SHANTI MATKIN『Disfunktion』

 ’03年のジュヴナイル名義による『A Machine’s Dream』で一躍トップ・クリエイターの仲間入りを果たし、先日リリースした『Shanti Matkin』でその地位を確固たるものとしたシャンティーが、2ndアルバムをドロップ! エレクトロ・テイストのリフが印象的な「To Cool For School」で幕を開ける今作は、ユーロ調のメロディーが爽快な「Evenstar」や、プログレッシヴ・スタイルで落ち着いた陶酔を誘う「March Of The Pixies」などを収録し、従来のPSYトランス・アルバムとは一線を画すバラエティー豊かな仕上がりに。ビキビキなアシッド音を多様せず、メロディアスな音でまとめているので、ストレートなフルオンを好む方にオススメです。
★★★★★★★☆☆☆

SHANTI MATKIN
Disfunktion
(JPN) SOLSTICE MUSIC / SOLMC-077
PSY TRANCE

SHANTI MATKIN『Disfunktion』

ZOMBIE NATION『Black Toys』

「Kernkraft 400」が大ヒットしたエレクトロ・ユニット、ゾンビ・ネイション。でのミイラ・ライブが、今でも脳裏に焼きついて離れない…、そんな全ゾンビ・ファンに捧げる、待望のサード・フルアルバムが遂にリリースされます! 三年ぶりとなる本作は、緩めのマッドなビートに乗せて、テクノやエレクトロ・ディスコ・テイストの上音を展開する、パンクな仕上がり。リミックス・ワークなどで人気急上昇中のボーイズ・ノイズと交流深いだけあり、旬なサウンドもしっかりおさえています。しかし、“ビョンビョーン”とウナる、ゾンビ印の図太いアシッド・シンセは強烈! ディープでアヴァンギャルドで、相変わらずキテレツなサウンド・プロダクションも、まさに“奇才”と呼ぶにふさわしい完成度!
★★★★★★★☆☆☆ (TK)

ZOMBIE NATION
Black Toys
(GER) UKW / UKW05
TECHNO

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JAMIROQUAI『High Times:Singles 1992-2006』

 アシッド・ジャズ・ムーブメントを一般大衆にまで押し広めた3rdアルバム『トラヴェリング・ウィズアウト・ムーヴィング』の世界的ヒット以降、このジャンルにおいては、ほぼ一人勝ちとも言えるセールスを叩き出しているジャミロクワイ。今作は、デビューから現在までの既発音源から、選りすぐりのヒット曲を2枚のディスクに収録した、全世界待望の初のベスト盤です。ファンク、ディスコ、ジャズ、ソウルといった要素を、実に巧みに、かつポップにまとめ上げてきたヒット・メイカーとしての技量と、一方で揺るぎない独自のスタイルを一貫して提唱し続けてきたオリジナリティーの高さに改めて感嘆。ブレイク時の衝撃を彷彿とさせる新曲「Runaway」も収録。
★★★★★★★★☆☆(JF)

JAMIROQUAI
High Times:Singles 1992-2006
(JPN) SONY / EICP-681~682(初回盤)
EICP-683(通常盤)
JAZZY

JAMIROQUAI『High Times:Singles 1992-2006』

AMBROZIA『real 4 life』

ハウス・ミュージック・シーンでがんばるDJ 19が、ダウンテンポなチルアウト系サウンドを届けるために始動させたプロジェクト、AMBROZIA。約1年ぶりとなる2ndアルバムがリリースされました。パーカッションやホーンの使い方、ヴォーカルJULIANNEの洗練された歌声に、’80年代の煌びやかな様相と、リゾート都市の開放的な空気を感じる1枚。耳に心地いいです。

★★★★★★☆☆☆☆(JF)

AMBROZIA
real 4 life
(JPN) KONAMI / POCE-7339
CHILL

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MOBY『Go – The Very Best Of Moby』

 ’99年にリリースした『Play』が1000万枚のセールスを記録し、名実共にトップ・エレクトロニック・ミュージック・アーティストの仲間入りを果たしたモービー。彼が、これまでのキャリア全体を包括する、初のベスト盤をリリースします。ニューヨーカーらしいヒネリのきいたセンスを、代表曲を通じて一気に楽しめる内容は、入門用に最適。パンキッシュなロック・チューンから、エモーショナルなアンビエント・サウンドまでこなす、ユニークな音楽性が確認できます。デビィ・ハリーをフィーチャーした新曲「New York, New York」では、なんとブロンディへのリスペクトを感じさせる、ポップなダンス・チューンも展開していますよ。全15曲を収録。
★★★★★★★☆☆☆

