MEG『SECRET ADVENTURE』インタビュー

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モデル、ファッション・デザイナーとしても活躍し、時代の最先端を切り取るセンスでブレイク中のシンガー、MEG。数々のクラブ・ミュージック・クリエイターとコラボレートしつつ、J-POPフィールドでも注目を浴びている、次世代型ポップ・ミュージック・アーティストの代表格です。現在は、エレクトロ・ポップ・ムーヴメントを象徴する存在としても広く知られています。

そんなMEGが、2010年初となるニュー・シングル、『SECRET ADVENTURE』をリリースしました。2009年5月に発表したアルバム『BEAUTIFUL』以来、久々に中田ヤスタカ(capsule)が楽曲プロデュースを担当した本シングル。その制作風景について、MEG本人にインタビューを行いました。


――音源のリリースは、ミニ・アルバム『JOURNEY』以来、約半年ぶりですよね。

「そんなに久しぶりという感覚ではなかったですけど、でも『JOURNEY』から半年経っていますもんね。今回の曲は、ニュー・アルバム用の曲を制作していく中でできたものなんですよ」

――アルバムの曲づくりも、並行して進めていたんですね。中田さんと、久々に一緒に制作した感触はいかがでしたか?

「私としては、前のアルバム『BEAUTIFUL』ですごく良いものができたから、そこからもう一枚アルバムを一緒につくるとなると、“うわぁ、どうなるんだろう? わからん”っていう心配がありましたね(笑)。いやぁ…実際制作に入ってからも、テンポがつかめるまでは苦しかったです。『BEAUTIFUL』で、自分の中でひと区切りって気持ちがあったんです。だから、次のアルバムではスタイルを変えるのか、そのままいくのかも固まってなくて。来た球はちゃんと投げ返そうと思ってはいたんですけど、上がってきたデモに対して、あんまりコレ! という歌詞が浮かんでこなくて。やーばーい、って結構悩みましたね」

――歌詞だけじゃなく、楽曲のテーマも考えるのが難しかったですか?

「難しかったかも。前は、曲を聴いたら“こういうシチュエーション、こういうキャラでいこう”ってすぐ浮かんだんですけど、今回はそうじゃなかったですね。今回は、中田くんのデモが全部弾き語りで上がってきたんですよ。そういうつくり方だと、他に入っている音からインスピレーションを受けることも少なくて、メロディー重視になってる分、どんな言葉を乗せても、歌詞が浮き出てきちゃって。いい意味でメロディアスなんですけど、浮いちゃう歌詞がこれでいいのかって悩んでいたら、結構時間がかかっちゃいました」

――このたびシングルで発表した、『SECRET ADVENTURE』も、制作には苦労したんですか?

「このシングルは、その中でもわりとすぐできた曲なんですよ。アルバム制作の中盤に録った曲なんですけど、良いものができたから、シングルにしたいなと思ったんです。中田くんも、“これはすごく良い曲だと思うから、先にやって”って、めずらしく意思表示を(笑)。レコーディングした当日に、シングルにする曲を決めなきゃいけなくて、結構ギリギリだったんですよ。録る前にもうジャケのラフができてる、みたいな(笑)」

――そうだったんですね(笑)。弾き語りでデモが上がってきたということは、中田さん自身も、今回はソングライティング重視で制作していたんでしょうか?

「つくり方を見ていると、そんな感じでしたね。『BEAUTIFUL』の時も挑戦しつつでしたけど、今回はもっとソングライティングの要素が強くなっていると思います」

――表題曲「SECRET ADVENTURE」は、メロディーと歌詞の譜割りや、単語の当てはめ方が不思議だなと感じました。

「これも、デモが弾き語りで上がってきたんですけど、それに忠実なリズムの言葉を乗せないと、“これ、違う”って言われちゃうんで(笑)。それもあって、言葉が上手くリズムに乗っていると思います」

――単語のチョイスや、言葉遊びも面白いですよね。

「そうですね。どんな歌詞を乗せても、意味が前に出てきちゃうような曲調だったから、あえて、意味がストレートにはわからないような単語を並べました」

――今までの楽曲のような、一連のストーリーを描いたものとは異なるアプローチですよね。

「うん、そうかも」

――この曲でモチーフになっているのは、揺れ動いている、わりと優柔不断なキャラクターですよね(笑)?

「そうですねぇ…とにかく、ノリが伝わればいいなと思ったんです(笑)。歌詞に引きずられず、パパッとノリ良く、3分半で終わるような曲にしようかなと。ホント言葉遊びで、“今何て言ったんだろう?”ぐらいの感じにしたかったんです」

――歌詞の一人称が“僕”になっていましたが、そこには特別が意味があるんですか?

