”にぴったりで、最初から入れたいと思いましたね。「ステンドグラスのキリスト」は、本作のコンセプトを体現している曲だと思います」


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14. SOIL&“PIMP”SESSIONS

SUMMER GODDESS

破壊力抜群の爆音ジャズ=DEATH JAZZの呼び名で知られる、アジテーターの社長率いる6人組バンド。ジャズのスタイルをベースとしながら、あらゆる音楽を吸収したクロスオーバー・サウンドを展開し、これまでに6枚のアルバムを発表。国内の大型フェスに出演を果たしているほか、2009年夏には、14カ所におよぶ大規模なヨーロッパ・ツアーを成功させている。本コンピには、2005年のミニ・アルバム『SUMMER GODDESS』のリード・トラックを収録。

「SOIL&“PIMP”SESSIONSがいないと話にならんだろう、ということで、完璧なフロント・ライナーですね。彼らがいなかったら拍子抜けしてしまうくらい、本作になくてはならないバンドです。他にも良い曲はたくさんあるけど、「SUMMER GODDESS」は、自分がプレイした回数が最も多い曲なんです」


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15. PE’Z

人が夢を見るといふ事~Black Skyline~vocal remix by Sunaga t Experience

1999年にOhyama “B.M.W” Wataru(Tp)を中心に結成された5ピース・バンド。ジャズをベースにしながらも、ラテンやロックなどを取り込んだサウンド、緊張感と躍動感を兼ね備えた圧倒的なライブ・パフォーマンスが評判となり、2002年にミニ・アルバム『Akatsuki』でメジャー・デビュー。2009年で活動10周年を迎え、今年2月には約3年ぶりのアルバム『1・2・MAX』をリリースした。本コンピには、2004年にSunaga t Experienceが手がけたリミックスを収録。

「これは、自分がリミックスさせてもらった曲でですね。PE’Zもクラブ・ジャズ・シーンができる前からずっと、アウトローなジャズをやっていたバンドで、どうしても彼らは入れたいと最初から思っていました。自分のイベントにも出てもらっていました」

アルバム情報

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VARIOUS ARTISTS
須永辰緒の夜ジャズ・外伝
~All the young dudes~すべての若き野郎ども
(JPN) SONY
AICL-2119

01. SCRAP JUNCTION / THE SAX NIGHT
02. BMWの女 / TRI4TH
03. TIME PARADOX / JABBERLOOP
04. Nervous Breakdown / EGO-WRAPPIN’
05. キッスをしようぜ!/ Bloodest Saxophone
06. Feelin’ / cro-magnon
07. Dooinit / indigo jam unit
08. Corazon / quasimode
09. 地中海に浮かぶ女 / カルメラ
10. Lunes Feliz / Black Qp’67
11. A Kite / Sunaga t experience
12. GHOST RIDERS IN THE SKY / THE TRAVELLERS
13. ステンドグラスのキリスト / 勝手にしやがれ
14. SUMMER GODDESS / SOIL&”PIMP”SESSIONS
15. 人が夢を見るといふ事~Black Skyline~vocal remix by Sunaga t Experience/ PE’Z

【Sunaga t experience official site】
http://sunaga-t.com/

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