Dragonette『Bodyparts』インタビュー


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マルティナ・ソーバラ、ダン・カーツ、ジョエル・ストウファーからなる、カナダはトロント出身の3人組エレクトロ・ポップ・バンド、ドラゴネット(Dragonette)。これまでに『Galore』(’07)、『Fixin to Thrill』(’09)と、2作のアルバムをリリースしている彼らは、ベースメント・ジャックスとのコラボ曲「Take Me Back to Your House」(’06)や、コンピレーション『Kitsuné Maison Vol. 4』に収録された「I Get Around」(’07)でその名を知られるようになったアーティストです。近年は、マーティン・ソルヴェグとのコラボ曲「Boys & Girls」(’09)、「Hello」(’10)のヒットでも有名ですね。

そんなドラゴネットが、ニュー・アルバム『Bodyparts』(ボディー・パーツ)をリリースしました。活動拠点にしていたロンドンを離れ、リオデジャネイロのアパートに数ヶ月間こもって完成させたという本作。先行シングル「Let It Go」や「Live in This City」を筆頭に、キャッチーでダンシーでロッキンなエレクトロニック・ポップを満載した、楽しい内容となっています。

ここでは、本作『Bodyparts』の内容について、ドラゴネットにメールで話を聞いてみました。


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Dragonette『Bodyparts』インタビュー

__最新作『Bodyparts』は、2009年の『Fixin to Thrill』以来となるアルバムになりますね。今作を手がけるにあたって、コンセプトのようなものはありましたか?

「特にはなかったよ…。実際に曲を書き始めるまでのことが、かなり大変だと感じていたから、どんな曲でも完成すれば、ただハッピーだって思ったね。アルバムの制作を始めたのは、2010年の11月頃だったかな」

__”Bodyparts”というアルバム・タイトルの由来は何ですか?

「「Bodyparts」というタイトルで、心臓や、他の身体のパーツについての曲を書き始めたんだけど、結局それは完成しなかった。で、同じ時期に「My Legs」って曲もつくったんだけど、僕らの頭の中には“Bodyparts”という言葉の方が残ってたんだ。言葉として、見た目や雰囲気自体が面白いと思ったし、僕らが書いてきた曲の内容にもふさわしいと思ってね。で、最終的にこの言葉をアルバム・タイトルにしたわけさ」

__ちなみに「My Legs」は、マッシュアップ的というのか、カバーというのか、面白い楽曲に仕上がっていますね。どのようなアイディアから誕生した曲ですか?

「「My Legs」は、他の曲よりも時間をかけてつくった曲だね。オリジナルのインストのラインは、このアルバムに入っている他のどの曲よりも、早く書いていたものだった。こんな風に、段階的に曲を書いていくと、時々それぞれのパーツが他のパーツと全然違ったものになることがあるんだけど、それがこの曲で起こったんだ。この曲を仕上げることができて、すごくラッキーだったよ。僕らが今までに書いた曲の中で、一番難しかった曲の一つだった。間違いないね!」

__では、先行シングル「Let It Go」は、どのようにして誕生した曲ですか?

「「Let It Go」は、アコーディオンみたいな音のシンセからスタートした。当初はポール・サイモン「Graceland」みたいな音の曲をつくりたいと思ってたんだ。最終的には全く違う形に発展していったけどね。シンセ・サウンドがビッグで、パワフルになって、楽曲自体もダンス・トラックになっちゃったからさ!」

__もう一つのシングル「Live in This City」は、どのようにして誕生した曲ですか?

「この曲をつくっていた当時、僕らはロンドンに住んでたんだけど、ロンドンと自分たちの関係について考えていたんだ。あんなに大きくて、歴史があって、たくさんのスーパースターが暮らし、そして死んでいった街に住むのは、すごく孤独な経験になるんじゃないかってね。でも、僕らがロンドンに住んだそういった理由が、“ロンドンが僕らなしでは生きられない”って曲に発展していったのは、すごく面白かったな」

__ところで、あなた達はカスケードとコラボした「Fire in Your New Shoes」や、 マーティン・ソルヴェグとコラボした「Boys & Girls」「Hello」「Big in Japan」といった楽曲でも有名です。彼らとコラボレーションした経緯についても教えてください。

「マーティンと出会ったのは、オーストラリアの空港の、シャトルバスの中でだったよ。で、彼としばらくやり取りしてたんだけど、後日、彼がジャン・ポール・ゴルティエのためにつくった「Boys & Girls」って曲で、“歌わないか?”って声をかけてくれたんだ。すごく素晴らしい経験だったね。それで、「Hello」の時も再びコラボすることになったというわけさ。「Hello」は、マーティンとボーカルのマーティナが、歌詞とメロディーのアイディアをMP3で送り合って完成した曲だね」

__なるほど。

「カスケードとの曲も、メールでMP3ファイルが届いたんで、それにマーティナが自宅で歌を足して、返したんだよ。で、それから数ヶ月経って、プロモーション・ビデオを撮影することになったんだけど、実はマーティナとカスケードが会ったのは、その時が初めてだったんだ!」

__ちなみに、EDMムーブメントにはどんな印象を持ってますか? マーティン・ソルヴェグやカスケイドは、現在メインストリームのEDMを代表するアーティストとなっていますが。

「EDMって、すごく幅の広い言葉だよ。EDMには本当に多くのアーティスト、音楽が含まれてしまう。そういう意味では、ドラゴネットもEDMシーンに属していると思われるだろうね。だけど僕らがやっている実際の音楽は、完全にEDMシーンに括られるほど、エレクトロニックじゃない。EDMからは、すぐに忘れ去られてしまうような曲も出てきてるけど、印象的な曲もあるよね。驚くほど素晴らしい作品をつくっているEDMアーティスト達もたくさんいる、って思ってるよ」

__最後にドラゴネットの今後の活動目標を教えてください。

「できるだけ多くの新しい場所で、できるだけたくさん素晴らしいギグをしたい。それが僕らのやりたいことさ」

photo Kristin Vicari
translation Nanami Nakatani
interview iLOUD


【リリース情報】

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Dragonette
Bodyparts
(JPN) KSR / KCCD-500
発売中(9/26リリース)
HMVでチェック

tracklisting
1. Run Run Run
2. Live In This City
3. Let It Go
4. Untouchable
5. Lay Low
6. Right Woman
7. My Legs
8. Giddy Up
9. Rocket Ship
10. Riot
11. My Works Is Done
12. Ghost

【オフィシャルサイト】
http://www.ksr-corp.com/label/discs.php?disc_id=387
http://dragonetteonline.com/
http://www.facebook.com/dragonette

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