MASTERLINK『Confusion E.P』インタビュー


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’02年に活動をスタートした、NARU(Vo/G/Programming)、KOJI(B)、YASU(Dr)の三名からなる、東京出身のエレクトロ・ロック・バンド、MASTERLINK。昨年6月にシングル『Traveling』でメジャー・デビューを果たすと、そのキャッチーかつドリーミーなエレクトロ・サウンドで脚光を浴びた注目株です。同年10月には『SUPER SPEED E.P』を、さらに続く12月には、Shinichi Osawa、☆Taku Takahashi、DAISHI DANCEのリミックス曲を含む待望のファースト・アルバム『Muziiic Store』を発表しています。

そんな彼らが、最新EP『Confusion E.P』をリリースします。ライブ活動を念頭に置いた、進化したMASTERLINKサウンドを確認できる意欲作です。その内容は、★STAR GUiTARをサウンドプロデューサーに起用した「Confusion」、ストレートにバンド・サウンドを表現した「Always wanna be」、女性ボーカルをフィーチャーした「INSIDE MY HEART」など、バラエティー豊かなものとなっています。

新たなMASTERLINKの音世界が詰まった『Confusion E.P』。本作の内容について、メンバーの三人に話を聞きました。


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MASTERLINK

新たなるエレクトロ・ロック・サウンドが詰まった、最新EPをリリース!

__今作『Confusion E.P』は、昨年12月に発表したファースト・アルバム『Muziiic Store』で一つの区切りをつけた後の、新たなMASTERLINKを打ち出した作品だそうですね。現在は、どのようなイメージで新たに活動を展開していきたいと考えているのでしょうか?

NARU「制作ももちろんなんですけど、ライブも積極的にやっていこうということが、まず一つありますね。なんで、徐々にライブを考えたバンド・スタイルにもっていこうと考えています」

__『Muziiic Store』の制作までは、ライブのことは念頭に入れずに曲づくりを行っていたんですよね。

NARU「そうですね。曲をつくる上で、ライブのことは考えてませんでしたね。生のドラムやベースを使おうとか、そういったことは意識せずに、純粋に楽曲としてのサウンドを重視して、曲をつくっていっていたので。でも今は、これまでにつくった曲に関しては、バンドとして3人でプレイできるスタイルにもっていこうと、正にリハーサルしている最中ですし、曲づくりに関しては、バンドとして表現しやすい楽曲というものを目指してやってます」
YASU「以前に出した「SUPER SPEED」といった曲も、オリジナルのサウンドに近い形でライブで演奏できるよう、リハーサルしているところなんですよ」
KOJI「スタジオ作業と違って、ライブだと出音のバランスとかが難しいんですけど、今はその辺を詰めているところですね。でも、そこがまた楽しい部分でもあります」

__では『Confusion E.P』は、そんな新しいMASTERLINKの、最初の音楽的成果がつまった作品ということになりますか?

NARU「はい。ライブでやれるであろう曲を、ストレートに入れた作品になってますね」
YASU「ずっとライブをやりたいと思っていたんで、とにかくこのEPをきっかけにライブ活動をどんどんやっていけたらいいですね。やっぱり、“ライブはやらないの?”って声も多かったですから」
NARU「ただ、ライブでやれる曲というのは、あくまでもコンセプトの一部分で、全体としては、夏の活動に向けてバリエーション豊かな楽曲が詰まったEPにしたいと思ってました。実際、エレクトロだけでもないし、ロックだけでもないし、女性ボーカル曲という新しいタイプの楽曲も入っているんで、バリエーションは出せたと思ってます」
KOJI「以前やっていたバンドのスタイルと、ちょっと変わってきていて、いろんなことができちゃう場になっているんで、そこからどういう風に落とし込んでいくのかというのが、今回はやっていて楽しかったですね」

__各曲についても教えてください。まず、リード曲の「Confusion」は、サウンドプロデュースに★STAR GUiTARを招き制作した、ダンサブルで開放的なビートとサウンドが楽しめる楽曲に仕上がってますね。

NARU「「Confusion」自体は、けっこう昔につくった曲なんですけど、全然アレンジが決まらずに、ずっとボツにしていたものだったんですよ。でも、周りからは良い反応をもらっていたんで、ここは一つ、昔から知ってる★STAR GUiTARに頼んだら、どんな仕上がりになるのかなと思って、お願いしました。自分達にはないテイストのアレンジをしてほしいという思いで、第三者の彼にお願いした形ですね。結果的に、彼らしいシンセ・サウンドが入った、エレクトロな曲になったと思います。オジリナルは、もっとロック調でドライな感じだったんですよ」
KOJI「★STAR GUiTARの音の使い方って、昔から好きだったんで、今回やってもらえて嬉しかったですね。さすがSiZKって感じで、素晴らしい曲になったと思います」
NARU「彼とは学生時代からの知り合いなんで、今回こうした形で一緒にモノをつくれる機会が持てて良かったですね」

