Unknown Mortal Orchestra 『II』インタビュー


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ルーバン・ニールセン(元ミント・チックス)を中心にした、米オレゴン州ポートランドの3人組サイケデリック・バンド、Unknown Mortal Orchestra(アンノウン・モータル・オーケストラ:UMO)。当初は、バンド活動から距離を置いていたルーバンの自宅地下室での宅録プロジェクトとしてスタートするも、『Ffunny Ffrends』をBand Campに投稿すると、ブロガーを中心に一気に話題に。そして、バンドを結成し2011年にFat Possumからデビュー・アルバムをリリースすると、そのローファイでウォームな独特のサイケデリック〜ソウル・サウンドが評判を呼び、インディー・シーンを中心に高い評価を得た注目株です。

そんなUnknown Mortal Orchestraが、セカンド・アルバム『II』をリリースしました。本国ではJagjaguwarからリリースされた本作。ルーバンが、“アルバムをつくっていた時は、フェミニンなエネルギーに支配されている気分だった”と語るその内容は、ブレイクビーツと多様なサウンドが入り交じるUMOならではの音世界をさらに追求した、ディープで、ダークなものとなっています。

ここでは、本作『II』の内容と制作背景について、バンドの中心人物、ルーバン・ニールセンに話を聞きました。なお、Unknown Mortal Orchestraは、今週末の2/2(土)に<Hostess Club Weekender>で来日することが決定しております。


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Unknown Mortal Orchestra 『II』インタビュー

__ニュー・アルバム『II』の完成、おめでとうございます。今作『II』は、高い評価を得た前作のリリースと、ツアー活動を経て制作されたアルバム作品になりますね。まず、今作の制作はいつ頃スタートしたのでしょうか?

「このアルバムの曲は、ツアーの合間につくったんだ。一人になれる静かな場所を探して、アイディアを携帯に録音できるようにしていたんだ。ツアー中っていろんな事がおこっているから、沢山インスピレーションを受けたしね」

__ちなみに前作については、ご自身の中ではどのような評価をしていますか?

「まだ好きだよ。あのレコードは僕自身のためにつくったものだったから、ヒットして、僕の人生を大きく変えたことにとても驚いてるよ。聴いてみると、いまだに僕がただ楽しむためにつくったようにしか聴こえないけどね」

__今作を手がけるにあたって、アルバムのテーマやコンセプトのようなものはありましたか?

「あんまりサウンドを再構築したくなかったんだ。前回のアルバムの続編みたいな感じにしたくて、でも同時にもっと突きつめたかった。だからこのアルバムを録音した時は、前作と似た技術、似た方法でやったけど、さらに磨きをかけたよ。このアルバムを聴いて、ヘヴィーでダークな部分を感じて欲しい。テーマは、夜行性で異教信仰的な感じだね」

__今作の曲づくりと音づくりで特に意識したこと、トライしたかったことは何でしたか?

「作業の全体で、テープとデジタルの両方を使ったよ。僕は、テープレコーダーを集めているんだ。ハイテクではないんだけど、どれも高価だったり、それぞれに使用目的があって、僕はこれらを使って正しい音を録るんだよ。オープンリールのテープデッキから、カセットウォークマン、マイクロカセットのディクタフォン(速記用の口述録音再生装置)までね。全てに、それぞれの使い方があるんだ」

__では、今回、新たにテストしてみた曲づくりや音づくりの方法は、何かありましたか?

「前回のアルバムでは、ほとんどでブレイクビーツを使って、僕自身のレコーディングは、少しドラムを叩いただけだった。でも新しいアルバムのレコーディングでは、自分がほとんどのドラムを叩いて、トラックは弟につくってもらったんだ。自分で録ったドラムから新しいループをつくってみたりね。数台のマイクとテープレコーダーだけで、’60年代にレコーディングされたクラシック・ソウル/サイケにあるドラムのような、良いドラム・サウンドを得ることを試したんだ」

