Sigur Ros『INNI』特集


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’97年に『Von』でアルバム・デビューを果たして以来、『Ágætis byrjun (アウギャイティス・ビリユン)』(’99)、『 ( ) 』(’02)、『Takk… (タック)』(’05)、『Með Suð Í Eyrum Við Spilum Endalaust (残響)』(’08)といった作品を通じて、’00年代のポストロック・シーンを代表するアーティストとして活躍してきた人気バンド、シガー・ロス (Sigur Rós)。

彼らが、’08年11月にバンドの活動休止を発表して以来約3年ぶりとなる、バンド初のライブ・アルバム(2CD/約105分)と、『ヘイマ ~故郷』以来となる2作目のライブ映像(DVD/約80分)を収めた作品、『インニイ』(INNI)を11/2に日本先行リリースします。彼らの活動休止発表前最後のツアーの、しかもその最終ステージとなったロンドンはアレクサンドラ・パレスでの2夜連続公演(’08年11月)の模様をパッケージした話題作です。

ここでは、そんな『インニイ』の内容についてご紹介しましょう。


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Sigur Ros『INNI』特集

’94年にアイスランドのレイキャヴィークで結成され、’97年に『Von』でアルバム・デビューを果たしたシガー・ロス (Sigur Rós)。続くアルバム『Ágætis byrjun (アウギャイティス・ビリユン)』(’99)と、グラミー賞にノミネートされ話題を集めた『 ( ) 』(’02)で世界的アーティストへと成長を遂げた、’00年代のポストロック・シーンを代表するビッグ・バンドです。現在のメンバーは、ゲオルグ・ホルム(B)、キャータン・スヴィーンソン(Keys)、オーリー・レイソン(Dr)、そしてバンドの顔役として人気を誇るヨンシー・バーギッソン(Vo/G)の四名。’05年にレーベルを移籍して以降は、『Takk… (タック)』(’05)、『Hvarf/Heim (消えた都)』(’07/未発表曲を含むスタジオ録音盤と既発曲のアコースティック・ライブ盤の2枚組)、『Heima (ヘイマ ~故郷)』(’07/ツアー・ドキュメンタリー&ライブDVD)、『Með Suð Í Eyrum Við Spilum Endalaust (残響)』(’08)を発表。特に『残響』は、日本の洋楽チャートでも5位を記録するヒットとなっています。

そんなシガー・ロスが、’08年11月にバンドの活動休止を発表して以来約3年ぶりとなる、バンド初のライブ・アルバム(2CD/約105分)と、『ヘイマ ~故郷』以来となる2作目のライブ映像(DVD/約80分)を収めた作品、『インニイ』(INNI)を11/2に日本先行リリースします。彼らの活動休止発表前最後のツアーの、しかもその最終ステージとなったロンドンはアレクサンドラ・パレスでの2夜連続公演(’08年11月)の模様を捉えた本作。映像作品に関しては、既にベネチア国際映画祭で初上演され反響を呼んでいた話題作です。日本では、先日10/30にTOHOシネマズ 渋谷で先行プレミアム上映会が開催されたばかりですね(11/5 土 には、吉祥寺バウスシアターにて爆音上映会が行われる予定となっています)。

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注目のその内容ですが、まず映像作品(DVD)についてご紹介しましょう。この映像作品の監督を務めたのは、カナダ人の映像作家、ヴィンセント・モリセット。アーケード・ファイアの『ミロワール・ノワール – ネオン・バイブル・アーカイブス』(’09)を手がけたことでも知られる人物です。彼は、本作を手がけるにあたって、ゴッドスピード・ユー!ブラック・エンペラーのヴィジュアル・コラボレーター、カール・ルミューの協力のもと、まずHDデジタル映像としてライブの模様を撮影し、それを16mmフィルムに転写した後、映し出されたその映像をさらに再撮影するという手法を駆使。しかもその再撮影は、時にプリズムやガラス、他のオブジェクトを通して行なっているため、完成したその映像は、まるで何十年間も眠っていたモノクローム・フィルムを復元したかのような、独特のテクスチャーと気品を感じるものとなっています。もちろん、カメラーワーク自体も一般的なライブDVD作品とは異なるアプローチがとられていて、よりバンド・メンバーの近くで撮影した映像を含めて、様々な角度から撮影されたものを大胆かつ緻密につなぎ合わせた構成となっているため(編集作業は、『ヘイマ 〜故郷』の編集も行なったニック・フェントンが担当)、観る者は、まるでバンドの内にいるかのような錯覚を覚える内容となっています。その結果、本作は、“インニイ”=内側(inside)というタイトルの意味通りの、シガー・ロスというバンドのライブ演奏そのもの、彼らがライブで放つ空気感と感覚そのものを捉えた作品に仕上がっていると言えるでしょう。

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次に、2枚組ライブ・アルバム(2CD)についてご紹介しましょう。こちらは、アレクサンドラ・パレスで演奏された曲目の内、1曲除く全曲を曲順通りに1時間45分(全15曲)に渡って余すことなくパッケージした内容で、ミックスは、バンド所有のスタジオでエンジニアを務めるビルイェル・ヨン・バーギッソンが担当。シガー・ロスのライブ音源のベスト作品となっています。またこのライブ盤は、約10年前にバンドがアミーナをストリングス隊として迎え入れて以来、初めてオリジナルの4ピース・バンドとしてプレイした彼らのパフォーマンスを捉えたものにもなっています。その意味では、このライブ盤もまた、シガー・ロスの核そのものに迫った、より“インニイ”な内容と言えるでしょう。ボウイング奏法(バイオリンやチェロの弓でギターを弾く奏法)等を用いた彼らオリジナルの音響世界は、本当に圧倒的ですね。なお本CDには、ボーナスとして「lúppulagið」という未発表のスタジオ・トラックを収録。またDVD盤には、 extra live performance 4曲がボーナスとして収録される予定となっています(日本盤には、ボーナス映像「Klippa」をさらに収録)。

希代のポストロック・バンドの音世界をリアルに楽しめる『インニイ』。本作は、シガー・ロスというバンドを唯一無二の映像美と音響で体験できる、究極のライブ・アルバムです。


【リリース情報】

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Sigur Ros
INNI
(JPN) Krunk/Hostess / KRUNK7DVDJ (流通品番:HSE-60088)
フォーマット:2CD(Blu-spec CD TM 仕様)+ DVD(日本語字幕付)
11月2日発売
※日本盤先行発売、Blu-spec仕様、ボーナス映像収録
※DVDには本編 (75分)、extra live performance 4曲 (26分)、
日本ボーナス映像「Klippa」(5分) 収録(合計:約106分)
日本語字幕付 / レンタル禁止 / 日本市場向 / 5.1ドルビー・オーディオ
HMVでチェック

Disc-1 : CD
1. svefn-g-engla
2. glósóli
3. ný batterí
4. ljótavík
5. við spilum endalaust
6. hoppípolla
7. með blóðnasir
8. inní mér syngur vitleysingur
9. e-bow

Disc-2 : CD
1. sæglópur
2. festival
3. hafsól
4. all alright
5. popplagið
6. lúppulagið ※

Disc-3 : DVD
1. ný batterí
2. svefn-g-englar
3. ljótavík
4. inní mér syngur vitleysingur
5. sæglópur
6. festival
7. e-bow
8. popplagið
9. lúppulagið ※

※未発表曲

【オフィシャルサイト】
http://www.sigur-ros.jp

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