リリー・アレンの新作『It’s Not Me, It’s You』レビュー

アーティスト写真撮影の模様

リリー・アレンが2月4日に日本先行リリースするセカンド・アルバム 『It’s Not Me, It’s You』が到着しました。the bird and the beeのグレッグ・カースティンとともに制作したこのアルバム、少し大人になった彼女の優れたソングライティング能力が確認できる一枚となっています。

生楽器とシンセが半々のトラックと、流れるような歌声はとても心地よいけれど、歌っていることはかなり強烈なこのアルバム。その内容についてリリー・アレンは次のように語っています。
「私はなんでもないことを曲にはできないの。自分の人生と世の中の両方に意味があることを書きたい。私の人生ってシュールなくらいヘンだしね。たぶん今度のレコードはちょっとダークだけど、それは人生の見方がダークになったってことじゃない。実際今は『オーライ・スティル』を出した頃よりハッピーよ。あれを書いてた頃はすごく苦しかった。何かやりたいと思ってるのに誰も興味を持ってくれないように思えたから。今は興味を持ってくれる人がいると思えるわ」

以下、リリー・アレン『It’s Not Me, It’s You』の各曲レビューです。
Everyone’s At It
ダーティーなシンセと、レゲエ調の心地よいトラックがせめぎ合う一曲。UKの若者をむしばむドラッグ依存がテーマ。
The Fear
キラキラ感あるアップテンポ・ナンバーだが、セレブの暗部と消費文化を描いている。
Not Fair
ウェスタン調のギターも入るコミカルなトラック。テーマは早漏。。。
22
軽快なピアノが印象的なナンバー。年齢差別を取り上げている。
I Could Say
ピアノとストリングス、スペイシーなシンセがトラックを彩る、アルバム中最初にできたという一曲。
Back To The Start
エレクトロ・ポップ色の強い曲。
Never Gonna Happen
くだらない男を我慢することについて歌ったという、バンドネオン?の響きがタンゴを感じさせる一風変わったナンバー。
Fuck You
フォーレターワードを思いっきりサビに使っているコミカルなトラック。しかし、そのテーマは人種差別だという。
Who’d Have Known
英国伝統ポップの系譜に属する一曲。
Chinese
オルゴールのようなアルペジオが幻想的な、TVディナー(チンするだけの冷凍食品ディナー)の歌(笑)
Him
ちょっとウェスタン調の軽快な一曲だが、9.11がテーマ。
He Wasn’t There
’50年代調のレトロ感あふれるエンディング・ソング

COLDPLAYの「Viva La Vida」を無料ダウンロード

COLDPLAYがオフィシャルサイトで「Viva La Vida」のThin White Duke Mixをクリスマス・プレゼントとして無料配信しています。希望者は、メールアドレスと国名を入力するだけで、次の画面“download”から入手できます。

Thin White Dukeはマドンナ、ザ・キラーズのプロデューサーとして有名なステュアート・プライスのリミキサー名義。「Viva La Vida」のリミックスも彼らしい四つ打ちビートに仕上げています。COLDPLAYのまた違った魅力を、このダンス・バージョンで楽しんでみてはいかがでしょうか。

さらに登録画面下部、緑部分の“here”からは、プレゼント映像も視聴可能できます。ちょっとサーバーが重いようなので、回線がすいているときを狙ってみてください。この記事上部のビデオは、その映像なので、ここから見てもらってもいいですね。

無料ダウンロード、映像視聴は、十二夜の1月5日まで可能ということです。

KRS-ONEとThe Stop the Violence Movementの「Self Destruction 2009」

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KRS ONE、Grant Parksの主導で「Self Destruction 2009」がリリースされました。これは、’89年にリリースされた「Self Destruction」の続編にあたるもので、クリスマス、年末を控え、無意味な暴力から命を落とした人のことを考え、2009年を正しい姿勢で始めたいという意味あいが込められているそうです。その背景には、シカゴや大都市の犯罪率が再び上昇していることもあるようです。

参加アーテイストは、KRS One、Syleena Johnson、Twista、Crucial Conflict、Phil G、Kenny Bogus、Straw、Pugs AtomzでプロデュースはGrant Parks。

