LDK第五弾、SHINICHI OSAWA+TOMO HIRATA「SPANKICK」インタビュー


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世界的に活躍するアーティスト大沢伸一と、LOUDが共同で立ち上げたレーベル、LDK。その第五弾として先日SHINICHI OSAWA+TOMO HIRATA「SPANKICK」がデジタル・リリースされました。これまでにも「TECHNODLUV」「MORPHY」「EEAA」でコラボしてきたレーベル主宰の二人が、本人達名義で送り出したトラックで、現在のところbeatportエクスクルーシブとなっております(ダウンロードはコチラ)。

ここでは、オリジナリティーあふれるトラックに仕上がっている「SPANKICK」のサウンドと制作秘話について、SHINICHI OSAWA+TOMO HIRATAに話を聞いてみましたので、ぜひご覧ください。


SHINICHI OSAWA+TOMO HIRATA「SPANKICK」インタビュー

__「SPANKICK」の制作とリリースは、思い立ったように急でしたね。この曲をつくることになったきっかけは何だったのでしょうか?

大沢「そろそろ何か出さなきゃとマズいね、って話になりまして(笑)。で、“何をやりましょうか?”という話になった時に、久しぶりなんで二人のオリジナルを出しときましょう、ってことになったんですよ。もうね、ダンス・ミュージックに関しては一人でつくるとかいうモードじゃないですし。もう、音楽性云々というものじゃないですから」
トモ「どちらかというと、“アイディア”とか“機能性”ですもんね」
大沢「そう。で、そこはもう十分一人でやってきたと思っているので、この1~2年コラボが多いんですよ。自分主導じゃなくて、誰かのアイディアをもとにしたものでいいと言いますか。逆に言うと、ダンス・ミュージックへの興味がちょっと薄れてきたということかもしれないし(笑)、また逆に言うと、誰かと一緒にやる楽しさがありますね」

__なるほど。

大沢「クラブでかける、踊るためのダンス・ミュージックって、どんどんソリッドになっていっているから、自分の音楽性自体をすごく如実に反映させるための器ではなくなってしまっているんですよね。エレクトロの時代には、こういうのを盛り込んで…とか、まだ音楽性があったと思うんですけど、最近はそいうことでもなくなってきていて、よりテクノ化していると言いますか…」
トモ「そうですね」
大沢「だとしたら、そこでアイディアを共有できる人とやった方が、よりフロアユースなものがつくれるし、楽しい」

__平田さんは、いかがですか?

トモ「僕は、大沢さんに声をかけてもらったんで、即“やります”という感じでしたね(笑)」
大沢「『SO2』の時に手伝ってもらった曲も多かったし、やっぱり相性は良いと思うんですよね。でね、何かユニット名をつけるのも良かったんですけど、そうするとなんだかよく分からないものになってしまうんで、今回はシンプルに連名で出すことにしたんです。LDK Allstarsとかも考えたんですけどね、二人しかいないんで(笑)」
トモ「大沢さんと僕の趣味が重なったものを出せば、よりLDKのカラーも見えやすいかな、ということかな」
大沢「そうですね。もう連名の専門レーベルでもいいくらい…それは冗談ですけど(笑)。でも、こういうものを出せる器があるというのは、素晴らしいことですよ。リリースまで結構時間がかかっている方ですけど、それでもつくってから1ヶ月弱で出てますもんね」
トモ「そうですね」
大沢「クラブで3回くらいはかけたかな、って頃にリリースされるってことですからね。本人達が忘れた頃にリリースされるのではなくて」
トモ「そうですね。まだ新鮮な感じがありますから」

__本人達にとって新鮮、というのは大事ですよね。

大沢「すごく大事ですね。理想は、一週間くらいで出せたらいいんですけど」
トモ「そこはね、なかなかいろいろ行程があって難しいんですよ」

__制作自体も、かなり早かったんですよね?

大沢「はい。5~6時間で終わりましたね。あと翌日に、ちょっと修正しました。基本的には一日で終わらせて、完パケてますね。瞬発力が大事です」
トモ「詰め過ぎると良くないんじゃないかっていうのは、最近すごく感じますよね」
大沢「良い意味でのテキトーさ、割り切りみたいなものが大事ですよね」

