Tennis『Young & Old』インタビュー

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米デンバーを拠点に活動する、パトリック・ライリー(Patrick Riley:Gu/Ba)とアライナ・ムーア(Alaina Moor:Vo/Piano/Keys)夫婦と、ジェームス・バローネ(James Barone:Dr/Perc)の三名からなるインディー・ポップ・バンド、テニス(Tennis)。’11年初頭にデビュー・アルバム『ケイプ・ドリー』(Cape Dory)をリリースすると、’50〜’60年代ポップスのエッセンスを独自のセンスで吸収、表現した瑞々しいサウンドで話題を集めた注目株です。

そんな彼らが、セカンド・アルバム『ヤング・アンド・オールド』(Young & Old)を4/18にリリースします。プロデューサーにパトリック・カーニー(The Black Keysのドラマー)を招き、“モータウンを経験したスティーヴィー・ニックス”という新たなバンドの方向性をもとに、さらなる音楽的変化・発展を目指した意欲作です。

ここでは、本作『ヤング・アンド・オールド』の内容と、テニスの成り立ち、音楽的背景について語った、紅一点のメンバーとして活躍するアライナのインタビューをご紹介しましょう。なお、本作の初回日本盤は、ボーナストラック2曲に加え、前作『ケイプ・ドリー』全曲も収録された、スペシャル・パッケージとなっております。


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Tennis『Young & Old』インタビュー

__テニス結成のきっかけを教えてください。

「パトリックとは、大学生の時に知り合ったの。パトリックは卒業したらすぐに旅に出て、船乗りになって航海する計画を立ててた。それでぐっときたのよ(笑)。私の知り合いのほとんどは、卒業したら大学院に進もうとか、法科に行こうとか、そんな人ばっかりだったのに、船乗りになろうなんていうのは彼だけでね。それにインスパイアされて、仲が良くなるにつれて付き合うようになった。当時私は、自分も卒業したら大学院に進もうと思ってたんだけど、それをいったん延期して、彼と一緒に旅に出ようって決めたのよ。それで、結局二人で8ヶ月船で暮らすことになった。あれは本当にすべてが変わるような体験で、旅の終わりには結婚しようってことになったのよ。それで結婚して、デンバーに戻って仕事を見つけて」

__映画のようなストーリーですね。

「で、それから、一年間海の上で生活したっていうシュールな体験を、自分達なりに消化しようとしはじめたのね。実際、人に伝えるのが難しかった。でも思い出を失いたくなかったし、そこで学んだことも失いたくなくて、それで私達はそれについての曲を書きはじめたのよ。旅から戻って半年くらい経った頃かな? 一緒に曲を書きはじめて、最初に「Marathon」(ファースト・アルバム『ケイプ・ドリー』収録曲)ができたわ。で、友達に聴かせるためにインターネットでシェアしたら、いくつかの音楽ブログに取り上げられて、ラジオでかかりだして、突然いろんな人からメールがきはじめた。“どういう人なの?”かとか、“あの曲は何についてなの?”とか、“ライヴをやりたくないか?”とか。つまり、突然一曲をもとにバンドが始まったっていうことね(笑)」

__二人の音楽的趣向はどのような感じなのでしょうか?

「私は子供の頃、ほとんどクラシック音楽とミュージカルしか聴かなかった。ジュディ・ガーランドの古い映画とか、そういう音楽が大好きでね(笑)。パトリックの方は、もうなんでも好き、っていうタイプ。昔のロックもなんでも聴くし、私より大人っぽいテイストを持ってる。私は小さい時に教会で歌っていて、私もパトリックも大学では短期間音楽を勉強したのよ。その後、二人とも哲学を発見して、知的追求の対象として哲学と恋に落ちたのね。音楽より哲学の方が自分には合ってると思った。実際、パトリックとは哲学の授業で知り合ったし。二人とも音楽を勉強してたんだけど、哲学に変えた後に知り合った。それが私達二人のバックグラウンドね」

__哲学があなた達を結びつけたんですね。

「二人で航海している間、フロリダ・キーズに停泊してた夜に、ラジオからシレルズ(ザ・シュレルズ:The Shirelles)の「Baby It’s You」が流れてきて、私はそれまであの曲を聴いたことがなかったんだけど、もう曲のすべてと恋に落ちたの。で、もし自分が曲を書くことがあったら、こんな風にしたいと思った。だから『ケイプ・ドリー』を書いてる時には、ああいう’50年代のポップ・ソングが頭にあったわ」

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__なるほど。前作『ケイプ・ドリー』は高評価を得ましたが、今作『ヤング・アンド・オールド』をリリースにあたって、プレッシャーはありましたか?