この曲は、現在Stop the Violence MovementのMySpaceで聴くことができます。

2008年12/21-12/27の注目リリース

今週はクリスマス週ということで、コンピレーションが目立っています。そんな中、SOULWAXのコンピやFabriclive43はエレクトロ系好きなら文句なく買いですね。凛として時雨やYOJIのMAXIも注目です。

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SOULWAX/Most Of The Other Mixes
昨年リリースの『リミックス天国』には収録されなかった、MGMT「Kids」やケミカル・ブラザーズ「Hey Boy Hey Girl」など、未発表のリミックス12曲を収録。12/25リリース。(ELECTRO)

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SWITCH&SINDEN/Fabriclive 43
ロンドンのクラブ、Fabricの人気コンピ・シリーズに、フィジェット・ハウス・シーンを代表する二人が登場。SWITCHが監修、SINDENがミックスを担当し、フロア・ヒット・トラック23曲をミックス。12/24リリース。(FIDGET HOUSE)

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A CERTAIN RATION/Mind Made Up
カルト的人気を誇るUKのポスト・パンクが、11年ぶりにリリースするニュー・アルバム。ダンサブルな要素は健在な模様。12/25リリース。(ROCK)

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DEXPISTOLS & ROC TRAX CREW/Roc Trax Presents Lesson.05 Saturdays
国内のエレクトロ・シーンを牽引するDJユニットが、自身の主宰するROC TRAXより初のレーベル・コンピを発表。12/24リリース。(ELECTRO)

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THE LOWBROWS/For Whom The Bell Tolls
東京の新鋭エレクトロ・デュオの1stアルバム。ロック、レイヴ、ブレイクビーツの要素を取り入れつつ、最新のエレクトロへまとめ上げた一作。12/24リリース。(ELECTRO)

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GOOD CHARLOTTE/Greatest Remixes
USの超人気パンク・ロック・バンド初のリミックス・アルバム。リミキサーには、LINKIN PARKのジョー・ハーンやED BANGER ALLSTARS、スティーヴ・アオキ、テディ・ライリーなど幅広いメンツが参加。12/24リリース。(ROCK)

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V.A./キラキラジブリ: On In A Millon
スタジオ・ジブリ作品のサントラをカバーした、大ヒット・コンピ・シリーズの最新盤。今回は、イタリア、フランス、メキシコなど世界各国のダンスミュージック・クリエイターが参加。12/24リリース。(POP)

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JAZZIDA GRANDE/Petits Morceaux L
ハウス / クロスオーバー・シーンで活躍する、イケガミキヨシによるソロ・ユニットの5thアルバム。12/24リリース。(HOUSE/CROSSOVER)

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凛として時雨/Moment A Rhythm
エッジーなギター・ロックと、ハイトーンなツイン・ボーカルで注目を浴びる新鋭バンドが、17分におよぶ新曲を発表。イギリスで撮影した48Pのブックレット付き。12/24リリース。(ROCK)

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YOJI/Airport
日本のトップ・ハードダンスDJが放つ、アッパーなテックダンス・チューン。12/24リリース。(HARD DANCE)

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NE-YO/Videos Of The Gentleman
最新作『Year Of The Gentleman』も好評なR&BシンガーNE-YOが、PVを収録した初のDVD作品を発表。12/24リリース。(R&B)

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KAISER CHIEFS/Live At Elland Road
10月に最新アルバム『Off With Their Heads』をリリースした5人組ロック・バンドが、イギリスのElland Roadスタジアムで行ったライブのDVD(輸入盤)。12/23リリース。(ROCK)

ピート・トンの2008年ベスト・ダンス・トラック

’08年もたくさんのダンス・トラックがリリースされましたが、UKのクラブ・ミュージック・シーンで圧倒的影響力を持つピート・トンが、BBC RADIO1の『In New Music We Trust』で、2008年のベストを発表しました。これをチェックすれば、メジャーなクラブ・ミュージック・トレンドは把握できます。