__これまでの話をふまえると、曲のアイディア自体は平田さんが最初に出したんですよね?

大沢「そうです。二人でやるときは、僕からマスタープランは出さない、という鉄則があるんです。その後、マニピュレートをやってしまうことの方が多いんで」
トモ「アイディアを出した後のクリエイションは基本的に大沢さんがやるから、大沢さんがアイディアを出すと、結局大沢さんの曲になっちゃうんだよ(笑)」

__なるほど(笑)。

大沢「だから、それだとあんまり意味がない(笑)」
トモ「それで、今回のアイディアは、エレクトロって最近はもう2拍と4拍にスネアが入っているビートが典型的パターンになってるじゃない? もうそういうものだって認知されちゃってる。で、もうそれには飽きたので、アタマ拍にスネアが入った曲をやろう、と。それが、僕のこの曲の最初のアイディア。だから、アタマ拍にスネアが入っていて、16分の要素もちょっと入っているリズムだけを、今回は大沢さんのスタジオに持っていったの」

__はいはい。

トモ「アタマ拍にスネアが入っているビートって、実は’90年代のシカゴ・ハウス第2世代のトラックなんかには結構あったんだけど、ああいうのを最近やっている人って少ないな、と思って。キックとクラップが同時にバン・バン・バンって鳴っているようなヤツね。ちょっと無骨な感じの。もちろん、そのままそれをやろうとは思ってなかったけど」
大沢「そういうビートのフォーマットばっかりを、この2~3年やっている人がいるの知ってます? Benny RodriguesっていうBNRからもリリースしてる人なんですけど、聴くとそういう曲ばっかりなんですよ(笑)。かなりテクノな人で、全然展開しない感じ。びっくりしますよ。クレイジー」
トモ「変態的な感じですよね。でも、そのくらいの方が良いってくらい、2拍4拍のドン・パン・ドン・パンには飽きてきまして」
大沢「それ、分かります」
トモ「メインストリームじゃないほうが、やりたくなったんです」
大沢「Daft Punkの「Rollin’ and Scratchin’」も、バン・バン・バンって同時に鳴ってる曲ですよね」

__ああ、そうでしたね。

トモ「今、エレクトロの流れを汲んだクリエイターで、メインストリームの方に行かなかった人達は、ほとんどシカゴ・オリジナル・ハウスに一回戻ってるような感じなんじゃないかな。一番如実にそれを出しているのがBNR TRAXとかで、LDKも気分的にはそっちに近いですよね」
大沢「ですよね。で、そういう流れは、よりテクノ化していってますよね。エレクトロの、あの中途半端に音楽的なところがもうどうにもやりきれなくなってきていて…。いま、苦手です」

__明確にメロディーやコードが付いているような?

大沢「もちろん、そういう部分でのチャレンジは全然否定しないですよ。ただ踊る部分のパートは、できるだけソリッドな方が面白いんですよ」

__そういう意味では、この「SPANKICK」にはフレーズと呼べるのかどうか…という変わった上音が入っていて、そこもポイントになってますよね。

トモ「もっとメロディー的なパートを大沢さんは入れてくれるのかな…って思っていたら、全然入れる気配がなくてね(笑)。で、つくっている途中に、一応“あまりにもコレだと…”ってリクエストをしたことはあったけど」
大沢「インダストリアルな感じでね。その一方で、ベースはちゃっと入ってるんですよ。1音程なんですけど(笑)」
トモ「だからベースというよりも、低音をおさえている音…みたいな」
大沢「Boys Noize & Erol Alkanの曲にしても、やっぱりベースが入ってないものの方が、良い曲な気がしますよ。キック・ドラムにもう音程が入っているから、それで十分踊れるんですよ」

