The Zap!(ラジャ・ラム)インタビュー


 PSYトランス・ゴッド、ラジャ・ラムと敏腕クリエイターのベンジ・ヴォーガンが新しいプロジェクト、The Zap!を立ち上げ、アルバム『Big Bang』をリリースしました。その作風は、フルオン一辺倒だった近年のPSYトランス・シーンとは一線を画すフレッシュなもの。
 そこで、iloudではこの新作の魅力に迫るべく、多忙を極めるラジャ・ラムにメール・インタビューを試みました。ぜひアルバムと一緒にお楽しみください!


ーーThe Zap!結成の経緯を教えてください。
「サイバーババから生まれたんだ…..プロジェクトの始まりはTipのコンピレーション 『movers and groovers』で1曲一緒にやったことだった……その後しばらくあまり一緒にやってなかったけれど、2007年にはやる気になって、一緒に書きたい音楽書の同じ1ページに載ってみたのさ」

ーーアルバムには多彩なサウンドが詰まっていますが、このプロジェクトには何かコンセプトがあるのでしょうか?
「オルタネティブ..サイケデリック・エレクトロニック・ダンス・ミュージック…ZAPサウンド…..活気あふれていて…..粋」

ーー「Everybody Atomic」にはシンギング・ボウルの音が使われていますが、これはサンプルですか?
「プログラムされたシンセの音だ…..気にいってくれて嬉しい…..REAKTORから出ている」

ーー「The Mouse And The Opera Singer」という曲のタイトルは、ちょっと変わっていますね。
「スタジオに一匹のねずみが走って入ってきたんだ…..オペラ・シンガーの録音をしているときにね…..そのシンガーはモーツァルトのオペラをやっている人だった….そしてねずみは本物だった…..だから、この曲を「ねずみとオペラ・シンガー」と名付けたんだ….ふたつの瞬間がひとつになった……」

ーー「Proton Pusher」は尋常じゃなく速い曲ですが、この曲のベースにあるアイディアは何だったのでしょう?
「Proton Pusher」….我々の初期の曲のひとつ…そのアイディアは本当に速い165BPMで何かをやるということだった….その始まりはローランドSH-101のシーケンスを繰り返すところにあった….それがミュータント・テクノ・ビーバップに進化したのさ!」

ーー「Hoffman’s watch」は、102歳で今年亡くなったアルベルトホフマン博士に捧げる曲ですか?
「ホフマンに捧げる曲ではあるが、曲にとりかかったとき、彼は召されていなかった。そして、曲ができて数日後、彼は旅立った….永遠に彼に感謝し、彼のような精神にこの曲を献ずる」

ーー「Start Again」はアルバム中、もっともダンスフロア向けのトラックですが、今でもフルオンのPSYトランスは好きですか?
「そうだな、この曲は145BPMのPSYトランスに最も近い曲ではあるけれど、アルバムに収録されている他の曲もそうであるように、ある特定ジャンルのサウンドになるよう意図して創られたものではない。とはいえ、アルバムの基礎的アイディアは、今や飽きがきたとも言えるデケデケのフルオン・サウンドから離れることだったと認めざるをえないな….我々は二人とも何かフレッシュなものを求めていたんだ…..焼いた豆の発酵した缶詰じゃなくて、フレッシュな有機野菜サラダのようなものをね!!」

ーーテンポの遅い曲は、近年のエレクトロに侵略されたハウス・シーンに対する回答ですか?
「たしかに今のエレクトロ/ミニマル・シーンには、クールな音楽がいっぱいあるね…..そういうものも少し聴いていたということが、アルバムのサウンドには反映されている…..でも、アルバム全体は単純に自分たちが好きで、聴けて踊れるものを自由に表現したものだ…..その結果は曲の中で、PSッやエレクトロやサイケデリアなど様々なものを思い起こさせるだろう」

ーーレコーディング中に起きた、何か面白いエピソードがあったら教えてください。
「このアルバムは、ブルゴーニュ・ワインとチーズでハイになっているとき創られたかす少ないエレクトロニック・アルバムのひとつだ…..セッションはヴィンテージ・ワインのクオリティーに通常は左右されていた…..ワインが良ければサウンドがワイルドになる!!….ディオニュソスのように我々はワインを崇拝していた!!」

ーーThe Zap!からメッセージをお願いします。
「The Zap!からのメッセージ…..未来は今だ…..ザップするときが来た!!!」

The Zap!『Big Bang』をHMVでチェック!

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