Wild Nothing『Nocturne』インタビュー


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米ヴァージニア出身のジャック・テイタムが始めたワンマン・インディー・バンド、ワイルド・ナッシング(Wild Nothing)。’09年にリリースしたシングル「Cloudbusting」「Summer Holiday」、そしてケイト・ブッシュのカバー「‪Cloudbusting‬」がインディー・シーンを中心に話題をさらうと、2010年の春にデビュー・アルバム『‪Gemini‬』を発表。シューゲイズ〜ドリーム・ポップ系譜のサウンドを受け継ぐ、その彼独自の音世界で高い評価を獲得したアーティストです。

そんなワイルド・ナッシングが、待望のニュー・アルバム『Nocturne』(ノクターン)を9/12にリリースします。ジャック・テイタムが、“僕がポップ・ミュージック好きであるということを皆に伝えるアルバムではないと思う。それよりは、僕の理想世界の中でポップ・ミュージックは何だったのか、またどうあるべきなのか、といった感覚を表現したアルバムだ”と語る本作。その内容は、前作以上に美しく繊細なメロディーとハーモニーが響き合う、音楽性、サウンド・プロダクション共に大きく成長したものとなっています。

ここでは、本作『Nocturne』の内容について語った、ジャック・テイタムのインタビューをご紹介しましょう。なお本作の日本盤には、’Golden Haze EP』(’10)やシングル「Nowhere」(’12)など、ボーナス・トラック9曲が収録されております。


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Wild Nothing『Nocturne』インタビュー

__あなたが音楽を始めたきっかけは何でしたか?

「音楽を始めたのは10歳くらいの時。父がギターを弾いていたから、ギターを教えてもらって、自分の好きなバンドの曲を弾くようになってね。で、10代の頃から自分で曲をつくって、それをレコーディングするようになった。でも大学に入るまでは、他の人とプレイすることがなかったよ。ワイルド・ナッシングを始めたのは、(最初の)アルバムを出す半年ほど前のことだったよ」

__今作『Nocturne』の制作は、どのようにはじめたのですか?

「まず、曲を書くプロセスは前作とほとんど同じだった。今でも曲づくりって、パーソナルな、一人でやる作業なんだよ。今回も、全部のパートを僕が書いている。ただ今回のレコーディングは、ニューヨークのちゃんとしたスタジオを使ったから、そこは僕にとって新しかったね。前のアルバムと一番違う部分は、そこかな。それでプロダクションのクオリティーが高くなったし、前作のドラムは全部プログラミングだったけど、今回は生ドラムの曲もあるしね」

__今作のプロデューサーでミキシング・エンジニアでもある、ニコラス・ヴェルネスとのレコーディングはいかがでしたか?

「レコードを一緒につくる相手として、他にも何人かのプロデューサーと話をしたんだけど、ニコラスの人柄や、彼のプロセス全体に対するアプローチが気に入ったんだ。そもそも会おうと思った最初の理由は、彼がブラッドフォード・コックス…ディアハンター(Deerhunter)やアトラス・サウンド(Atlas Sound)でやった仕事を好きだったからなんだけど。ニコラスをプロデューサーに迎えたことで、このアルバムは変わったと思う。ドラスティックに変化したわけじゃないけど、サウンドとしては絶対に良くなったんじゃないかな」

__アルバムを制作するにあたり、何か参考にしたアーティストや楽曲はありましたか?

「生ストリングスを使った「Shadow」では、スマッシング・パンプキンズ(The Smashing Pumpkins)のメロウな曲とかを参考にした。彼らの「Tonight, Tonight」(’95)みたいな曲には、良いストリングスのアレンジメントがあるからね。あと「The Blue Dress」や「Counting Days」みたいに、前のアルバムにはなかった、ちょっと金属的なサウンドの曲がいくつかあるけど、あれはある意味『The Head on the Door』(’85)時代のザ・キュアー(The Cure)を参照してる」

