The Sounds『Something To Die For』インタビュー


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’99年にスウェーデンで結成されたニューウェイブ・ロック・バンド、ザ・サウンズ。メンバーは、ジェスパー・アンダーバーグ(Keys)、ヨハン・ベングットソン(B)、フレデリック・ニルソン(Dr)、フェリックス・ロドリゲス(G)、そしてカリスマ的存在感を誇る紅一点のボーカル、マーヤ・イヴァーソンの五名。本国のポップ・チャートで初登場4位を記録した『Living In America』(’02)や、ワールド・リリースされた『Dying to Say This to You』(’06)を通じて、US/UKでも高い評価を獲得している人気グループです。

そんな彼らが、自ら“全体的な完成度をすごく誇りに思っている”と語る前作、『Crossing The Rubicon』(’09)以来となる、通算4作目となるアルバム『サムシング・トゥー・ダイ・フォー』を4/6にリリースします。その内容は、彼ららしいワイルドかつ華麗なニューウェイブ・サウンドをベースに、従来作以上にダンス・ミュージックの要素を導入した、ダンサブルなもの。彼らの新しくも成熟した音楽性を楽しめる、会心作となっています。

というわけで、今作『サムシング・トゥー・ダイ・フォー』の内容について、メンバーのジェスパーに話を聞きました。


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THE SOUNDS

北欧の実力派ゼロ年代ニューウェイブ・バンドが到達した、
ロックでダンスなニュー・アルバム

__前作 『Crossing the Rubicon』 (’09)の反響はいかがでしたか?

「アーティストには、自分達のサウンドをつくり込んで、クリエイティビティの核心に到達する手段として、アルバムを制作することが必要な時というものがあるんだ。『Crossing the Rubicon』 は正にそういうもので、アーティスティックな視点から見て、僕らにとって必要で、かつ発展的な作品になった。今でも、全体的な完成度をすごく誇りを思っているよ。反響にも、ポジティブな手応えを感じた。いつもとは違う一面を表現できたし、成熟した僕らの姿がみんなに伝わっていたら嬉しいね」

__では、ニュー・アルバム『Something To Die For』 について教えてください。まず、作品のテーマやコンセプトは何でしたか?

「このアルバムには、あえて意図的なメッセージは取り入れなかったよ。追求したのは、生き生きとしたフィーリングをつくり出すことだけで、それには、自分達を追い込む意味もあったね。僕らのトレードマークの一つは、アップビートでポジティブなリフに乗せた、ムードのある詩的な歌だから。ハッピーな曲を書くことの方が難しいけど、結果的にはうまくまとめられたと思う」

__アルバム・タイトル曲の 『Something To Die For』 は、どのようして誕生した曲ですか?

「このアルバムの中で、ギターのフェリックスと最初に書いた曲だから、アルバム全体の青写真というか、中心的な存在になった曲だね。僕らがこのアルバムで伝えたかったフィーリングのテーマ曲、という役割を果たしていると思う。人生の全てを音楽にかけている僕らにとって、“Something To Die For“(死んでもいいと思えるほど夢中になれるもの)がない人間というものは、生きていても虚しいだけだと思う、残念だけど」

__今作では、よりエレクトロニックなビート~サウンドを打ち出した楽曲にもトライしていますが、曲づくりや音づくりで、特に重視したことは何でしたか?

「僕らはエレクトロニック・ミュージックから常に影響を受けてきたけど、このアルバムでは、僕らが子供だった頃に一番好きだったジャンルの音楽を、自分達のバージョンで再現したいと思った。ザ・サウンズの美学と、ヨーロッパ産エレクトロ・ロックのハイブリッドだと言える作品だね。僕らの曲は世界中のクラブでかかっているし、今作では、よりピュアなダンス&エレクトロニック・アルバムにすることを意識したよ」

__曲づくり自体は、どのようなプロセスで制作していきましたか?

「前作との最大の違いは、今作を完全なセルフ・プロデュースで、自分達のスタジオでつくったことだった。そして、前作では曲の大半をピアノかギターで書いたけど、今作では、アルバム全体に変化をつけるために、ループを取り入れるなど、実験的なアプローチでに挑戦した。エレクトロニックなサウンドを取り入れたんだ」

__今作の制作で、特に苦労したことは何でしたか?

「特に難関だったのは、6週間という限られた時間内でレコーディングしなきゃいけなかったことかな。セルフ・プロデュースって、制作スケジュールやプロダクションに関わる工程まで、全部自分達で管理するって意味だからね。本来僕らはアーティストで、ただ音楽をつくってきたわけだから、そういう意味では状況が一変して、それは大変な作業だったよ」

__リード曲の「Dance With The Devil」 と 「Better Off Dead」 は、それぞれどのようして誕生した曲ですか?

「両方とも、早い段階からつくり始めた曲だね。「Better Off Dead」の方は、制作初期段階の頃にはもう完成してた。キャッチーなサウンドの“テクノ・ロック・マッシュアップ”をつくるのが目標だったんだけど、フェリックスは、特にこの曲の制作に集中していたよ。ある日、スタジオにいたフェリックスが、“I’m better off dead”っていう歌詞を書いたんだけど、どうやら機嫌の悪い日だったみたいでね。それがきっけかでできた曲さ。すごく破滅的な意味が込められた、ややこしい恋愛関係の話がテーマになっている曲なんだ。「Dance With The Devil」の方も、初期の頃に書き始めた曲だったんだけど、マスタリング作業にたどり着くまでに、かなり時間がかかったね。楽曲って、ごく自然に展開していくものあれば、完成するまでに果てしなく時間がかかるものもあるんだ」

__ロック・サウンドと、ニューウェイブ~エレクトロニック・ポップ・サウンドを融合するにあたって、あなた達が一番こだわっていることとは何ですか?

「曲中にスペースを残すことだね。例えば、曲にキーボードとギターを足す時、両者を中心的な要素にしつつも、それが対立しないように、両者に十分なスペースを与えていくことがすごく大事なんだ。だから今作でも、それぞれの要素を発展させながら、適度にバランスのある状態にするという点には、こだわった。僕らのような音楽を演奏するには、大抵(音の要素を)引くことが、結果として足すことにつながるんだ」

__The Soundsの、次なる活動目標を教えてください。

「そうだなあ。アルバムつくったばかりだし、はっきりした目標は今のところないよ。僕らはいつだって自分達のペースで物事を進めてきたし、他のバンドが必死で追い求めている、いわゆる音楽ビジネスとは距離を置いてきたからね。一つだけ言えるのは、これからも自分達とファンのために音楽をつくり続けていきたい、ってことかな。ライブをやって、人生をエンジョイして、できる限り沢山の曲を書いていく。そうそう、あとは日本に行くこと! 日本でライブをやることは、僕らの長年の夢なんだ!」

tanslation Kyoko Watanabe Barbosa
interview & text Fuminori Taniue


【アルバム情報】

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THE SOUNDS
Something To Die For
(JPN) Bullion/Wave Master / BLLN-145
4月6日発売
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tracklisting
01. It’s So Easy
02. Dance With The Devil
03. The No No Song
04. Better Off Dead
05. Diana
06. Something To Die For
07. Yeah Yeah Yeah
08. Won’t Let Them Tears Us Apart
09. The Best Of Me
10. Wish You Were Here

【オフィシャルサイト】
http://the-sounds.com/
http://www.ulf.co.jp/bullion/top.html

【Video】

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