Underworld日本公式ツイッター開設+『Barking』最速レビュー


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Underworldが、7/1に日本公式ツイッターを開設しました。9/2に予定されている、ニューアルバム『Barking』のリリースに向けて盛り上がってきましたね! アルバムのレビューも解禁されたので、ここでは試聴会に参加した、iLOUD編集長の平田とLOUD編集長の谷上が、対談形式でレビューをお届けします。


平「まず、今作で一番驚いたのは、9曲中7曲が“歌もの”になってるってこと」
谷「ええ、そうですね。ほとんどの曲で、カールがしっかり歌っていますね。その点では、ニューウェイブ的な印象を受ける作品と言えるかもしれない」
平「ここまでカールが歌ったアルバムは、いわゆるマーク1時代(ダレン・エマーソン加入前)以来、なかったと思う」
谷「これまでは、歌もの曲があったとしても、アルバム中1~2曲って感じでしたもんね。さらに、この新作では、なななんと、9曲中8曲に外部プロデューサーが参加していますね」
平「これにも驚かされた。だから、作風も外部プロデューサーのカラーによって、バラエティーあふれるものになっていて、アルバム一枚があっというまに通して聴けちゃう」
谷「とはいえ、参加しているのがクラブ・シーンのプロデューサーなので、なんといいますか、一段とダンス色濃厚ですよね?」
平「そうそう。簡潔に言ってしまうと、『Barking』は歌えて踊れる、これまでにないアンダーワールド作品に仕上がっている。では、各曲を見ていきましょうか」

01. Bird 1
平「Dubfireが参加しているテック・ハウス・チューン」
谷「Dubfireさんは、Deep Dish時代とは違って、最近はすっかりテックでミニマルな人になってますよね。Richie Hawtinとも仲良し」
平「そんなこともあってか、この曲は淡々とした感じで、カールのボーカルもハマっている。ハモも奇麗。サビでは、ちょっとトランシーなシンセ・ブラスも出てくる」
谷「おお、これまでのアンダーワールドとちょっと違うぞ、っていうワクワク感あります」

02. Always Loved A Film
平「Toolroom RecordsのMark KnightとD.Ramirezが参加した、じわじわ盛り上がるテック・ハウス」
谷「カールの歌もバッチリ入っているし、ギターもピアノもストリングスも入っていて、良い意味でポップ。キャッチーな要素もあるので、『Barking』の中でも有数のキラー・チューンではないでしょうか」
平「オオバコ栄えしそうなんで、フロアからのヒットも見込めます」

03. Scribble
平「すでに公開されている、“Hospital”レーベルのHigh Contrastと共作したドラムンベース」
谷「初めて聴いた時は、ちょっとビックリしました。でも振り返ってみると、アンダーワールドって結構昔からブレイクビーツが得意でしたね。「Born Slippy」も、オリジナルはアッパーなブレイクビーツ曲でしたし。「Scribble」は、かなり明るい印象の曲で、何度も聴きたくなります」
平「この曲の原型は、わりと古くからあって、ライブでやってたりしたんだけど、この作品はそれをポップに仕上げたものってことだと思う」

04. Hamburg Hotel
平「ダブステップ・プロデューサーのAppleblim、Al Tourettesとコラボした一曲」
谷「これは、加工されたボーカルがちょっと入るだけで、基本的にインストですね。前作『オブリヴィオン・ウィズ・ベルズ』にあったテイストを継承したトラック、って感じでしょうか」
平「ガムランみたいな音のミニマルなシーケンスにハマります。カールはSkull Discoとかも好きなんだね」

05. Grace
平「この曲にも、Dubfireが参加している」
谷「でも、あまりテクノって感じじゃないですよね。ちょっとダークで…」
平「8分ノリで、ニューウェイヴ調。ボーカルは、ブライアン・フェリー一歩手前くらいな感じ」

06. Between Stars
平「Mark Knight、D.Ramirezとコラボしたテック・ハウス。ライブでは、すでにお披露目されてた」
谷「切ない感じで、ジワジワきます。ハンズアップしちゃうフロア・キラーですね。2曲目の「Always Loved A Film」や、3曲目の「Scribble」同様、ライブでも盛り上がるんだろうなぁ、この曲」
平「ストリングスも活躍」

07. Diamond Jigsaw
平「Paul Van Dykが参加している、驚きの一曲」
谷「本当に驚きですよね。’90年代からアンダーワールドをチェックしてきた方ほど、驚くコラボなんじゃないでしょうか。スヴェン・ヴァスとは接点がありましたけど、PVDとはなかったもんなぁ。かといって、いわゆるジャーマン・トランスじゃないですよね。ロッキンなギターも入ってるし」
平「PVDは近年、ロックやポップのボーカリストと、トランスっぽいグルーブのボーカル・チューンもつくってたけど、そっちのほうの作風だよね。サビに出てくるアルペジオがちょっとトランスっぽいってだけで」

08. Moon In Water
平「High Contrastとコラボした一曲なんだけど、これはドラムンベースじゃない」
谷「ちょっとディスコっぽいテイストのグルーヴを感じさせるトラックに仕上がってますかね」
平「女声のポエトリーみたいなものが、ずっと入ってる。アルバム中では、ちょっと変わった存在」

09. Louisiana
平「これは、誰とも共作してない、Underworld純血の、ピアノ・バラードみたいな一曲」
谷「ある種、ロバート・ワイアットみたいな感じでしょうか。そういえば、マーク2時代のごく初期に「Minneapolis」って曲がありましたね。この曲とは関連性ないでしょうけど…あったりして?」
平「ともかく、しっとりめに、アルバムを締めくくっております」

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