__ワイルド・ナッシングは、’80年代のUKインディー・ポップから影響を受けていますが、あなたにとって、その時代の音楽が持つ魅力とは何ですか?

「’80年代のUKインディー・ポップのプロダクションに、すごくひかれるんだよね。あと、あの時代の音楽には、すごく純粋な感触があると思う。ある意味すごくシリアスなんだけど、同時にシリアスでもないっていう。ソングライターとして、ザ・キュアーにしてもザ・スミス(The Smiths)にしても、僕にとっては、なぜかすごくコネクトできるんだ。僕の音楽を好きな人も、ああいう音楽を聴いてる人とか、聴いたことのある人が多いと思う。だって良い音楽だからね(笑)」

__ワイルド・ナッシングのサウンドはドリーム・ポップとも言われますが、そのことについてどう思っていますか?

「僕は、あらゆるジャンルの音楽を聴くんだけどね…。まあ、ドリーム・ポップって、僕にとっては音楽の一つの説明の仕方って気がする。僕の音楽の全部がそこに当てはまるとは思わないけど、僕がやっていることを説明する時の、ある意味で表層的なターム、って感じかな。べつに、そう呼ばれることに腹が立ったりはしないけどね」

__今のシーンの中で、あなたが共感を持てるアーティストは?

「やっぱり、Captured Tracks(ワイルド・ナッシングが所属するNYのレーベル)のバンドかな。ビーチ・フォッセルズ(Beach Fossils)、ミンクス(Minks)、クラフト・スペルズ(Craft Spells)…みんな僕がやってることに似たフィーリングを持ってると思う。あとは、必ずしも彼らがやってることに自分が当てはまるとは思わないけど、ディアハンターは好きだし、アリエル・ピンク(Ariel Pink’s Haunted Graffiti)も好きだね」

__ワイルド・ナッシングの目標について教えてください。

「大きな目標はないと思う…。自分が誇りに思える音楽をつくり続ける、っていうことくらいかな。どんな形でも、曲はずっと書き続けると思う。一番好きなことだしね。今の活動のスケールにも満足しているんだ。スタジオでレコーディングして、ツアーして…。大きなゴールってないんだよね。ゆっくりと活動を続けて、起きることに対処して、それが自分のキャリアになればいいと思う」

__最後に、日本のファンに向けてメッセージをお願いします。

「とにかく日本に行きたいんだ。他のどんな場所よりも日本に行きたい。実は、今年こそ実現させたくて、会う人全員にプッシュしてるんだよ(笑)。で、日程の話も出てるんだけど、噂を流したくないから、ここでは言えない(笑)。まだ決まってないからね。とにかく日本のファンとコネクトできることに、ものすごくエキサイトしてるよ」

photo Shawn Brackbill


【リリース情報】

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Wild Nothing
Nocturne
(JPN) Yoshimoto R and C CO., LTD. / YRCG-90080
9月12日発売
※解説/歌詞/対訳付
※日本盤ボーナス・トラック9曲収録
※初回盤のみ特殊パッケージ(スリップケースによりジャケットのデザインを変更できる特殊仕様)
HMVでチェック

tracklisting
01. Shadow / シャドウ
02. Midnight Song / ミッドナイト・ソング
03. Nocturne / ノクターン
04. Through The Grass / スルー・ザ・グラス
05. Only Heather / オンリー・ヘザー
06. This Chain Won’t Break / ディス・チェイン・ウォント・ブレイク
07. Disappear Always /ディサピアー・オールウェイズ
08. Paradise / パラダイス
09. Counting Days / カウンティング・デイズ
10. The Blue Dress / ザ・ブルー・ドレス
11. Rheya / レヤ
12. Feel You Now / フィール・ユー・ナウ *
13. Nowhere / ノーホェア *
14. Wait / ウェイト *
15. Golden Haze / ゴールデン・ヘイズ *
16. Quiet Hours / クワイエット・アワーズ *
17. Take Me In / テイク・ミー・イン *
18. Your Rabbit Feet / ユア・ラビット・フィート *
19. Asleep / アスリープ *
20. Vultures Like Lovers / ヴァルチャーズ・ライク・ラヴァーズ *
* Bonus Tracks for Japan
Track 12 taken from “Shadow” (7”)
Tracks 13 & 14 taken from “Nowhere” (7”)
Tracks 15-20 taken from “Golden Haze” (EP)

【オフィシャルサイト】
http://bignothing.net/wildnothing.html
http://www.facebook.com/wildnothing

Wild Nothing // ‘Nocturne’ by capturedtracks

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