GIRLS『Father, Son, Holy Ghost』インタビュー

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サンフランシスコで結成された、クリストファー・オウエンスとチェット・JR・ホワイトからなるインディー・ギター・バンド、ガールズ。’09年にリリースしたデビュー・アルバム『アルバム』が、世界のインディー・ポップ・シーンで高評価を得て、一躍話題となった人気アーティストです。昨年は、EP『ブロークン・ドリームズ・クラブ』を発表。“DIYのペット・サウンズ”とも形容される、そのセンチメンタルで、ノスタルジックで、ローファイな音世界に磨きをかけています。

そんなガールズが、待望のセカンド・アルバム『ファーザー、サン、ホーリー・ゴースト』(Father, Son, Holy Ghost)を9/7にリリースします。プロデュース/エンジニアに、ザ・ヴァインズとの仕事で知られるダグ・ボームを招き、新たなバンド・メンバー、ダレン・ワイス(Dr)、ジョン・アンダーソン(G)と共に完成させた本作。ダイナミックなバンド・サウンドに圧倒される注目作となっています。

ガールズの新たな魅力が詰まった『ファーザー、サン、ホーリー・ゴースト』。本作の内容について、クリストファー・オウエンスとチェット・JR・ホワイトの二人に話を聞きました。なお、彼らは、10月27日(木)に、東京 渋谷duo MUSIC EXCHANGEで来日公演を行うことが決定しております。


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GIRLS『Father, Son, Holy Ghost』インタビュー

__セカンド・アルバム『ファーザー、サン、ホーリー・ゴースト』の完成、おめでとうございます。あなた達は、デビュー・アルバム『アルバム』と、EP『ブロークン・ドリームズ・クラブ』を通じて、世界的に注目を集める存在に成長しましたが、現在の心境はいかがですか?

チェット・JR・ホワイト「アルバムを完成させてホッとしていると共に、すごく興奮もしている。またツアーに出るのも楽しみだしね。前回のツアーの終わりの方では、メチャクチャ疲れてて、燃え尽きたって感じだったけど、1年半も同じことをやってれば、そう感じるのは当たり前だよね。違うことをやってリフレッシュできたから、今は、新しいメンバーと新しい曲をプレイするのが楽しみなんだ。アルバムが完成したすぐ後は、とにかく気分が良かったよ。自分達が満足できるかどうかだけを考えていたから、その通りにでき上がって嬉しかった。でも、完成したあと1ヶ月くらいは、アルバムを聴けなかったんだ」

__それは、どうしてですか?

JR「サウンドがちゃんと聴こえているかどうかを確かめるために、ミックスとか、プレスして戻ってきたマスター音源は聴いたけど、リハーサルが始まるまで、自分から積極的には聴けなかったんだ。なんとなく、受け入れるのに時間がかかるんだよね(笑)。実際に聴いてみたら、ハッピーだったよ」

__では、早速そんな最新作について教えてください。まず、今作のアルバム・タイトルを、“ファーザー、サン、ホーリー・ゴースト”(Father, Son, Holy Ghost)とした理由は何でしょうか? この言葉は、キリスト教の教義、三位一体にちなんだものですよね。

クリストファー・オウエンス「このアルバムは、自分にとって…というか、このアルバムだけじゃなくて全てがそうだけど、どんな作品にも、Origin(原点)、Identity(アイデンティティー)、そしてSpirit(魂)があると思うんだ。僕にとって、Father、Son、Holy Ghostは、原点、アイデンティティ、魂を意味してるんだよ。うまく説明できないけど、このタイトルの意味は、そういうことなんだ」

__今作は、新たなバンド・メンバー、ダレン・ワイス(Dr)とジョン・アンダーソン(G)と共に、制作をスタートさせたそうですね。どんな内容のアルバムにしようを思っていたのでしょうか?

JR「内容は…わかんないな。そういうのを決めるのって、僕たちが絶対にしないことだから。クリスは考えすぎるのがキライなんだよ。何でも、シンプルに保つのが好きなんだ。スタジオで自然に出てくるものを大切にしてるのさ。デモを聴いて、他にどんな楽器を使うかといったことを、僕が前もって考えたりすることはあるけどね。で、スタジオでレコーディングするっていうのは、プランの一つだった。最初から、良いミュージシャン達とアルバムをつくりたいって考えていたから」