__「Swim and Sleep (Like a Shark)」は、どのようにして誕生した曲ですか?

「僕はいつも世界から逃げ出し、寒い深海の底を漂う空想をするんだ。これは僕という人間性の多くの部分とつながっていることなんだけど、今までどうしも表現の仕方が分からなかった。で、ある日、歌にまとめてみようと試みてみたら、結構いい仕上がりで、この気持ちを上手く表現できたと思ったよ。歌詞だけで気持ちを伝えないっていう方法で、僕の気持ちに音楽をつくらせるようにしているんだ」

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__今作の中で、あなたが特に気に入っている曲がありましたら、ご紹介ください。

「「So Good at Being in Trouble」は、僕にとって最も大きな前進だったと思うよ。これはとてもシンプルな曲だと思ってるけど、今のところ僕のベスト・ソングだろう」

__本作を制作していく中で、一番印象に残っているエピソードは何でしょう?

「地下室で、夜通しこのアルバムをつくってたんだ。ハッパを吸いながら「Faded in the Morning」をレコーディングして、大音量で曲を流していたら、三歳になる息子が起きてきたんだ、たぶん朝の5時半頃に。音を聞いて、何をしているのか見に来たんだろうね。きっと、僕はクレイジーに映ったと思うよ。だって一晩中すごいスピードで作業して、とても刺激的だったんだけど、同時にハイだったし。で、僕が曲のミックスを仕上げている間、息子は僕の膝の上にしばらく座ってたんだけど、僕がバカげた行動を息子に見せると、笑い始めてね。僕はマイクを引っ張ってきて、息子をくすぐってその笑い声をレコーディングし、それをそのままこのアルバムに入れることにしたよ」

__ところで、今作のアルバム・カバーにジャネット・ファーラー(現代版魔女として知られる、イギリスの作家、魔術指導者)の写真を使った理由は、何ですか?

「僕の中で、ファースト・アルバムは男の子で、陽と昼、自己と結びついていて、セカンド・アルバムは女の子で、陰と夜、世界と結びついているんだ。このセカンド・アルバムをつくっていた時は、フェミニンなエネルギーに支配されている気分だったよ。僕は、魔女をプレ・フェミニストのシンボルだと思っていて、社会において長い間最も恐れられているパワーなんだ。で、魔女は軽く扱ってはいけない女性だということから、ジャネット・ファーラーのイメージと、このアルバムをつくっている間に感じでいたことが合致してね。はっきりとした理由はないけど、変な直感が働いた。このカバーの画は、自由、力、反抗、魔法を象徴しているんだ」

__分かりました。間もなく開催されるHostess Club Weekenderでは、どんなステージを披露しようと考えていますか?

「アメリカだと、僕らは毎回違ったパフォーマンスをするから、ファンは何回も何回もライブを観に来てくれるんだ。僕らは、即興できるセットもあるし、どんな方向にも囚われず演奏できる。だから、アルバムに収録してある通りにも演奏することもあれば、それらをモンスターに変身させることもあるんだ」

__では最後に、Unknown Mortal Orchestraの次なる活動目標を教えてください。

「ありえない山を登り続けるだけだよ」

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【リリース情報】

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Unknown Mortal Orchestra

(JPN) Jagjaguwar/Hostess / HSE60149
1月30日 日本先行発売
※日本盤ボーナストラック2曲、歌詞対訳、ライナーノーツ付
HMVでチェック

tracklisting
01. From the Sun
02. Swim and Sleep (Like a Shark)
03. So Good at Being in Trouble
04. One at a Time
05. The Opposite of Afternoon
06. No Need for a Leader
07. Monki
08. Dawn
09. Faded in the Morning
10. Secret Xtians
11. Two Generations of Excess*
12. Waves of Confidence*
*日本盤ボーナストラック

【オフィシャルサイト】
http://unknownmortalorchestra.com/
http://www.facebook.com/unknownmortalorchestra
http://hostess.co.jp/

【全曲試聴】
http://hostess.co.jp/news/2013/01/002284.html

【来日公演情報】
Hostess Club Weekender
場所:ZEPPダイバーシティ東京
2/2(土)OPEN 13:00 START 14:00
2/3(日)OPEN 12:00 START 13:00
http://www.ynos.tv/hostessclub/schedule/201302weekender.html

※Unknown Mortal Orchestraの出演日は、2/2です

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