
京都を拠点にDJとして活動するほか、レコード・ショップのバイヤーという顔も持つ、高橋孝博によるソロ・プロジェクト、HALFBY。ブレイクビーツやハウス、インディー・ポップなど様々な要素を融合し、遊び心満点のトラックへ紡ぎ上げるサンプリング・マエストロとして知られるほか、ピチカート・ファイブ、DE DE MOUSE、DOPING PANDA、平井堅、ザ・ゴー!チームなどの楽曲リミックスや、CMへの楽曲提供も手がけているマルチ・クリエイターだ。
そんな彼がこ のたび、約3年ぶりとなるオリジナル・アルバム、『The Island Of Curiosity』を完成させた。HALFBYの持ち味である、ファンキーなビート使いはそのままに、ラテン、ソカ、アフロ・ビートなどを彷彿とさせる、トロピカルなサウンドが詰まった本作。アルバムに描いたイメージを、彼はこう話す。
「アルバム・タイトルが“好奇心の島”というのもあって、HALFBYのパブリック・イメージに、“トロピカル”という付加価値をつけることで、夏や海を連想できるような方向性にしたかったんです。僕自身のDJが、バレアリックなものやトライバルなものに移行してきたというのも、大きな理由ですね」
ブリーピーなシンセから、アコースティック・ギターやスティール・パン、パーカッションまで、様々な音素材を用いた、ポップでカラフルなパーティー・チューン満載の、このアルバム。プロダクション面では、どんな部分にこだわったのだろうか?
「前作までは、ヒップホップ〜ブレイクビーツを基本に、“マナーや手法を維持しつつ、いかにポップスへとビルド・アップさせるか”というコンセプトがあったんですが、今作ではBPMを120~130へ変え、よりフロア向けのダンス・ミュージックに仕上げました。“トロピカル”という共通点を持たせつつ、いわゆるインディー・ポップのB級感や、ビッグ・ビート以降のフィジェット・ハウス、ボルティモア(・ブレイクス)などの要素も盛り込み、着地させた感じですね」
アイルランドのインディー・シーンをにぎわすポップ・ユニット、スキバニーや、ロンドンのマルチ・インストゥルメンタリスト、ブロードキャスト2000、インディー・ロックの新星、イズ・トロピカルといったゲスト・ミュージシャンによる、個性的な歌声も楽しめる『The Island Of Curiosity』。本作を聴けば、最高にハッピーなヴァイブスを体感できること間違いなしだ。
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