__その辺りも、テクノ的ですね。

大沢「そうなんですよ」

__曲名のイメージについても教えてください。

大沢「これは平田さんが考えたんですけど、お仕置きってことですか? けっこうアブナイ名前ですよね(笑)」
トモ「バン・バン・バン、パン・パン・パンって曲なんでね(笑)。僕、基本的にそういうの嫌いじゃないので…っていうのは冗談ですけど、あんまり深い意味はないです。でも、“spank”と“kick”の造語で、beatportで調べて同じタイトルがないのにしました」
大沢「ああ、それは正解ですね。アリだと思う」

__実際にプレイして、リアクションはいかがですか?

大沢「リアクションは上々ですよ。でも、もうちょっと時間が経つとエディット始めちゃうかもしれませんね。ともかく、この曲はスネアがロール気味でしょ。「TECHNODLUV」の時もそうだったんですけど、平田さんと一緒にやるとなぜかそうなるんですよ。僕、他ではあんまり使わないんですけど」
トモ「そういえばそうですね。何故かそうなりますね」

__大沢さんと平田さんはこれまでに何曲かコラボしてきましたが、コラボ相手として改めてお互いの印象はいかがですか?

大沢「平田さんはね、やっぱりネタの宝庫ですよね。逆に言うと、自分で思いついても“これはやらなくてもいいかな”って思うようなネタをあえて持ってきてくれるんで、面白いですね。自分から積極的には取りにいかないネタを持ってきてくれるんですよ」
トモ「ハハハハ。“コレ持っていくと大沢さん嫌がるかな?”ってネタを持っていくんだよね、オレ」
大沢「そうですね(笑)。でも、僕もそれを望んでたりするから」
トモ「大沢さんに対する絶対的なリスペクトがあるし、持っていったその先は大沢さん主導でやってもらいたい、っていうのもあるから、一番最初の部分だけはちょっと嫌がらせを(笑)。この曲も、実は最初持っていったネタにはかなりエグいリフが入ってたりしたんですよね。さすがに却下されましたけど」
大沢「でも、そのリフは形を変えて入ってたりするんですよ。音色とかにね。与えられた条件の中で最大限何をするかという、大喜利みたいなもんですよ。この方法なら一日半あればできちゃうんで、どんどん出せますよね」
トモ「僕の方も、数時間もあれば準備できるくらいのネタですからね。僕もDJをやってシーンをずっと見てきているから、“大沢さんはやりそうにないけど、これはアリだな”ってネタは無数に思いつくんですよ。だから時間さえあれば、できますよね」

__最後に、LDKの今後の予定や、構想について教えてください。

トモ「あんまり出さないでいるとレーベル業務的にもよくないので、あんまりのんびりしてられなかったりもするんだけど、自由にやっていきたいですよね」
大沢「ですね」
トモ「で、DAISUKE NAKA君だけじゃなく、もっと新人も出していきたいんですけど、大沢さんのストライクゾーンってけっこう狭かったりするので(笑)、そのゾーンにハマる人って少ないんですよ」
大沢「はい(笑)。でもね、無理して出すくらいだったら…っていうのもあって」
トモ「ちゃんとお送りいただいたデモには耳を通してますので、お送りください。大沢さんは、Croquemonsieur(クロックムッシュ)とかもやってくださいよ」
大沢「Croquemonsieurはね、曲じゃなくてTシャツとか出したいなぁ(笑)。トートバッグとか」
トモ「その展開もアリですけどね」

interview iLoud


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SHINICHI OSAWA+TOMO HIRATA
SPANKICK
LDK005
※現在 beatportエクスクルーシブでリリース中
ダウンロードはコチラ

プレビュー試聴:
http://soundcloud.com/l-dk/spankick-preview

リアクション:
Love the track, will put it on our playlist at 22tracks.com.(Sound of Stereo)
I’m in love with this one!Hypnotic and huge, so so goood. Will play it for sure! (Supabeatz)
Awesome and Super-intense!! Strictly for peak time. 🙂 (Tony Senghore)
really great techno track!! (The Sneekers)
This one is HOT! Def. one of my top Tunes in the next month. Play them in my Sets and Radio Show for sure. (S-File/GND Records)

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