YES GIANTESS ボストンから飛び出した、最新型インディー・エレポップ・バンド

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ジャン・ロゼンフェルド(Vo)、ジョーイ・サルコウスキ(Dr)、ザック・フライド(G)、チェイス・ニコル(Synth)の4名からなる、ボストン出身のインディー・エレクトロ・ポップ・バンド、イエス・ジャイアンテス(Yes Giantess)。パッション・ピット、エリー・グールディング、マリーナ・アンド・ザ・ダイアモンズといった新進アーティストをいち早くピックアップしてきたインディー・レーベル、NEON GOLDが昨年送り出した期待の新星です。

同郷のパッション・ピットとは旧知の仲で、パッション・ピットのメンバー、アヤド・アリ・アダミーがプロデュースした「Tuff ‘n Stuff/You Were Young」でデビューを果たすと、そのキラキラのエレクトニック・ポップ・サウンドで一躍注目を集める存在となっています。

そんな彼らが、デビュー・アルバム『サイレン』(SIREN)を7月14日にリリースします。プロデューサーにリアム・ハウ(元Sneaker Pimps)を招き、彼ら独自のポップ・センスをメローかつビッグなシンセ・サウンドで表現した力作です。

というわけで、キャッチーでマジカルなエレクトロ・ポップが詰まった『サイレン』の内容について、メンバーのジャンに話を聞きました。なお、彼らは8月にサマーソニックで来日することが決定しています。


ーーデビュー・アルバム『サイレン』(SIREN)の完成とリリース、おめでとうございます。現在の心境はいかがですか?

「最高だよ! メンバーみんなすごくワクワクしてるし、同時にホッとしている。ずいぶん時間がかかったから、やっと世に出せることができて、うれしいね」

ーーあなた達は、昨年パッション・ピットのアヤド(Ayad Al Adhamy)がプロデュースした「Tuff ‘n Stuff/You Were Young」でデビューして、ラ・ルー、リトル・ブーツらとライブやツアーを行なうなどして、注目を集めてきましたが、現在までの活動状況にはどんな感想を持っていますか?

「去年は、驚くような一年だったね。普通にツアーをやることだって特別な経験だというのに、すごくクールで大きなツアーに参加できたことは、僕らにとって誇りになるような経験だった。これまでの人生で見てきた全てよりも広い世界を、去年一年間で一気に見た感じさ」

ーーでは、デビュー・アルバム『サイレン』について教えてください。まず、曲づくりやレコーディングはいつ頃スタートさせたのでしょうか?

「曲づくりを始めたのは’08年の終わり頃だったけど、レコーディングを始めたのは、去年の夏くらいだったね。で、それがやっと終わったのは、すっかり今年に入ってからだったよ」

ーーアルバムのテーマは、どのようなものでしたか?

「音楽的なテーマは、僕ら自身と共に成長し、変化していったと思う。このアルバムが完成するずっと前からツアーに出ることができたのは、ラッキーだったと思うね。その結果として、時間が経つにつれてサウンドも変化していったんだ。例えば、アルバムの1曲目「Can’t Help It」と「Tuff ‘n Stuff」は間逆だね、なんて言われるのは、自分たちでも面白い。だから僕らの音楽は、このアルバムの制作を通じて、スタイル的にも全然違うものになっていったと思う」

ーー本作のアルバム・タイトルを、“サイレン”とした理由は何ですか?

「この“サイレン”は、ギリシャ神話のエピソードにちなんだタイトルなんだ(編注:“サイレン/siren”の語源は、ギリシャ神話に登場する、航行中の船人を美声で誘惑し難破させる上半身が女、下半身が鳥の姿をした海の精、セイレーン/Seirenだとされている)。このアルバムのほとんどの曲は、説明できない何か不思議なものに手招きされているようなことを歌ったものなんだ。それが、各曲を一つにまとめている、アルバム・コンセプトになっているんだ」

ーーなるほど。曲づくりでは、どんな物事からインスピレーションを得ることが多かったんですか?