「そうそう、女子目線だと内容が重くなっちゃうから、今回は男の子にしてみたんです(笑)」

――カップリング曲の「GLAY」は、メロディーラインやコード感が独特で、これまでMEGさんが発表してきた曲と比べると、珍しいテイストですよね。

「そうですね。“中田くんは、今回こういう感じの曲もやるんだー”と思いました。こっちの曲も、比較的スムーズに制作できましたね」

――英語詞にしたのは、何か理由があるんですか?

「日本語にしちゃうと重たくなっちゃうし、あの仮歌に合う日本語は無い! っていう話になったんです(笑)。英語の方が乗せやすかったですね」

――「GLAY」では、表題曲とは対照的で、“白黒ハッキリつけたい”っていう感情を歌っていますよね。

「カワイイ感じよりは、低めのトーンで歌っているイメージだったので、そういうシビアなことも言っちゃうキャラにしたかったんです。“グレーなのが嫌いなんです”って、ずっと言っている感じです(笑)」

――そういうキャラは、MEGさんの性格とも重なるんでしょうか?

「でもなんか、それってトシとっただけなのかな? と思って(笑)。私たちの世代に比べると、なんとなく若い子ってあんまり意思表示を好んでしないし、その前に考えない人が多いなと思って。ゆとり世代が関係あるかは、わかんないですけど(笑)。悪気無く“考えないで保留”ってしていることに、もどかしさを感じることがありますね。“こうなりたい”って思っても、なりたいって言っているだけじゃダメじゃないですか。それに向けての“ライン”が想像できる人じゃないと、そこに行けないと思うんですよ。それを考えないから進めないのになぁ…って、端から見ててもどかしい(笑)」

――なるほど。MEGさん自身、ここ数年で考え方で変わったところって何かありますか?

「ここ数年で変わったのは、誰かを育てたいっていう気持ちが大きくなったことですかね。何でも自分が指示してやった方が早いんだけど、一旦任せてみたり。どこまでできるかを見て、それ以上のことを教えてあげて、その子が成長するのを見るっていうのが楽しくて。宇川(直宏)さんが言っていたような、“育欲”みたいなのが。そうゆことが面白くなってきてます」

――それは意外ですね!? ところで、このシングルには、「SECRET ADVENTURE」のリミックスも収録されていますが、これは中田さんのセルフ・リミックスですか?

「はい。“クラブでも飛び入り参加できるようなバージョンがほしい”ってお願いしたら、“オリジナルよりは、面白くない感じになると思うよ”って言われましたね、焼き肉屋で(笑)。タイトル曲よりは派手にしたくなかったみたいで、音数をそんなに増やしていないですね。男っぽいリミックスになったと思います。シングルにしか入っていないバージョンなんですが、こっちもぜひ聴いてほしいですね」

――あと、『SECRET ADVENTURE』では、アートワークのイメージも変わりましたが、これはどんなコンセプトなんでしょうか?

「今回は、アルバムに向けてのシングルっていう考え方だったんで、両方の撮影を1日でやったんです。『BEAUTIFUL』の箱仕様がすごく好きだったので、それをもう一回やろうっていうところから始まったんですよ」

――なるほど。このビジュアル・イメージは、楽曲スタイルとも関連しているんでしょうか?

「2009年秋のワンマン・ライブで楽器を入れたのもあって、中田くんも“次のアルバムからは、楽器を取り入れやすい曲にしよう”って話をしてくれていたんですよ。それもあって、いかにもエレクトロっぽいジャケから離れたかったというか(笑)。しっとしりたアートワークがやりたかったのと、年相応な生々しさも残しておきたいなと思ったんです。荒っぽいカッコ良さが出てればいいな」

――『SECRET ADVENTURE』は、2010年初のリリースですが、このシングルを皮切りに、今後はどんなことに挑戦したいですか?

「6月にアルバムを出してからは、10月にバースデー・パーティーを、サンリオピューロランドで2日間でやることが決まっていて。まぁ、何歳になるかはおいといて(笑)。その他には、アニメーションをやってみたいですね。趣味レベルでもいいので…。自分のビジュアルや歌じゃなくても、声であそべるようなことをやりたいです」

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オーラルヴァンパイア インタビュー

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仮面をかぶった奇才トラック・メイカー / DJ、レイブマンと、吸血ボーカルのエキゾチカからなる、オーラルヴァンパイア。テクノ、エレクトロ、インダストリアル・ミュージックの実験性、昭和歌謡を彷彿とさせるレトロなメロディー、ゴシック調のビジュアル・イメージで、独特の存在感を放つ注目株です。そんなオーラルヴァンパイアが、このたび初のフル・アルバム『ZOLTANK』を発表しました!
本作では、これまでに配信限定でリリースしてきた人気曲のニュー・バージョンに、新曲を加えた、全16曲が収録されています。

