2007年のダンス・ミュージック・シーンは、ジャスティス、シミアン・モバイル・ディスコ、デジタリズムらが相次いでアルバムをリリースし、ニュー・エレクトロが最盛期を迎えた一年となりました。
では、2008年、ニュー・エレクトロの次を担うサウンドは何なのか? もちろん、ニュー・エレクトロ勢もさらなる発展を遂げていくことでしょう。しかし、昨年からニュー・エレクトロと並行するかたちで勢力を広げ、既にDJやコア・リスナーの間で注目されているサウンドがあります。それが、“フィジェット・ハウス(FIDGET HOUSE)”です。“フィジェット(fidget)”は、動詞で“そわそわする/せかせかする/もじもじする/気をもませる”、名詞で“そわそわ/せかせか/いらいら/落ち着きのない人物”の意。要するにフィジェット・ハウスとは、ソワソワハウス、セカセカハウスということになります。皆さん、どんな音だか連想できましたか? おそらくもう聴いたことがあるハズなんです。 実はフィジェット・ハウスの代表格とは、「A Bit Patchy」のヒットを生んだスイッチなんですね。
そんなフィジェット・ハウスの特徴をざっくりと解説しますと、(1)ブリーピーなシンセ&ベース・サウンド。シンセ音には、ベンドやポルタメント機能を使ったものが多し。曲によっては、レイヴィーなシンセ音を使ったものもあります。(2)派手で大胆なカットアップ・サウンド。大ネタ・サンプリングを用いたものも多し。(3)曲中、曲間、及びブレイク部分にブレイクビーツを応用。曲によっては、バイレファンキ的ノリと融合したものもあります。(4)おバカなヴォーカル&ヴォイス・サンプル。こんなところでしょうか。