「プレッシャーはまったく感じなかった。これがどんな風に受け止められるのか、とかね。私とパトリックが一番好きなのは、曲を書くことなの。例えば、私はライヴをやるのがすごく苦手で…性格的に、ステージの上で注目の的になるのが楽しめないのよ。私達のライヴを観たことがある人ならわかると思うんだけど、私ってMCもほとんどしないし、クラウドの方もほとんど見られなくて、大抵は目をつむったままなの(笑)。でも曲を書くのは大好きだから、もうサード・アルバムの曲も書きはじめてるわ。だから、曲を出さなきゃいけない、みたいなプレッシャーはまったくないのよね。スランプもまったくない。いつだって新しい曲を書きたいと思ってるから」

__アルバム・タイトルの由来は何ですか?

「アイルランドの詩人、W.B.イエイツの、『ア・ウーマン・ヤング・アンド・オールド』から取ったの。私が、重要な詩人や作家を読み直してる時にこの詩と出合って、うまく説明できないんだけど、とにかく心を動かされたのよ。曲を聴いて、すぐ“これこそ私の歌だ!”って思うのと同じように、“これは自分の詩だ”って感じた。そういうのって、それまでは、詩に対して感じたことがなかったのに」

__プロデューサーにザ・ブラック・キーズのパトリック・カーニーを起用した理由を教えてください。

「ブラック・キーズの音楽スタイルは、私達がインスパイアされてきた音楽と同じところから生まれているからね。ラッキーなことに、過去にブラック・キーズとレーベルをシェアしてたのよ。彼らの旧譜は、アメリカではFat Possumから出てるから。それで共通の知り合いがいて、パトリック・カーニーにプロデュースに興味があるか、打診したの。で、それがうまくいって、実際私達はびっくりしたし、嬉しかったわ。彼とやるのは、本当にポジティヴな体験だった。次も絶対彼と一緒にやりたいと思ってる」

__『ヤング・アンド・オールド』の中で、あなたが気に入っている曲は何ですか?

「歌詞で一番誇りに思ってるのは、「My Better Self」かな。あれは歌詞が先にあって、後から曲ができた数少ない曲の一つなの。普通は、大抵先に曲ができるから。でもこの曲の場合は違っていて、先に歌詞で表現したいことがあった。出来映えにもすごく満足してるわ」

__最後に、日本のファンに一言お願いできますか。

「まずは、聴いてくれて本当にありがとうってことね。それから、とにかくできるだけ早く来日します、ってことかな(笑)」


【リリース情報】

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TENNIS /テニス
Young & Old /ヤング・アンド・オールド
(JPN) Yoshimoto R and C CO., LTD. / YRCG-90070
4月18日発売
HMVでチェック

tracklist
01. IT ALL FEELS THE SAME /イット・オール・フィールズ・ザ・セイム
02. ORIGINS /オリジンズ
03. MY BETTER SELF/マイ・ベター・セルフ
04. TRAVELING/トラヴェリング
05. PETITION /ペティション
06. ROBIN /ロビン
07. HIGH ROAD /ハイ・ロード
08. DREAMING /ドリーミング
09. TAKE ME TO HEAVEN /テイク・ミー・トゥ・ヘヴン
10. NEVER TO PART /ネヴァー・トゥ・パート
11. DEEP IN THE WOODS /ディープ・イン・ザ・ウッズ※
12. TEARS IN THE TYPING POOL /ティアーズ・イン・ザ・タイピング・プール(ブロードキャストのカヴァー)※
13. TAKE ME SOMEWHERE /テイク・ミー・サムホェア*
14. LONG BOAT PASS /ロング・ボート・パス*
15. CAPE DORY /ケイプ・ドリー*
16. MARATHON /マラソン*
17. BIMINI BAY /ビミニ・ベイ*
18. SOUTH CAROLINA /サウスカロライナ*
19. PIGEON /ピジョン*
20. SEAFARER /シーファーラー*
21. BALTIMORE /ボルチモア
22. WATER BIRDS /ウオーター・バーズ*

※日本盤ボーナス・トラック
* 初回盤ボーナス・トラック(ファースト・アルバム『ケイプ・ドリー』全10曲)

【オフィシャルサイト】
http://bignothing.net/tennis.html
http://www.tennis-music.com/
http://www.fatpossum.com/artists/tennis

【Video】




Tennis – Pigeon from Scott Laidlaw on Vimeo.

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