「自叙伝のように、自分のことを完全にさらけ出すってわけでもないんだけど、自分がこれまでに経験してきた様々なことを小さなストーリーにして、作品に取り込んでいったよ。まぁ、ソングライターの間では、別に珍しい方法でも何でもないだろうけど。例えるなら、ショートストーリーを書いて、自分の人生に関わった人が曲の中に現れては消えていく…って感じさ」

ーーサウンドメイキング面で、特に重要視したことは何でしたか? エレクトロ~シンセ・ポップのテイストを全面に打ち出しながらも、よりメロディアスで空間的な音世界を感じさせるものになっていますね。

「もちろん、“エレクトロニック”なレコードをつくろうとは思ってたよ。でも、僕としては、その中にトランスとか、ユーロ・ポップっぽいサウンドは含まれていないんだ。そういうタイプの音楽はつくれない。エレクトロニックな作品は本当に好きだけど、僕にとってより重要な要素というのは、古典的なソングライティング、古典的なポップ・ミュージックだからね。実際、個人的に音楽を聴く時は、シンガー・ソングライター系の作品が多いし。だから、僕がシンセ~エレクトロニック・ミュージックを好きな理由は、ビッグなクラブ・サウンドというものとは違うところにあるんだ」

ーーあなた達が思い描く理想のポップ・ミュージックを具現化するために、エレクトロニックなサウンドを必要としている、ということですね。本作には、中心的なプロデューサーとしてリアム・ハウ(Liam Howe/元Sneaker Pimps)が参加していますが、彼との制作作業はいかがでしたか?

「リアム・ハウとの作業は、このアルバムの制作プロセスの中でも、ハイライトだったと思う。友達から紹介してもらったんだけど、プロデューサーとカチッとかみ合った感じで作業をした経験って、これまでなかったんだ。その結果、すごく新しい音世界が広がったと思うよ」

ーー「The Ruins」には、スタースミス(Starsmith)がプロデューサーとして参加していますが、彼とコラボレートはいかがでしたか?

「彼とは、以前NEON GOLDで一緒に仕事をしたことがあってね。で、最初はネットでアイディアをやり取りしていたんだけど、僕がイギリスに行ったときに顔を合わせて、2曲くらい一緒に曲をつくったんだ。彼と一緒に作業するのは、クールだったよ。彼は、すごく若くて、すごく作業も速くて、僕らと同じ言語を話すんだ!(←これ、アメリカン・ジョークです、おそらく)」

ーー本作のリード・トラック「Can’t Help It」は、どのようにして誕生した曲ですか?

「「Can’t Help It」は、僕にとってすごく多くの意味を持った曲だね。この曲をレコーディングしている時は、本当に多くのことを学んだよ。自分の人生の中ずっと感じていた、ある特別な感情について歌った曲なんだけど、自分が望んだ通りの言葉を書き出すことができた。すごく抽象的な思いを書き表すことができたあの感覚は、本当に素晴らしかったね。想像していたよりも、すごく大変な作業だったよ」

ーー8月には、サマーソニックで来日しますね。どんなパフォーマンスを行う予定ですか?

「日本に行けることにすごくワクワクしてるんだけど、騒々しくてエネルギーに満ちた、すごく楽しいライブになるだろう。まるでロック・バンドみたいなライブになるんじゃないかな。ライブの時、僕らは何か特別な方法にとらわれるってことがないし、できる限りワイルドにプレイする。それが、僕らにとって一番楽しいライブのやり方さ。それがクラウドにとっても一番楽しめるライブならいいな、って思ってるよ」

ーー最後に、イエス・ジャイアンテスの今後の活動目標を教えてください。

「今は、ただ音楽を演奏できるだけですごく楽しいね。たくさんの人が僕らの聴いて楽しんでくれれば、それだけで目標は達成できたって思っているよ。僕らがライブをできることなんて絶対ないだろうなって思っていたから、今は毎日ライブをやるたびに新しい感覚を覚えるんだ。本当に最高さ! で、具体的な話としては、これから数ヶ月に何作かシングルを出していきたいね。シングルとして、数ヶ月に数曲ずつ出していくのが楽しいかな。実際『サイレン』は、そういう考え方で曲をつくっていったものだったりするんだ」

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