Prefuse 73『The Only She Chapters』インタビュー

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10年以上のキャリアの中で、7枚のアルバムをリリースし、長きに渡ってヒップホップ、アヴァンギャルド・ロックの最先端に立ち、また共同プロデューサーとして数多くのアーティストとコラボレーションを重ねてきたギレルモ・スコット・ヘレン。彼が、Prefuse 73名義の最新作『The Only She Chapters』をリリースしました。その内容は、自らが“このレコードは、自分にとっても異質な作品なんだ。すべてのプロセスに女性ボーカルが関わり、いつもとは大きく異なる方法でレコーディングされている。それは、これまでつくってきたサウンドから新しい世界への出発とも言えるけど、リスナーを遠ざけたり、困惑させるのを目的としたものではないんだ”と語る、興味深いものとなっています。

ここでは、そんな『The Only She Chapters』の内容とその背景について語った、ギレルモ・スコット・ヘレンのインタビューをご紹介しましょう。

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島崎ひとみ『口づけ』インタビュー

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 バイオリンを弾いていた祖父の影響で、3歳の頃からピアノを弾き始めたという島崎ひとみ。一時は、『ショムニ』、『救命病棟24時』、『古畑任三郎』といった人気ドラマに女優として出演していたという、ちょっと変わった経歴を持つアーティストです。とはいえ、そのソングライティング能力、歌唱力は出色で、2008年に発表した「口づけ」は、クラブ・シーン、ポップ・シーンを横断して話題となりました。
 そんな彼女が、ファースト・フルアルバムをリリースしました。代表曲の名前をタイトルに冠したこの作品には、ナカムラヒロシ、石井マサユキ、朝本浩文といったプロデューサー陣に加え、田村玄一、井上富雄、屋敷豪太、philip woo、Kenji Suzukiといった名うてのミュージシャンたちが参加しています。
 はたして本作は、どんなところから生まれてきたのでしょう? 島崎ひとみ本人に、対面で聞いてみました。なお、インタビューには、彼女が所属するGrand Galleryのプロデューサーを務める井出靖氏にも同席いただきました。

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THE SUITBOYS A.K.A. ☆TAKU TAKAHASHI 『AFTER 5 VOL.1』 インタビュー

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 m-floのメンバーとして数々の大ヒットを世に送り出し、日本のポップ・チャートに、クラブ・ミュージックのエッセンスを注入し続けてきた☆Taku Takahashi。DJ、リミキサーとしては、アンダーグラウンド・シーンでも活躍し、その存在感を日ごとに大きくしている。昨年は、beatportの年間チャート・ドラムンベース部門1位にajapai「Incoming…」のリミックスが輝き、その実力が証明された。UKのラジオ局BBC Radio 1で、彼が手がけたリミックス作品を耳にすることも珍しくない。
 そんな☆Taku Takahashiが、このたび新プロジェクト、THE SUITBOYSを立ち上げ、ミックスCD『AFTER 5 VOL.1』を4月20日、リリースする。エレクトロからドラムンベース、ダブステップにいたるまで、幅広い楽曲を収録した本作。リスナーを飽きさせない、多面性とスピード感をあわせもつ意欲作だ。THE SUITBOYS名義での新曲「Calypso Till Dawn feat.MC LYTE」、m-floファンには特に嬉しい「gET oN!」と「Lotta Love」の☆Taku本人によるニュー・リミックスが収録されていることも話題だろう。
 レーベルのTCY Recordings、インターネットラジオのTCY RADIOも運営し、八面六臂の活躍を見せる☆Taku Takahashi。多忙を極める彼に、対面インタビューを試みた。

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CLIFF EDGE『Best of LOVE』インタビュー

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’03年より、MCのJUNとSHIN、DJ GEORGIAの三人編成で活動するヒップホップ・ユニット、CLIFF EDGE。地元横浜のクラブを拠点に精力的なライブ活動を行ってきた彼らは、’06年に発表した「BIRTH ~You’re the only one Pt.2~ feat. MAY’S」をきっかけに、じわじわと支持を集め、’08年にVenus-B/KING RECORDSよりメジャー・デビュー。同レーベルより、これまでに3枚のアルバムをリリースし、エッジの効いたクラビーなトラックや、メロディアスなR&Bナンバーなど、多彩なサウンドにのせて、ポジティブで力強いメッセージを発信しています。

