Tomo Hirata「Taiko」インタビュー

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日本にまだEDMという言葉が浸透していない頃から、いち早くその普及活動に取り組んできたDJ/プロデューサー、Tomo Hirata。1990年にUKのHOOJ CHOONSからデビュー、それ以来一貫して、旬のダンス・ミュージックを日本に紹介する役割を果たしてきた、海外と日本のダンスミュージック・シーンをつなぐ存在です。現在は、日本初のEDM専門番組“EDM Essentials”(BlockFM)のナビゲイターも務めていますね。

そんなTomo Hirataが、フランスの大手ダンスミュージック・レーベル“DJ Center Records”から、8/13に新曲「Taiko」をリリースしました。和太鼓の音色と日本的なグルーヴが印象的なこの曲は、Laidback Luke、Sidney Samson、Justin Prime、Quentin MosimannといったビッグネームDJ達からもサポートされています。

ここでは「Taiko」の内容とその背景について、Tomo Hirataに話を聞きました。


Tomo Hirata 「Taiko」インタビュー

__ニューシングル「Taiko」は、オリジナルとしては昨年6月の『The Places / Let Your Love Surround Me』以来約1年ぶりの作品となりますね。ダンスミュージック・プロデューサーは、かなり早いペースで新曲をリリースする印象なのですが、1年という期間が空いたのはなぜでしょう?

「前作を出したあとに、“世界最高のダンスフェスティヴァル”と言われているTomorrowlandに行ったんですけど、そのメインフロアで主にかかっていたのは、メロディアスな曲ではなくて、キックが重い、トラックものだったんです。そこでちょっとEDMの見方が変わって、「Taiko」をつくりはじめました。EDMシーンは流れが速いなと思いましたね。「Taiko」は9〜10月くらいにつくり始めて、11月に形になったんで、11/30に、僕が主宰をしているEDMFのパーティで最初にテストプレイしました。反応は悪くなかったんですが、クラブでかけると、いろいろ修正したいところが出てくるので、そのたびに手を加えていったら、納得できる形になるまでさらに4ヶ月もかかってしまったんです」

__それで半年たってしまったわけですね。

「並行して何曲もつくれる性格じゃないので、寡作なんですよね。ダンスミュージックのプロデューサーなら、週に1曲書けるくらいが望ましいんですけどね。それで10曲書いて1曲使える曲ができるっていうのが、本当は理想だと思ってます」

__今回はEDMFからではなく、イビサの名門Amnesiaのコンピなどを出している、フランスの大手ダンスレーベル“DJ Center Records”からのリリースですね。これは、どういう経緯で実現したのでしょう?

「前作に収録されている「The Places」が、フランスの大御所Joachim Garraudにサポートされて、それがきっかけでDJ Center Recordsの『Amnesia Ibiza EDM Vol.1』というコンピレーションに収録されたんです。それで、DJ Center Recordsとはつながりができたので、「Taiko」を送ってみたところ、すぐにサインしたいという返事がもらえました。実は、他にもうひとつビッグレーベルからのオファーがあったんですが、そこはEPを出したがっていて、他にも何曲か聴かせてくれという話になってしまったので、DJ Centerを選びました。どっちにしても、日本のEDMシーンは独自の方向に向かい始めていて、自分の理想としている方向には向かっていない、抵抗しても僕の力で流れは変えられないなと感じ始めていたので、軸足を海外に移そうとは思っていました」

__日本と海外のEDMシーンの違いは何ですか?

「日本のEDMシーンは、どういうわけかオールミックスのシーンに取り込まれてしまったんです。ヒップホップの元気がなかった時期と、EDMの人気急上昇タイミングが重なってしまったからなんでしょうね。いまでも、Hip Hop/R&B/EDMっていうパーティをよく見ますよね。そういうとことろでは、EDMが普通にディスコ・スタイルでかかってますけど、それは本来のEDMスタイルではないと思うんです。EDMは2010年代のメインストリーム・ダンス・ミュージックで、基本はプロデューサー・カルチャーですし、そこには新しいDJのマナーや、クラウドとのコミュニケーション・スタイルがあります。YouTubeでTomorrowlandやUltraの中継を見たら、それははっきりわかりますよ。僕は、そのEDMスタイルを日本で広め、日本にもEDMシーンをつくりたいと思って活動してきたんですけど、その目標は達成できなかったなと今は思っています。本物のEDMシーンをUltra Japanが持ってきて、すべてをひっくり返してくれるかもしれませんが」

__ということは、日本では今後活動しないんですか?

「いや、軸足を海外に移して、インターナショナルに活動できるようになることを目標に、まだまだ日本でもがんばりますよ。ただ、EDMはもともとグローバルな音楽なので、日本のシーンにこだわる必要はまったくないなと考えを修正はしました。日本と海外では温度差が大きすぎるので。自分が世界のEDMシーンに日本の国旗を揚げられるほど力をつければ、自然に流れも変わっていくと思いますし」

__「Taiko」は、日本人のEDMとしては、これまでで最高位のbeatport ELECTRO HOUSEチャート29位を記録していますね。

「Laidback Luke、Sidney Samson、Justin Prime、Quentin Mosimannといった海外のトップDJ、TakuさんやYUMMYちゃん、ジョンさんといった日本のトップDJがサポートしてくれたことが大きかったと思います。そして何より、いつも僕の出演するパーティに来てくれるみんな、“EDM Essentials”を聴いてくれてるみんなが応援してくれたから、この結果が出せたと思っています。海外のEDMシーンは、きわめてレベルが高いのですが、今回やっと片足をつっこめたかなと思っています」

__今回、海外のトップ・クリエイターたちの間に食い込めたことで、次作が重要になってくると思いますが、次はどんな展開を考えていますか?

「「Taiko」は、和太鼓を使った、とても日本的なトラックでしたが、これは僕の日本人としてのアイデンティティを重視したものだったので、今度はそういうことを抜きにして、正面勝負したいですね。オランダやスウェーデンといったEDM先進国のアーティストに負けない曲をつくりたいです。EDMシーンは、トレンドがまた変わってきているので、そこも加味したいですね。ヨーロッパのアーティストとコラボする話もいくつかあるので、次作はコラボになるかもです。その前に、「Taiko」の別バージョンで、“Tokyo Mix”というのがあって、UKのDJから評判が良いので、それをおそらく9-10月頃に出します。DJは月1-2回におさえて、海外進出に向けて制作に力を入れたいですね」

Interview: iLOUD


【リリース情報】

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Tomo Hirata
Taiko
(FRA) DJ CENTER RECORDS / DJC145
beatport exclusiveで発売中

【PARTY INFO】
8/22 (Fri) SHIBUYA MIXX x GLOBAL EDM2 with Justin Prime at T2 Shibuya
8/24 (Sun) HAMELN at module
8/30 (Sat) OTODAMA BEACH PARTY at Makuhari

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