以下にリストを引用させてもらいましょう。

Sam Sparro – ‘Black & Gold’ (Island)UKチャート2位
Burial – ‘Archangel’ (Hyperdub)
Steve Angello & Laidback Luke – ‘Be’ (White Label)
J Majik & Wickaman – ‘Crazy World’ (Nero)
Eric Prydz – ‘Pjanoo’ (Pryda)UKチャート2位
The Count & Sinden ft Kid Sister – ‘Beeper’ (Domino)
Spoon, Harris & Obernik – ‘Baditude’ (Toolroom)UKチャート29位
The Ting Tings – ‘That’s Not My Name (Tom Neville Remix)’ (Sony/BMG)UKチャート1位
Justice- ‘DVNO’ (Justice Remix) (Ed Banger)
Dizzee Rascal & Calvin Harris- ‘Dance with Me’ (White Label)UKチャート1位
Sis – ‘Trompeta’ (White Label)
Radioslave – ‘Grindhouse (Dubfire Remix)’ (ReKids)
Steve Mac- ‘Paddy’s Revenge’ (White Label)UKチャート17位
Chemical Borthers – ‘Midnight Madness’ (Virgin)
MGMT – ‘Kids (Soulwax Remix)’ (Sony/BMG)UKチャート25位
Chase & Status – ‘Take Me Away / Pieces / Runnin / Against All Odds’ (Ram)
Deadmau5- ‘Hi Friend / Slip / Ghosts n Stuff’ (Mau5trap)

クラブ・シーンは世界的にリンクしなくなって久しいのですが、ビッグ・チューンはそれほど違いませんね。RADIO1のサイトで、ピンクのスピーカーマークをクリックすると、24日まで全部通して1時間番組で聴けますから、’08年の総括に『In New Music We Trust』を聴いてみてはいかがでしょうか。

MEGがHADOUKEN! プロデュースの新曲をリリース

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MEGのニュー・シングル「FREAK」が’09年2月11日にリリースされることになりました。この作品のプロデュースを務めるのは、UKの新世代バンド、HADOUKEN!。ニュー・レイヴ・シーンの新旗手として脚光を浴びた彼らがプロデュースするということで、これまでのエレクトロ・ポップとはひと味違う作品になるかもしれませんね。この作品では、ビジュアル・イメージも80’sテイストへと一新。マッシュルーム・カットがキュートです。

MEGとHADOUKEN! の二組、実は’08年7月のLOUD163号で、それぞれA面とAA面の表紙を飾ってくれているんです。ということで、編集部では今回のコラボレーションに驚きの声が上がりました!

また、’09年2月25日には、8月に行われたShibuya AXでのライブの模様を収録したDVD、『Meg Premium Live: Party (+book)』もリリースされるそうですよ。ライブのMCでは、ニュー・アルバムの制作に入るというニュースも伝えてくれたので、’09年もMEGの活動に注目ですね。

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MEG/FREAK
’09年2月11日リリース

U2が’09年3月に『No Line on the Horizon』をリリース

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U2が’09年3月2日に12枚目のスタジオ・アルバム『No Line on the Horizon』をリリースするとオフィシャルサイトで発表しました。これは、900万枚を売った’04年の『How To Dismantle An Atomic Bomb』以来4年ぶりの作品で、プロデューサーにブライアン・イーノ、ダニエル・ラノワ、アディショナル・プロダクションにスティーヴ・リリーホワイトが起用されています。U2としては王道的な布陣ですね。カニエ・ウェストが確信を持っていた“Will.i.am説”は、現時点では否定された格好になっています。

作曲とレコーディングはモロッコのフェズを皮切りに、バンドが所有しているダブリンのスタジオ、ニュー・ヨークのプラチナ・サウンド・レコーディング・スタジオと場所を変えて行われ、最終的にロンドンのオリンピック・スタジオで完了したということです。

KASKADEが「Step One Two」のビデオを公開

Step One Two – Kaskade

’08年6月にニューアルバム『Strobelite Seduction』をリリースしたKASKADEが、同アルバムに収録されている「Step One Two」のビデオを公開しました。これは、『Strobelite Seduction』からは初のオフィシャルビデオということになりそうです。Deadmau5とのコラボも話題だったKASKADEは、好調持続中ですね。

PitchforkのBest Tracks of 2008

アメリカの音楽ネットメディアとしては、トップクラスの知名度と信用度を誇るPitchforkが、Best Tracks of 2008を発表しました。栄えある1位の座に輝いたのは、 Hercules and Love Affairの「Blind」。NY Nu-Discoのキラー・チューンですね。LOUD編集部でも人気でした。2位はフォーク系でFleet Foxesの「White Winter Hymnal」、3位がHot Chipで「Ready for the Floor」、4位がSantogold「L.E.S. Artistes」、5位M83「Kim & Jessie」となっています。