__続く「Always wanna be」は、ストレートにバンド・サウンドを打ち出した曲になってますね。

NARU「はい。基本的にMASTERLINKは、今エレクトロにどっぷりつかっているバンドだという印象があると思うんですけど、ロックやメロコアの曲をやっていた時期もあって、この曲はその頃につくったものですね。デモは、ライブをイメージして、純粋にギター、ベース、ドラムだけでつくりました。で、今回ちゃんと形にするにあたって、最近のウチららしいエレクトロの要素もちょっと組み込んだ、という感じですね。歌詞は相変わらずネガティブなんですけど、曲調は明るめで、元気のいいロック・テイストなんで、わりと感情は入りやすい曲かな」
KOJI「ウチら的には、ごく自然な感じの曲ですね」

__「INSIDE MY HEART」は、ミディアム・テンポの女性ボーカル曲で、新展開の楽曲となっていますね。どうして女性ボーカル曲にトライしてみたかったんですか?

NARU「女性ボーカル曲って、以前から一度やってみたかったスタイルだったんですよ。だから、当初から自分が歌うのではなく、女性ボーカル用の曲としてつくったものですね。ちょうど友人で歌ってくれるという人がいたんで、せっかくの機会なんで、今回やってみました。今後、もっと増やしていけるといいですね」

__ご自身で歌うということには、あまりこだわりがないんですか?

NARU「はい。そこは楽曲重視です。ライブの時も、女性ボーカルの人を招いて歌ってもらおうと思ってます。その辺りのリハーサルも、今やってますよ」

__「20110110」は、昨年打ち出したMASTERLINKのサウンドを踏襲した、打ち込みを軸にしたエレクトロ曲になってますね。

NARU「そうですね。この曲は、『Muziiic Store』の1曲目に入っていた「Light」の流れを汲んだ歌モノ、というコンセプトでつくった楽曲で、タイトルの通り最近つくったものです。エレクトロニック・ミュージックとは何か、ということを考えてつくったものなんで、ロックじゃなくて、エレクトロニックなパートが多い曲になってます。ギターを一切入れていない、実は珍しい曲かもしれない。自分の中では新境地ですね」
YASU「MASTERLINKに入るまでは興味なかったんですけど、ドラムを打ち込みでつくっていくのって、やってみると面白いんですよね。だから、そこは両立させていきたいと思っております」

__『Confusion E.P』は、ジャケットやビジュアルも新しいイメージを打ち出したものになっていますね。

NARU「はい。これまでは、自分が思い描いたイメージをそのままジャケットに再現していたんですけど、今回のCDジャケットとバンド写真は、外部のデザイナーにお願いしたんですよ。第三者の視点でMASTERLINKのサウンドとイメージを視覚化すると、どういうデザインになるのか、というのを一度見てみたかったですしね。ちょっと、不思議なイメージのジャケットで、気に入ってます。で、ライブの時にはVJを入れようと思っていて、そのVJは、☆Taku Takahashi(m-flo/TCY Radio)さんのイベント等でVJをされている、BENZENEさんにお願いしました。自分達のやっている曲調を理解してくれる方なんで、映像と音楽のリンクも素晴らしくて、楽しみです」

__目下、ライブ・リハーサルの真っ最中とのことですが、どんな構成、内容のライブになりそうですか?

NARU「いろいろ実験している最中なんですけど、ベースとドラムに関しては、生演奏と打ち込み音を併用して、わりとレコーディング現場に近いスタイルのライブにしたいと思ってます。シンセは、MIDIを使ってその場で出力したいですね。…自分達の中では、ちょっと面倒くさいなって思っていたりもしますけど(笑)、そこは重い腰を上げて頑張ります。で、そこにBENZENEさんのVJが加わってくることで、CD音源に近いライブ空間をつくれるといいなって思ってます」

__なるほど。では、ライブ中に操作しなきゃならない機材が多そうで、大変ですね。

NARU「そうなんですよ。実はそれがネックで、あんまりライブに積極的じゃなかったりもしてたんで(笑)。“ライブで面倒なことをやるライブ”という実験性が、ポイントですね。良い方向に転がるのか悪い方向に転がるのか、分からないですけど、機材トラブルがないことを祈るばかりです」

__では最後に、今後の活動予定を教えてください。

NARU「やっぱり、まずはライブですね。現時点で決まっているのは8/11の下北沢CLUB251なんですけど、他にも調整中で、いろいろ積極的にやってきますので、よろしくお願いします」


【アルバム情報】

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MASTERLINK
Confusion E.P
(JPN) pure:infinity / JBCP-4006
8月3日発売
HMVでチェック


tracklist

1. Confusion
2. Always wanna be
3. INSIDE MY HEART
4. 20110110

【Official Website】
http://masterlink.tv/pc/

【Video】

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