そこでiLOUDは、ポップさとミステリアスな世界観をあわせせ持つ、中毒性が高いサウンドが詰まった『ZOLTANK』の制作背景を探るべく、オーラルヴァンパイアの二人、レイブマンとエキゾチカにインタビューを行いました。

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Sade「Babyfather」

Sadeが、「Babyfather」のPVを公開しました。「Babyfather」は、Sadeが9年ぶりにリリースした6枚目のスタジオ・アルバム、『Soldier Of Love』からのセカンド・シングルで、6/7のUKリリースが予定されています。家事をするSadeというのも、なかなかシュールですね。

The Chemical Brothers「Swoon」

The Chemical Brothersが、「Swoon」のPVを公開しました。「Swoon」は、The Chemical Brothersが6/9に日本発売を予定している7枚目のスタジオ・アルバム『Further: 時空の彼方へ』から、先行シングルとして5/9にリリースされます。PVのビジュアル・クリエイターは、The Streetsの作品も手がけているFlat Nose George、監督は長年にわたってThe Chemical BrothersとコラボレートしてきたAdam Smith & Marcus Lyall。曲も映像も、やはり一歩先を行ってますね。さすがとしか言いようがありません。

「Swoon」は、5/6に初ラジオ・プレイされ、BBCのZane Loweから“Hottest Record in the World Today”に選ばれています。

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The Sunshine Underground 「Spell It Out」

The Sunshine Undergroundが、「Spell It Out」のPVを公開しました。「Spell It Out」は、The Sunshine Undergroundが2月にリリースしたセカンド・アルバム『Nobody’s Coming To Save You』からのファースト・シングルで、5/17にリリースされます。ファースト・アルバムをリリースした頃に比べると、ロック・バンドとしてのスケール感が増したThe Sunshine Underground。「Spell It Out」からも、それは充分に感じることができます。

Devendra Banhart「Foolin」

Devendra Banhartが、「Foolin」のPVを公開しました。「Foolin」は、Devendra Banhartが2009年11月に日本発売した6thアルバム『What Will We Be』収録曲です。曲調と違って、ビデオはちょっと過激なんで、ご注意を。

Primary 1「Princess」

Ritonと組んで、Erol AlkanのPhantasyから「Who’s There?」をクラブ・ヒットさせた、ロンドンのプロデューサー、Primary 1が、「Princess」のPVを公開しました。「Princess」は7/5のデジタル・リリースが予定されています。現在、Primary 1のFacebookページでは、彼の初期作品やデモを集めたアルバム『Mess Detective』がフリーダウンロードできるので、Primary 1に興味を持った方は、そちらもチェックしてみてはいかがでしょうか。

MUSEが、最新ライブ映像をMySpaceで公開


Muse “The Resistance Tour – Live”

MUSE | MySpaceミュージックビデオ

世界最高のライブ・ロック・バンドとの呼び声も高いMUSEが、4/2にシアトルで行ったライブの映像を、MySpaceで独占公開しました。なんと約90分にもおよぶこの映像、素晴らしいクオリティーで、MUSEの魅力を余すところなく伝えています。これを見たら、フジロックに行きたくなるのでは?

須永辰緒 インタビュー

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クラブ / ジャズ・シーンを第一線で牽引する、“レコード番長”のニックネームでおなじみのDJ / プロデューサー、須永辰緒。このたび、彼が監修する人気コンピレーション・シリーズ、『夜ジャズ』の“特別編”となる『須永辰緒の夜ジャズ・外伝~All the young dudes~すべての若き野郎ども』がリリースされました。そこで、国内のクラブ・ジャズ・シーンで活躍する、15組の精鋭ジャズ・バンドをフィーチャーした本作のコンセプトについて、須永氏にじっくりと話を聞きました。なお、インタビューの後編は須永氏による全収録曲解説となっているので、そちらも合わせてお楽しみください!

須永辰緒 インタビュー

UNKLEの『Where Did The Night Fall』を全曲試聴

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ジェームス・ラヴェルとパブロ・クレメンツによるプロジェクト、UNKLEが、5/5に日本先行発売したニュー・アルバム『Where Did The Night Fall』の全曲試聴をMySpaceで開始しました。3年ぶりとなる新作は、ジェームスいわく「ラフで、サイケで、ポジティブなムードの作品」。現在発売中のLOUD185号には、彼のインタビューも載っていますので、ぜひチェックしてみてください。

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