全世界で1,000万枚を超えるセールスを記録した『Play』(’99)を筆頭に、『18』(’02)、『ラスト・ナイト』(’08)といった個性的なアルバム群や、古くはレイヴ・アンセムの「Go」(’90)といったダンス・トラックを送り出してきた奇才、モービー。ニューヨークを拠点に、ロック、パンク、ブルース、テクノ、アンビエント、ブレイクビーツ、映画音楽…と、様々なサウンドを使い分け、そして融合させてきた彼は、各分野で高い評価を得ているユニークなアーティストです。
彼が、あえてインディー・レーベルを立ち上げリリースした『ウェイト・フォー・ミー』(’09)以来となる、通算9作目となるオリジナル・アルバム『デストロイド』を5/11にリリースします。ワールド・ツアー中に宿泊したホテルの部屋の中で、しかも深夜に書いた楽曲で構成したという、美しくも切ないサウンドで彩られた作品です。
ここでは、そんな『デストロイド』の内容をご紹介しましょう。
MOBY
ニューヨークの奇才が奏でる、究極のミッドナイト・サウンド
全世界で1,000万枚を超えるセールスを記録した『Play』(’99)を筆頭に、『18』(’02)、『ラスト・ナイト』(’08)といった個性的なアルバム群や、古くはレイヴ・アンセムの「Go」(’90)といったダンス・トラックを送り出してきた奇才、モービー。ニューヨークを拠点に、ロック、パンク、ブルース、テクノ、アンビエント、ブレイクビーツ、映画音楽…と、様々なサウンドを使い分け、そして融合させてきた彼は、各分野で高い評価を得ているユニークなアーティストだ。
彼が、あえてインディー・レーベルを立ち上げリリースした『ウェイト・フォー・ミー』(’09)以来となる、通算9作目となるオリジナル・アルバム『デストロイド』をリリースする。モービー自身が撮りおろした、128ページにおよぶ同名の写真集と同時リリースされる注目作だ(フォト・ブック付きCDもリリースされる予定となっている)。ワールド・ツアー中に宿泊したホテルの部屋の中で、しかも深夜に書いた楽曲で構成したという本作。まずは、この作品が誕生した経緯について、彼の言葉を聞いてみよう。
「この写真集に掲載されている写真は全て、僕自身が世界ツアー中に撮ったもので、写真集と同タイトルのアルバムの収録曲も、全てツアー中につくり上げたものなんだ。ツアー中の日々って、非日常的である意味異様だから、そんな“異様な非日常”でいっぱいの写真集を出したいと、以前から思っていたんだ」
ちなみに、モービーの写真家としてのキャリアは、実は、彼が音楽活動を始めたのと同時期で、彼の“外出する際は必ずカメラを持っていく”というポリシーは、初めてカメラを手にした日から今日まで変わっていないという。そして、彼はさらにこう続ける。
「収録曲の大部分は、この地球上の僕以外の人間は全員寝ていたであろうが、不眠症だった僕は起きていた、深夜3時のホテルの部屋で書かれたものなんだ。『デストロイド』の楽曲と、それと同名の本に掲載されている写真は、同時期に同じ環境下でした経験にインスパイアされたものだから、相互作用があって、どちらか一方が欠けたら作品として成立しなくなってしまうんだ」
こうしたモービーのこだわりは、もちろん本作のジャケットにも表れている。この写真は、彼がニューヨークのラガーディア空港で、“アンアテンデッド・ラゲッジ・ウィル・ビー・デストロイド”(ほっとかれた荷物は、破壊します=こちらで処分します、の意)というメッセージが点滅する電光掲示板を見た時に、強いインスピレーションを受け撮影したもので、そのメッセージの文末の単語“destroyed.”を、本作の作品名にしたのだという。
そんな本作の内容は、公式サイト( http://moby.com )で先行無料配信中の「Be The One」や、シングルカットされた「The Day」を筆頭に、正に深夜のホテルの一室を感じさせる、センチメンタルで切ないメロディーとハーモニーが詰まったもの。静寂、孤独、哀愁、不安といった空気感、感情が交差していくそのサウンドスケープは、これまでのモービー作品の中でも、とりわけ美しい印象を残すものだろう。
モービーらしい、文学的で映画的なサウンドが心地よい『デストロイド』。本作は、モービーというアーティストの才能を再発見できる好作だ。
text edit Loud Magazine
photo Doug Bruce
【アルバム情報】
MOBY
destroyed.
(JPN) EMI / TOCP-71082
5月11日発売
HMVで買う
tracklisting
01_the broken places__ザ・ブロークン・プレイセズ
02_be the one__ビー・ザ・ワン
03_sevastopol__セヴァストポリ
04_the low hum__ザ・ロウ・ハム
05_rockets__ロケッツ
06_the day__ザ・デイ
07_lie down in darkeness__ライ・ダウン・イン・ダークネス
08_victoria lucas__ヴィクトリア・ルーカス
09_after__アフター
10_blue moon__ブルー・ムーン
11_the right thing__ザ・ライト・シング
12_stella maris__ステラ・マリス
13_the violent bear it away__ザ・ヴァイオレント・ベア・イット・アウェイ
14_lacrimae__ラクリマエ
15_when you are old__ホエン・ユー・アー・オールド
16_sandpaper__サンドペーパー(日本盤ボーナス・トラック)
【オフィシャルサイト】
http://www.emimusic.jp/intl/moby/
http://www.moby.com/
【Video】