Weekend『Sports + Red EP』インタビュー


WeekendSports_jk.jpg

2009年にサンフランシスコで結成されたインディー・バンド、ウィークエンド。メンバーは、ショーン(Shaun Durkan:Vo/B/Baritone G)、ケヴィン(Kevin Johnson:G)、エイブ(Abe Pedroza:Dr)の三名。彼らは、2010年にSlumberlandからデビュー・アルバム『Sports』をリリースすると、そのポストパンクやシューゲイザーの要素を吸収した音楽性が、インディー~ロック系のメディアを中心に高く評価され、一躍注目株となった新星です。昨年2011年にリリースしたEP『Red』も、同様に高評価を獲得。その間、ザ・ペインズ・オブ・ビーイング・ピュア・アット・ハートやワイヤーとのツアーで、活躍の場を広げてきました。

そんなウィークエンドが、この度『Sports』と『Red』をカップリングした日本盤『スポーツ + レッド EP』をリリースし、ザ・ペインズ・オブ・ビーイング・ピュア・アット・ハートとのジャパン・ツアー(2/17 東京、2/18 大阪、2/19 名古屋)で、初来日しました。ここでは、その来日時に行われた彼らのインタビューをご紹介しましょう。ウィークエンドのライブ(東京公演)、クールでかっこよかったです。


Weekend_A.jpg

Weekend『Sports + Red EP』インタビュー

__まずは、どのようにバンドを結成したのか教えてください。

ショーン「僕とケヴィンは、12年くらい前から友達なんだ。長年の知り合いだね。エイブとは、通っていたサンフランシスコのアートスクールで知り合った。で、3人で仲間みたいな感じになって、自然とバンドをやろうという話になったんだ」

__この度日本でリリースされたデビュー・アルバム『Sports』(’10)は、今ご自身で聴いてみてどう思いますか?

ショーン「内容にはとても満足してるし、誇りに思っているよ。けど、曲自体も昔のものだから、あたりまえだけど、昔の自分達を表現している様だな。今ならこうはやらないだろう、と思うところもあるね」

__今回の日本盤には、昨年リリースしたEP『Red』も収録されています。このEPをリリースした経緯についても教えてください。

ショーン「表現者として、僕達はアルバムでやったこととは違う事もやれるんだ、って示したくなったからリリースしたんだ。あと、EPというのは、色々と実験をするには丁度いいフォーマットでもあるから、つくってみたくなってね」
ケヴィン「次のセカンド・アルバムは、『Sports』とは違ったものになると思う。だから『Red』は、セカンド・アルバムにいくための良い橋渡しになるんじゃないかな、と思ったんだ。自分達がどう変化したかを上手く表現できるようなものとして、このEPをファーストとセカンドの間に置きたかったんだよ」

__セカンド・アルバムの曲は、既に書き上がっているんですか?

ショーン「今ちょうど曲を書いて、スタジオでデモを録っているところなんだ。そうそう、今日のライブ(2/17 SHIBUYA CLUB QUATTRO)でもプレイするから、聴いてみて(編注:ライブでは、1曲目にプレイしました)。予定では秋にリリースするつもりさ。ただし、自分達が納得するまでは発表しないから、スケジュールが変わる可能性もあるかな」

Weekend_live.A.jpg

__ところで、あなた達のサウンドは、よく“シューゲイザー”と形容されますが、そのことについてはどう思っていますか?

エイブ「“シューゲイザー”は、ただのマーケティングの言葉だよ。マイ・ブラッディ・ヴァレンタインやライドといったバンドを上手く簡単に説明するために、つくられただけだよね。自分達では、僕らはポストパンク・バンドだ、って思っているよ」
ショーン「だよね。シューゲイザーって『NME』かなんかがでっち上げた言葉だよ」
エイブ「シューゲイザーは、ポストパンクをもっとアトモスフェリックでスペーシーなところに落とし込んでいったもののように、僕は思うんだ」
ケヴィン「バンドをジャンルで絞り込むことは、マーケティングしていくのには重要と思う。だからシューゲイザーといったような言葉を使ったりもするけれど、むしろ僕らは、自分達がやりたいサウンドだからこれをやっているだけなんだ。自分達のやりたいことの中に、こうした要素(シューゲイザー)があった、というだけさ。いろんな要素の一つでしかない。シューゲイザーをやりたかったというわけではないんだ。マイ・ブラッディ・ヴァレンタインだって、自分達がやりたい音をやっただけでしょ? シューゲイザーをやろう、って決めたわけではないよね」
エイブ「アーティストであることと、形を真似ることには、大きな違いがあるよ。真似るのではなく、単にこういうサウンドが好きだから、僕らはこんな音を出しているんだよ」

__あなた達は、地元サンフランシスコで大きな注目を集めていますが、定期的に地元でライブを行っているんでしょうか? また、最近のサンフランシスコのミュージック・シーンはどんな感じですか。
ショーン「もちろん、今でもサンフランシスコでライブをやってるよ。仲良くしているバンドもたくさんいる。だけど、一つのサウンドを生み出すようなミュージック・シーンだとは思っていないね。もっと、音楽を超えた友達や仲間の集まり、みたいな感じかな。お互いをサポートし、リスペクトしている関係だと思う」

__最近のお気に入りアルバムを教えてもらえますか?

エイブ「ハリー・ニルソン『Aerial Ballet』(’68/邦題:空中バレー)と、裸のラリーズ『Heavier Than A Death In The Family』(当初、’02年に海外でブート盤として出回ったもの。’10年に再発されています)。
ショーン「僕は、デフトーンズの『White Pony』(’00)、プリファブ・スプラウトの『Steve McQueen』(’85)」
ケヴィン「オーケストラル・マヌヴァーズ・イン・ザ・ダーク(OMD)の『Junk Culture』(’84)。そして地元のバンド、The Soft Moonの『Total Decay EP』(’11)だね」

__最後に日本のファンにメッセージをお願いします。

ショーン「自分のレコードで親に反抗しろ!」

photo Joe Lubushkin
live photo Teppei (at SHIBUYA CLUB QUATTRO, 2/17, 2012)


【リリース情報】

WeekendSports_jk.jpg

Weekend
Sports + Red EP
(JPN) Yoshimoto R and C CO., LTD. / YRCG-90074
発売中
HMVでチェック

tracklist
1. Coma Summer /コーマ・サマー
2. Youth Haunts /ユース・ハウンツ
3. Monday Morning /マンデー・モーニング
4. Monongah, WV /モノンガー、WV
5. Landscape /ランドスケープ
6. Age Class /エイジ・クラス
7. Veil /ヴェイル
8. End Times /エンド・タイムズ
9. Afterimage /アフターイメージ
10. Untitled /アンタイトルド
11. Sweet Sixteen /スウィート・シックスティーン*
12. Hazel /ヘイゼル*
13. Your Own Nothing /ユア・オウン・ナッシング*
14. The One You Want /ワン・ユー・ウォント*
15. Golfers /ゴルファーズ*
*日本盤ボーナス・トラック (Tracks 11-15: taken from “Red” EP)

【オフィシャルサイト】
http://bignothing.net/weekend.html

【VIDEO】

Weekend “Monday Morning/Monongah, WV” from Slumberland Records on Vimeo.

Weekend “End Times” from Malia James on Vimeo.

interviewカテゴリーの記事