2011年の年末企画として、『iLOUD 2011年お気に入り洋楽アルバム50枚』をご紹介します。2011年は先にご案内の通り、1994年の創刊以来17年間発刊してきました音楽専門誌LOUDを、9月30日発売の202号をもって休刊とさせていただいたので、例年とはちょっと異なる趣向で、洋楽のオリジナル・アルバムであることを条件に、そしてiLOUDの好みとカラーに率直に、リラックスした心持ちで50作品を選んでみました。いわゆる年間ベストとはちょっと雰囲気の違うラインナップになったかな、案外なっていないのかな。
本日は、50位から11位をご紹介。明日、10位から1位をアップしますのでお楽しみに。
(T:Tomo Hirata / F:Fuminori Taniue)
11 Mogwai – Hardcore Will Never Die, But You Will (Rock Action/PIAS/Hostess)
F「英グラスゴー出身のインストゥルメンタル・ギター・バンド、モグワイの最新アルバムです。デビュー作『Mogwai Young Team』(’97)を手がけたプロデューサー、ポール・サヴェージと約14年ぶりにダッグを組んだ今作では、フレッシュ感が再びアップしましたかね」
T「Mogwaiって、iLOUDで人気あるよね。もう大御所だしね」
F「新たなサウンドを追求した作品に仕上がってます。で、続編ともいえる『Earth Division EP』を9月にリリースしてます」
Mogwai – San Pedro from Rock Action on Vimeo.
12 Modeselektor – Monkeytown (Monkeytown/EMI)
F「ベルリンのエレクトロニック・アーティスト、モードセレクターの、BPitch Controlからリリースされた『HAPPY BIRTHDAY』(’07)以来となるアルバム作品です」
T「こういうのは、好きな人は好きです。ファンは、ずっとついていきます」
F「トム・ヨーク、アンチポップ・コンソーティアム、PVT、シリウスモらが参加した曲も入ってます。奇才ですよね。1/28(土)に来日が決定してます」
13 Toro Y Moi – Underneath The Pine (Carpark/Hostess)
F「米サウスカロライナ州コロンビア在住のクリエイター、チャズ・バンディックのプロジェクト、トロ・イ・モアの最新アルバムです。チルウェイブを代表するアーティストですが、今作では生音を主体にしたメロウなサウンドを披露しております」
T「トロちゃん、チルウェイブの先に行っちゃったよね。トロちゃんにとって、グローファイは2009年の音だったのかな」
F「そうかも。秋には『Freaking Out EP』も出してます。2/19(日)に、Hostess Club Weekenderで来日します」
14 Digitalism – I Love You Dude (EMI)
F「ドイツ、ハンブルク出身のエレクトロ・デュオ、デジタリズムの、『デジタル主義』(’07)以来となるアルバム作品です。ソングライティングを重視した楽曲群を詰め込んだ、楽しいアルバムを届けてくれました」
T「これ、過小評価されてないか? インディー色も濃厚で、良い作品だったと思いますよ」
F「ジュリアン・カサブランカス(ザ・ストロークス)との共作曲「Forrest Gump」なんかも入ってます」
15 The Horrors – Skying (XL/Hostess)
F「ロンドン出身のインディー・ロック・バンド、ザ・ホラーズの、会心作だった『Primary Colours』(’09)に続くサード・アルバムです。今作も好内容。より淡く、ユルく、トロトロになってきてますかね」
T「とりあえず、“The Horrors好き”って言っておけば、“わかってるね〜”って言われると思う。彼らは、ファーストの路線やめて、移籍して大正解だったのでは」
F「彼らもHostess Club Weekenderで来日します。出演日程は、2/18(土)」
16 Azari & III – Azari & III (KSR)
F「カナダはトロント出身のダンス・ミュージック・アクト、アザリ&サードのデビュー・アルバムです。昨今のクラブ・シーンでは、オリジナル・シカゴ/デトロイト~ニューヨーク・ハウスの再解釈がちょこちょこと続いていますが、彼らのサウンドは、そんな中でも出色かと思います」
T「彼らがやってるようなシカゴ・ハウス・リバイバルみたいなものは、大きなムーブメントにはならなかったけど、確実に存在してた。2012年にも、まだ続きそう」
F「正にロバート・オウェンスやジェイミー・プリンシプルのような、フロントマンのFritz HelderとStarving Yet Fullがいい味出してます」
17 SBTRKT – SBTRKT (XL/Hostess)
F「この人もポスト・ダブステップの動きの中から出てきた才能でしょうか。UK出身のプロデューサー、サブトラクトのデビュー・アルバムです。もともとはアーロン・ジェロームの名で、クラブ・ジャズ方面で活動していたミュージシャンなんですよね。だから…というのは語弊があるかもしれませんけど、ちゃんとしてます」
T「とりあえず、“SBTRKT好き”って言っておけば、“わかってるね〜”って言われると思う」
F「…だんだんコメント言うのめんどくさくなってきてません? リトル・ドラゴンのユキミ・ナガノ参加曲も入ってます」
