22-20s『Got It If You Want It』インタビュー


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ワイルドでブルージーなファースト・アルバム『22-20s』(’04)で、一躍注目と人気を集めたUKロック・バンド、22-20s。現在のメンバーは、マーティン・トリンブル(G/Vo)、グレン・バータップ(B)、ダン・ヘア(G/Vo)、ジェイムス・アーヴィング(Dr)の4名。彼らは、’06年に一度解散するものの、’08年に復活。’10年にセカンド・アルバム『Shake/Shiver/Moan』をリリースすると、フジロック、東名阪ツアーで来日を果たし、日本での人気も確実なものとしています。
そんな22-20sが、待望のニュー・アルバム『ゴット・イット・イフ・ユー・ウォント・イット』(Got It If You Want It)を3/7にリリースします。前作に引き続き、プロデューサーにスーパー グラスやバッドリー・ドローン・ボーイとの仕事で知られるイアン・ダヴェンポートを起用し、バンドのルーツと本質をより深く追求したという本作。その内容は、22-20s流ブルース・ロックの世界が濃密に詰まったものとなっています。

ここでは、そんな『ゴット・イット・イフ・ユー・ウォント・イット』の制作背景について語った、バンドの中心メンバーであるマーティン・トリンブルのインタビューをご紹介しましょう。なお、彼らは5月に東京と大阪で来日公演を、また東京のタワーレコード新宿店でサイン会&握手会を行う予定となっています。詳細は以下をご覧ください。


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22-20s『Got It If You Want It』インタビュー

__まずは、本作『ゴット・イット・イフ・ユー・ウォント・イット』が完成した、今の感想を教えてください。

「アルバムの出来には満足しているよ。この何週間か、ライヴに向けてリハーサルをやっているんだけど、それでやっと実感が持てるようになったね。自分達が一番上手くやれることを、ただシンプルにやろうとしたんだ。セカンド・アルバムをリリースした後、かなりツアーをやったんだけど、やっぱりそれがアルバムには反映されていると思う。あとは、バンドとして、以前よりも自分達に自信を持てるようになった。人がどう言おうと、それを気にしちゃいけないってことも分かっていたし」

__“Got It If You Want It”という、アルバム・タイトルの由来は何ですか?

「特に意味はないんだけど、たまたまスリム・ハーポの「Got Love If You Want It」を聴いた時に、ピンときたんだ」

__今作のサウンド面で実現したかったことは何でしたか?

「アルバムを制作している時は、16、17歳の頃に聴いていた音楽をまたよく聴いていたね。その意味では、ルーツに戻るような部分があったかもしれない。一方、今作にはセカンド・アルバムでやったようなハーモニーもたくさん残っている。だから、これまでにやってきたことが全部混ざったサウンドになっているんじゃないかな。で、それがよりストレートに表現され、プレイされていると思う」

__なるほど。

「で、制作するにあたっての基本的なルールとしては、とにかく早くつくり上げようと思っていたよ。でき上がってきたものを考え直したり練り直したりするんじゃなく、そのままレコーディングしようと思った。より生々しい、削ぎ落としたサウンドのレコードにしたかったんだ。4人が一つの部屋でプレイしてる様が聞こえてくるようなレコードにしたくてね。だから、全体的に自然で、オーガニックなものになっていると思う」

__制作自体はどこで、どのようにして行ったんですか?

「今の地元、ミネアポリスに家を借りて、4人で冬の間6週間そこにこもって曲を書いていったよ。地下室に機材を持ち込んでやったから、本当に隔絶された状態だった。で、レコーディングは僕らの故郷のリンカンシャーに戻ってやった。前回のレコーディングでは、それぞれのパートを別に録ったり、テイクを重ねることも多かったんだけど、今回はほぼ4人でレコーディングして、そこに後からヴォーカルを足したり、パートをちょっと足すくらいだったね」

__プロデューサーのイアン・ダヴェンポートとの作業はいかがでしたか?

「前作に引き続き、プロデュースはイアン・ダヴェンポートだけど、最初からまた彼とやろうと思っていたんだ。サウンドに関しては本当に信頼できるし、彼がバンド・オブ・スカルズとやった仕事もいいしね。レコーディング中は、ずっと赤ワインを飲んでいたよ(笑)。だから、ニール・ヤングのテキーラ漬けセッション、みたいな感じだった」

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__“制作している時は、16、17歳の頃に聴いていた音楽をよく聴いていた”ということですが、本作を制作する上でどんな音楽に影響を受けましたか?