MOBY
Go – The Very Best Of Moby
(JPN) TOSHIBA EMI / TOCP-66629

MOBY『Go – The Very Best Of Moby』

ROVO『Condor』

 エレクトロニック・ヴァイオリン奏者の勝井祐二と、音づくりの要を担う山本精一ひきいる日本屈指のジャム・バンド、ROVO。今年で活動10周年を迎える彼らが、2年振り7作目となるフル・アルバムをリリースしました。なんと本作には、収録時間55分に、3パート構成の1曲のみを収録しています! そのパート1とパート2では、精鋭メンバー達による、ダビーでアヴァンな酩酊ジャム・セッションを展開。締めとなるパート3では、「E2-E4」を想い起こさせる夢想的なフレーズを、20分以上かけて徐々にピッチアップ、おそるべきドライヴ感を生み出しています。これはライブで聴いたら昇天必至ですね!。プログレッシブ・ロックにも通じる、スペイシーでサイケデリックなサウンドスケープに、ハマりまくれる貴重な一枚。
★★★★★★★☆☆☆ (TK)

ROVO
Condor
(JPN) WONDERGROUND / WRCD-36
ROCK

ROVO『Condor』

VARIOUS ARTISTS『Raja Ram’s Stashbag 4』

突然ですが、イメージしてください。PSYトランス・アンセムをほぼ完璧に網羅し、それらのピーク・パートを矢継ぎ早にミックスした、シーンの全貌が一度に把握できる、夢のようなコンピレーションを…。ハイ、それが今作! 本誌連載でも毎月スピリチュアル・トークを炸裂させている、PSYトランス・シーンの御意見番、御大ラジャ様の大人気ミックスCDシリーズ第4弾です(笑)。今回は1200MICS、GMS、アストリックス、エスキモーなどのフルオンを、一枚になんと25曲も収録! ギター・サイケから、ゴアなトライバル・テイストまでカバーする充実作に仕上げています。緩急つけた展開には、今回も持ってかれっぱなし、ヤラレっぱなし確実ですよー!
★★★★★★★★★☆ PSY TRANCE (SN)

VARIOUS ARTISTS
Raja Ram’s Stashbag 4
(UK) TIP WORLD / TIPWCD50

VARIOUS ARTISTS『Raja Ram’s Stashbag 4』

LILY ALLEN『Alright, Still』

 ロンドンから、PC世代のポップ・スターが誕生?! 20歳の彼女、学校生活とは15歳でおさらばし、音楽や本に没頭する生活を送っていたそうな。その生活が実を結んでか、シングル「Smile」は全英シングル・チャートで1位を獲得。“myspace”では五万人以上が“FRIENDS”登録する人気者に! ロンドンの荒れた日常を風刺したり、不甲斐ない昔の恋人を蹴散らす歌詞は、現代っ子らしく自己主張を持ったユーモアたっぷりな内容。音楽面でも、スカやグライム、ドラムン・ベース等を、とことんポップに仕上げるソング・ライティング・センスを持っています! 今後、今の勢いでどこまでのし上がれるか楽しみですね! う~ん、カワイイ。。。。
★★★★★★★★☆☆ (TK)

LILY ALLEN
Alright, Still
(JPN) TOSHIBA EMI / TOCP-66625
URBAN

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MERCURY REV『The Essential Mercury Rev-Stillness Breathes (1991-2006)』

 1991年のメジャー・デビュー以来、ザ・フレーミング・リップスと共にUSオルタナ・ロック・シーンを築き上げてきたマーキュリー・レヴが、15年間の活動を凝縮した二枚組のベスト盤をリリースします! ディスク1には過去に発売された6枚のアルバムから14曲、ディスク2にはシングルB面や未発表曲など、ファンには涎ものの18曲を収録。中には、マーキュリー・レヴを崇拝しているケミカル・ブラザーズの、レアな名リミックス・トラックもアリ! バレアリック・サウンドの真骨頂とでも呼ぶべきサウンドが炸裂しています。全32曲のフル・ボリュームに美味しい所を凝縮した、このベスト盤。ファンはもちろん、ダンス・ミュージックしか聴かないという読者も必携でしょう!
★★★★★★★★★☆ (TK)

MERCURY REV
The Essential Mercury Rev-Stillness Breathes (1991-2006)
(JPN) V2 / V2CP-305/306
ROCK

HMVでMERCURY REV『The Essential Mercury Rev-Stillness Breathes (1991-2006)』をチェック!

DJ SHADOW『The Outsider』

 アブストラクト/インストゥルメンタル・ヒップホップの王様、DJシャドウによる通算三作目となるオリジナル・アルバムにして、問題作。“メジャー・レーベルらしいアルバムをつくる”というコンセプトで制作されており、ほとんどの曲名にはフィーチャリング・アーティストが併記されています。注目は、新たなスタイル“ハイフィー”を代表するキーク・ダ・スニーク、ターフ・トーク、E-40、フェデレイションらベイエリア勢や、デヴィッド・バナーと組んだトラック。ここでは、従来のDJシャドウとは全く異なるヒップホップ・サウンドを展開しています。一方、本来のテイストを継承したトラックの方には、Q-ティップ、クリス・ジェイムス、カサビアンのセルジオ・ピッツォルノらが参加。こちらでは、よりヴァラエティ豊かなアプローチを披露しています。彼の冒険心をどう解すかでかなり評価の割れる、リスキーな作品と言えるでしょう。
★★★★★★☆☆☆☆

DJ SHADOW
The Outsider
(JPN) UNIVERSAL / UICI-1048

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