18 Neon Indian – Era Extraña (Mom+Pop/Yoshimoto R&C)
F「ブルックリンを拠点に音楽活動を行うアラン・パロモのプロジェクト、ネオン・インディアンのセカンド・アルバムです。The Flaming Lips with Neon Indian名義のコラボレーションEPを経て発表した、プロデューサーにデイヴ・フリッドマンを起用した作品ですね」
T「チルウェイブ、日本にはちょっと遅れて届いた感があるかな。耳ざわりがいいから、難しいことは抜きにして、好きな人も多いと思う」
F「今年は、チルウェイブの代表格がみんなアルバムを出しましたね。ネオン・インディアンは、2/21 (火)に初来日します」
19 Noel Gallagher’s High Flying Birds – Noel Gallagher’s High Flying Birds (Sour Mash/Sony)
F「Beady Eyeの『Different Gear, Still Speeding』よりも、いろいろ感じる部分、伝わってくる部分の多いアルバムだと思いました、個人的な印象ではございますが」
T「いい曲、書くなぁ〜」
F「ですよね。ノエルの才能を再発見できる作品だと思います」
20 The Vaccines – What Did You Expect From The Vaccines? (Sony)
F「2011年話題の新星UKインディー・バンドでしたね、ザ・ヴァクシーンズのデビュー・アルバムです。本人達が語る通り、’50年代のロックンロール、’60年代ガレージ・ロックやガールズ・グループ、’80年代のインディー・ロックのエッセンスを吸収した、キャッチーなサウンドが楽しめます」
T「こういうバンド、今あまりいないから目立ってた」
F「フォロアーとおぼしきバンドも何組か登場しましたしね。彼らは、2/15(水)と2/16(木)に東京と大阪でライブをやります。何度かキャンセルとなってましたが、今度こそ」
21 Real Estate – Days (Domino/Hostess)
22 The Rapture – In The Grace Of Your Love (DFA/Universal)
23 Fleet Foxes – Helplessness Blues (Sub Pop/P-Vine)
24 Coldplay – Mylo Xyloto (EMI)
25 Cut Copy – Zonoscope (Modular)
26 Red Hot Chilli Peppers – I’m With You (Warner)
27 Metronomy – English Riviera (Because/Warner)
28 Surkin – USA (Marble/EMI)
29 Radiohead – King of Limbs (Ticker Tape/Hostess)
30 Seekae – +Dome (P-Vine)
31 Arctic Monkeys – Suck It And See (Domino/Hostess)
32 Panda Bear – Tom Boy (Paw Tracks/Hostess)
33 St. Vincent – Strange Mercy (4AD/Hostess)
34 Submotion Orchestra – Finest Hour (Exceptional/P-Vine)
35 Crystal Fighters – Star of Love (Zirkulo/KSR)
36 Mr. Oizo – Stade 2 (Ed Banger/Calentito)
37 Kasabian – Velociraptor! (Sony)
38 Atlas Sound – Parallax (4AD/Hostess)
39 autoKratz – Self Help for Beginners (Bad Life/P-Vine/Traffic)
40 Beirut – Rip Tide (Pompeii/Contrarede)
41 Gil Scott-Heron and Jamie XX – We’re New Here (XL/Hostess)
42 Deadmau5 – 4×4=12 (EMI)
43 South Central – Society Of The Spectacle (P-Vine)
44 Girls – Father Son Holy Ghost (True Panther/Matador/Yoshimoto R&C)
45 Lykke Li – Wounded Rhymes (Atlantic/Warner)
46 Is Tropical – Native To (Kitsune/P-Vine/Traffic)
47 Idjut Boys – Cellar Door (Smalltown Supersound/Calentito)
48 Matthew Herbert – One Pig (Accidental/Hostess)
49 Lady Gaga – Born This Way (Universal)
50 Mickey Moonlight – And The Time Axis Manipulation Corporation (Ed Banger/Calentito)