「’50年代、’60年代のブルースやロックンロールのレコードとか、マディ・ウォーターズ、ザ・ローリング・ストーンズ。あと、ニック・ケイヴもかなり聴いてたな。直接の影響はないかもしれないけど」

__あなたオススメのブルース作品を、少しご紹介いただけますか?

「やっぱりスキップ・ジェイムスが残したレコーディングかな(註:22-20sというバンド名は、このデルタ・ブルースの巨匠、スキップ・ジェイムスの代表作が由来となっています)。それと、初期のマディ・ウォーターズ。B.B.キングの初期のラジオ・セッションもいいね。ただし、どれも絶対に’65年以前のものじゃなきゃね。それ以降となると、聴くべきものはまずないからさ(笑)」

__今のイギリスの音楽シーンをどう思っていますか?

「イギリスって、アメリカと違って音楽シーンに大きなトレンドがあるんだよ。大抵はメディアが決めてるんだけど。BBC Radio 1が、“今波がきてるのはここだ”みたいなことを決めて、そればっかりを集中的にオンエアする。で、みんながそれに飽きると、また新しいものが出てきて、反動が生まれる。そのサイクルは変わらないんだ。だから、今の“ロックは死んだ”とかいう状態も、そのうち変わると思うよ。イギリスでは、10年に一度そうした周期がくるからね。’70年代の後半にはセックス・ピストルズやザ・クラッシュが出てきたし、その後にはザ・ストーン・ローゼズやオアシスが出てきた。で、エレクトロニック・ミュージック一辺倒だった後には、ザ・ストロークスやザ・リバティーンズが出てきた」

__そうですね。

「ただ問題なのは、そういった大きな流れやトレンドが、バンドの浮き沈みとか方向性を決めてしまう点だと思う。“今はこういうのが流行ってるから、それを取り込もう”みたいなことを、バンドはどこかで意識してしまうから。こうした中で、イギリスの音楽シーンにおける僕らの役割というのは、他に左右されず、やりたいことがやれるのを見せるってことだと思う。アルバムを一枚一枚つくっていって、そのバンド独自の道を進めることを証明する。もちろん簡単なことじゃないけどね」

__では最後に、日本のファンにメッセージをお願いします。

「日本のファンには、感謝したいよ。僕らの音楽を待ってくれている人達がいて、レコードを買ってくれるからこそ、僕らも曲を書き続け、音楽をプレイし続けることができるんだから。本当に純粋に、日本には“ありがとう”と伝えたい。5月に日本でツアーすることが決まってるけど、前回よりも本能的なライヴになると思うな。日本に行くのが待ち切れないよ」


【リリース情報】

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22-20s
Got It If You Want It
(JPN) Yoshimoto R and C CO., LTD. / YRCG-90075~90076(初回生産限定盤/ボーナス・ディスク付2CD仕様)
(JPN) Yoshimoto R and C CO., LTD. / YRCG-90077(通常盤)
3月7日発売
HMVでチェック
※5月14日(月)21:00、東京タワーレコード新宿店7Fにてサイン会&握手会を開催。
Towerでチェック

tracklisting
01. Bring It Home
02. Pocketful Of Fire
03. White Lines
04. Heart And Soul
05. Purple Heart
06. Cuts And Bruises
07. Only Way You Know
08. My Creation
09. A Good Thing
10. Little Soldiers
11. Cherry Red*
12. Death Wish Fever*
13. Pocketful Of Fire (Demo)*
*日本盤ボーナス・トラック

初回生産限定盤ボーナス・ディスク収録曲目
01. All That I Need
02. Only Way I Know (Acoustic Demo)
03. Purple Heart (Acoustic Demo)
04. A Good Thing (Demo)
05. White Lines (Demo)
06. Ocean (Live From Fuji Rock Festival’10)
07. Latest Heartbreak (Live From Fuji Rock Festival’10)
08. Shake, Shiver And Moan (Live From Fuji Rock Festival’10)
09. Fire Of Love (Live From Fuji Rock Festival’10)
10. Devil In Me (Live From Fuji Rock Festival’10)

【試聴】

 

【22-20s 来日公演】
東京
2012年5月15日(火)渋谷クラブクアトロ
Open 18:00 Start 19:00
前売 ¥5, 800 (DRINK 代別) 

問)スマッシュ 03-3444-6751

大阪
2012年5月16日(水)梅田クラブクアトロ

Open 18:00 Start 19:00
前売 ¥5, 800 (DRINK 代別) 

問)スマッシュウエスト 06-6535-5569

チケット発売日:3月17日(土)

大阪:ぴあ (P:163-990)、ローソン (L:54772)、
e+ (QUATTRO web:3/3〜5、pre order:3/6〜11)

東京:ぴあ (P:163-943)、ローソン (L:71065)、
e+ (QUATTRO web:3/3〜5 pre order:3/10〜12)、会場、岩盤

問合せ:SMASH 03-3444-6751 
http://smash-jpn.com

【オフィシャルサイト】
http://bignothing.net/22-20s.html
http://www.22-20s.com/site/

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