そんな彼らが、“LOVE”をテーマにしたコンセプト・アルバム『Best of LOVE』をリリースします。彼らがインディーズ時代から現在までに発表した楽曲に、新曲3曲を加えた全13曲を収録した本作。MAY’S、中村舞子、moumoonのYUKA、RSPといった参加アーティストとともに、誰もが持っているであろう様々な愛の感情を、リアリティーのあるエピソードで物語のように紡いだ、珠玉のラブ・ソング集となっています。

CLIFF EDGEがこれまでに届けてきた数々のメッセージの中から、“身近な人に対する愛”に焦点を当てた『Best of LOVE』。その誕生背景と内容について、CLIFF EDGEの三人に話を聞きました。

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FAR EAST MOVEMENT『Free Wired』インタビュー

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 ジャパニーズ/チャイニーズ・アメリカンのケヴ・ニッシュ、コリアン・アメリカンのプログレス、J-スプリフという3MCと、フィリピーノ・アメリカンのDJヴァーマンからなる、LAを拠点に活動するヒップホップ・ユニット、ファー・イースト・ムーヴメント。2010年に発表したシングル、「Like A G6 feat. The Cataracs, Dev」が全米チャートNo.1をマークし、いま話題沸騰中の存在です。日本では同年に、レディー・ガガのに、オープニング・アクトとして登場したことでも知られていますね。

 そんな彼らのメジャー・デビュー・アルバム、『フリー・ワイアード』が、このたび日本盤でリリースされました。エレクトロニックな音色を前面に押し出した、まさに時代を象徴する最先端サウンドが楽しめる本作。スヌープ・ドッグ、ケリー・ヒルソン、ライアン・テダー(ワン・リパブリック)といった、トップ・アーティストが参加しているほか、日本盤ボーナス・トラックには、ロジャー・サンチェスとの共作曲「2Gether」、リル・ジョンをゲストに迎えた「Go Ape(Main)」も収録されています。

 そこでiLOUDは、1月にプロモーション来日していた、ファー・イースト・ムーヴメントの4人をキャッチ。その活躍ぶりと、メジャー・デビュー作の制作背景を語ってもらいました。

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The Kills『Blood Pressures』インタビュー

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ジェイミー・ヒンス(G/ホテル)とアリソン・モシャート(Vo/ヴィヴィ)からなる、ロンドンを拠点に活動するロック・デュオ、ザ・キルズ。’02年に正式デビューして以降、ブルースとポスト・パンクの要素を融合した『ノー・ワウ』(’05)や、トリプルエクスチェンジをプロデューサーに起用し、ダンス・サウンドを導入した『ミッドナイト・ブーム』(’08)といった話題作を送り出してきた、人気バンドです。アリソンは、ジャック・ホワイトらと結成したデッド・ウェザーのメンバーとして、ジェイミーはケイト・モスの夫としても有名ですね。

そんな彼らが、通算4作目となる最新作『ブラッド・プレッシャーズ』を4/6にリリースします。ジェイミーが“グレイス・ジョーンズの作品なんかを、俺達なりにつくり直して…”と語っている通り、レゲエの要素を独自に解釈した「Satellite」や、どこかジョン・レノンの弾き語り曲を彷彿とさせる「Wild Charms」など、シンプルさを極めた、エモーショナルにしてクールな楽曲群が詰まった進展作です。

ここでは、そんな『ブラッド・プレッシャーズ』の内容と、その音楽的背景について語った、彼らのインタビューをご紹介しましょう。

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The Sounds『Something To Die For』インタビュー

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’99年にスウェーデンで結成されたニューウェイブ・ロック・バンド、ザ・サウンズ。メンバーは、ジェスパー・アンダーバーグ(Keys)、ヨハン・ベングットソン(B)、フレデリック・ニルソン(Dr)、フェリックス・ロドリゲス(G)、そしてカリスマ的存在感を誇る紅一点のボーカル、マーヤ・イヴァーソンの五名。本国のポップ・チャートで初登場4位を記録した『Living In America』(’02)や、ワールド・リリースされた『Dying to Say This to You』(’06)を通じて、US/UKでも高い評価を獲得している人気グループです。

そんな彼らが、自ら“全体的な完成度をすごく誇りに思っている”と語る前作、『Crossing The Rubicon』(’09)以来となる、通算4作目となるアルバム『サムシング・トゥー・ダイ・フォー』を4/6にリリースします。その内容は、彼ららしいワイルドかつ華麗なニューウェイブ・サウンドをベースに、従来作以上にダンス・ミュージックの要素を導入した、ダンサブルなもの。彼らの新しくも成熟した音楽性を楽しめる、会心作となっています。