__なるほど。

JR「まぁ、ジョンはまた辞めちゃったけど。もともとヤツは、ツアーに一緒に行けるかどうかは分からないって言っていたんだけど、友達だし、とりあえずアルバムづくりには最適のギタリストだと分かっていたから、今回使ったんだ。アルバムをつくる前に決めていたのは、それくらいかな」

__ジョン・アンダーソンとは、もともとどのようして知り合ったんですか?

JR「ジョンと会ったのは、もうずっと前のことだね。ヤツがMyspace経由でメッセージを送ってきたんだ。ファースト・アルバムの時よりも前の話だよ。で、“サンフランシスコに来たらどう?”って俺たちが誘って、しばらく一緒にプレイしていたんだけど、彼はツアーに出るのがイヤで、バンドを離れていった。で、今回、ジョンはまた戻ってきたいって言うから、ライアン(・ウィリアム・リンチ:前任のギタリスト)が抜けて、レコーディングの時は一緒にプレイしたんだけど、制作が終わったらまた抜けちゃってさ…。まぁ、なんとなくそんな気はしてたけど」

__ダレン・ワイスとは、どのように知り合ったんですか?

JR「俺たちが以前ジュリアン・カサブランカスのバンドと一緒にツアーをやっていた時、彼に“ドラマーを探してるんだ”って話したら、ダレンの番号を教えてくれたんだよね。で、ダレンがサンフランシスコに来た時にドラムを見たんだけど、それが最高でさ。ずっと見つからなかったパズルのピースが見つかって、ピタっとハマった感じだった。彼も、ツアーに残るかどうか分からないって言っていたから、ずっといれくれるか不安だったんだけど、残ってくれてよかったよ。やっぱり、ツアーが思い通りにできないかもっていうのは、ストレスになるからね。で、彼の兄弟のイヴァンが、バンドに入ったばかりなんだ。ジョンの代わりにね」

__ダレンがプレイするドラムの、どんな部分に魅力を感じたんですか?

JR「ダレンは真面目なミュージシャンだ。彼はまだ24歳で、俺たちよりも若いんだけど、毎日ずっと一人でドラムを練習してるんだ。ヒップホップ・アーティストのバックでドラムを叩くのが夢らしいよ(笑)。アウトキャストとか、ジェイ・Zとか。ダレンは、素晴らしいドラマーさ。で、さっき話したイヴァンは、ダレンの兄貴で、弟のダレンよりは真面目じゃない(笑)。面白いヤツで、ジョークを連発してるよ。ロスで生まれ育ったから、友達もたくさんいて、俺たちと共通の友達も結構いる。だから、すぐに打ち解けたね。で、イヴァンは、ハード・ロック・バンドでプレイしてたんだ。彼も最高のギター・プレイヤーだね。ビビっときたよ。二人ともハンサムなんだけど、ルックスのいい兄弟がバンドにいるっていうのも、プラスの点だ(笑)」

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__分かりました(笑)。曲づくり~レコーディング自体は、どのようなプロセスで進めていったんですか?

JR「曲自体は、昔書かれたものもあれば、最近書かれたものもあるから、今回だからといって特に何かあったわけじゃない。2〜3ヶ月前は、まだクリスと一緒に住んでいたから、彼が曲をつくっていたのを聴いてたよ。で、アイディアを形にして、曲が完成するまでには2〜3年かかることもある。彼がデモをつくって、僕がそれをもらって、楽器を決めるんだ。二人の意見は、大体一致することの方が多いね。食い違いはほとんどない。それで、今回の作業自体は、1ヶ月くらいかかった。ミクシングなんかを含めると1ヶ月半かな。いつから始めたかは覚えてないけど、レコーディングを始めたのは今年の5月だったと思う」

__今作の制作で、新たにトライしたアプローチなどがありましたら、教えてください。

JR「スタジオでのレコーディングと、あとはエンジニアにダグ(・ボーム)起用したことくらいだね。そのおかげで、レコーディングは本当にスムーズだったよ。バンドやエンジニアがいてくれたおかげで、全部自分でやらなくてすんだからね。楽だった。機材も、新しいものをいくつか使ったから、音も良くなっている。1週間リハーサルをして、曲づくりは昔の記憶をたどるだけさ。俺達の作業プロセスは、シンプルで簡単なんだ」

__ちなみに、作詞面に関して、今作を通じて何か意識したことはありませんでしたか?

クリストファー「うーん…答えるのは難しいね。僕は、アルバム単位で曲は書かないから。だから、いつもアルバム自体にはテーマがないんだ。それぞれの曲は独立してるんだよ。共通してるのは、アルバム全ての曲が、自分達のお気に入りだってことかな」

__音楽的には、これまで以上に緩急のある、ダイナミックなバンド・サウンド、ギター・ワーク、楽曲構成が印象的ですね。サウンドメイキング面で特に重視したことは何でしたか?

JR「サウンドでは、ドラムをたくさん使った。あと、マイクを使って自然なリヴァーブも入れたし、ボーカルをシンプルにすることも心がけたよ。それと、ギターが目の前にくるような感じにしたかったんだ。スピーカーからダイレクトに聴こえてくるような感じにね。でも今回は、やりすぎるのはやめた。使う楽器が多くても、オーバーダブは絶対にナシ。ギターはあっても、一つか二つ。シンプルなままにしたんだ。今後、また挑戦するかもしれないけどね」

__PVを公開した「Vomit」は、どのようにして誕生した曲ですか?

クリストファー「随分前に書いた曲なんだ。この曲で表現しているのは…人について。他人からの愛を必要としすぎていて、彼は毎日毎日、愛を探して探して、探しまくってる。自分にとって良くない執着を持っている人の歌なんだ。例えば、誰かがアルコール中毒のグループ内にいたとしたら、最初に必要なのは、自分がアル中であることと、問題を抱えてることを認めることだ。この曲は、自分にとっての、その”認めること”を歌ったものなんだオープンに、自分には問題があると曲の中で認めているんだ」

__今作の中で、特にお気に入りの楽曲がありましたら教えてください。

クリストファー「「Honey Bunny」だね。これは、僕が19番目に書いた曲なんだ。2008年の誕生日に書いたんだよ」

__では最後に、ガールズの次なる活動目標について教えてください。

JR「自分たちが作品をつくる度に満足できていれば、それだけ十分さ」

interview & text iLOUD


【リリース情報】

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GIRLS
Father, Son, Holy Ghost
(JPN) YOSHIMOTO R and C / YRCG-90062
9月7日 日本先行発売
HMVでチェック

tracklisting
01. Honey Bunny (ハニー・バニー)
02. Alex (アレックス)
03. Die (ダイ)
04. Saying I Love You (セイング・アイ・ラヴ・ユー)
05. My Ma (マイ・マー)
06. Vomit (ヴォミット)
07. Just A Song (ジャスト・ア・ソング)
08. Magic (マジック)
09. Forgiveness (フォーギヴネス)
10. Love Like A River (ラヴ・ライク・ア・リヴァー)
11. Jamie Marie (ジェイミー・マリー)
12. ラヴ・ライフ (日本盤ボーナス・トラック)
13. マルティナ・マルティネス (日本盤ボーナス・トラック)

【オフィシャルサイト】
http://bignothing.net/girls.html
http://www.facebook.com/GIRLSsf

【来日情報】
10/27(木)東京 渋谷duo music exchange
OPEN 18:00 / START 19:00
TICKET ¥5,000(税込/All Standing/1Drink別)
INFO http://www.creativeman.co.jp/artist/2011/10girls/

【VIDEO】

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