というわけで、今作『サムシング・トゥー・ダイ・フォー』の内容について、メンバーのジェスパーに話を聞きました。

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砂原良徳『liminal』インタビュー

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電気グルーヴの元メンバーであり、’95年からソロ・アーティストとして活動を行ってきた砂原良徳。過去に4枚のオリジナル・アルバムをリリースしているほか、国内外のアーティストのプロデュースやリミックス、映画のサウンドトラック制作、いしわたり淳治(ex.スーパーカー)とユニットなど、多彩な活動を展開。そのポップさと先鋭性を併せ持つ音楽性で、ポップ・シーンからアンダーグラウンド・シーンまで、幅広いリスナー層から支持を獲得してきた存在です。

オリジナル作品に関しては、’01年のアルバム『LOVEBEAT』以降発表していませんでしたが、’10年7月、長い沈黙を破り、4曲入りEP『subliminal』をリリース。時を同じくして、CORNELIUS『FANTASMA』のリマスタリングや、agraph『equal』のマスタリングを行うなど、ついに本格再始動しました。

そんな砂原良徳による、実に10年ぶりとなるフル・アルバムが、4月6日にリリースされる『liminal』です。テクノやブレイクビーツ、エレクトロニカなどの要素を持ちながら、そのどこにも属さない本作。『LOVEBEAT』でも軸となっていたビートの強度や、音像の精細度はいっそう増し、緊張状態によって秩序が保たれているかのような、鋭くアグレッシヴなエレクトロニック・サウンドが展開されています。その楽曲群には、『LOVEBEAT』がリリースされた10年前から大きく変化した、現代社会の様相を反映させたそうです。

砂原良徳が表現する、“現代社会のサウンドトラック”とも捉えることができる『liminal』。本作で彼が見据えた現実、そしてたどり着いた境地とは?その真相を探るべく、対面で話を聞きました。なお、本作の初回限定盤には、最新PV2曲に加え、’09年にリキッドルームで行われたライヴ映像を収録したDVDが、同梱される予定となっています。

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DOPING PANDA『YELLOW FUNK』インタビュー

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’05年にメジャー・デビューして以来、ダンサブルでメロディックな音楽性と、卓越したライブ・パフォーマンスで、幅広い層から人気を獲得してきたロック・バンド、DOPING PANDA。メンバーは、Yutaka Furukawa(Vo/G/Programming)、Taro Houjou(B/Cho)、Hayato(Dr/Perc/Cho)の三名。今年1月には、キャリア初となるCD2枚組のフルタイム・ベスト・アルバム『THE BEST OF DOPING PANDA』をリリースし、インディーズ時代を含む約10年の活動に一区切りを付けたばかりです。

そんな彼らが、『decadence』(’09)以来となる、待望のオリジナル・アルバム『YELLOW FUNK』を4/13にリリースします。自分達が所有するスタジオで、Yutaka Furukawaがレコーディングからミックスまでの作業を全部一人で行った、完全D.I.Y.の注目作です。気になるその内容は、従来のテイストとはひと味違う、よりヴィヴィッドな音像、よりダイナミックな演奏、そして、独創的なアレンジの楽曲群が詰まったもの。作家性の高い音世界を全面に打ち出した、斬新なアルバムとなっています。

ROCK STAR、Yutaka Furukawaの、音楽に対するこだわりを凝縮した『YELLOW FUNK』。本作の内容とその背景について、Yutaka Furukawa本人に話を聞きました。

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Fivesta『Fivesta』インタビュー

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 10年近いキャリアを誇る、2MCのHIP HOPユニット、クレンチ&ブリスタが、もっと新しいスタイルのダンス・ミュージックを提案したいという志のもと、親交のあった女性ボーカリスト、jyA-Me(ヤミー)とDEM(デム:Foxxi misQの一員)に声をかけ、その4人に、謎のプロデューサー、トラックメイカーのNo.5を加えた5人組で結成したスペシャル・ユニット、Fivesta。
 彼らが、名刺代わりとも言えるファースト・アルバム『Fivesta』を、3月16日にリリースしました。ここでは、そのリリースを記念して、ちょっと軽めの質問も交えながら、ボーカリスト4人の話を聞いてみましょう。

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