Benjamin Gibbard『Former Lives』インタビュー

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米ワシントン州べリンガムで結成されたロック・バンド、デス・キャブ・フォー・キューティー(Death Cab For Cutie)のフロントマン、ソングライターとして活躍するベンジャミン(ベン)・ギバード。これまでに、デス・キャブ・フォー・キューティーとしては、過去に全米チャートの1位を獲得した『Narrow Stairs』(’08)など計7枚のアルバムを、またジミー・タンボレロと結成したザ・ポスタル・サーヴィス(‪The Postal Service‬)としても、全米でゴールド・ディスクを獲得した『Give Up』(’03)をリリースしている才人です。

そんなベンジャミン・ギバードが、初のソロ・アルバム『Former Lives』(フォーマー・ライヴズ)をリリースしました。ベンが、“僕の人生のスナップショット”で、“新しいチャプターではなくサイド・ストーリー”だと語る、過去8年に渡って溜めてきた曲やメロディーの断片をまとめた注目作です。彼の長年の友人、アーロン・エスピノーザ(Earlimart)のスタジオで、まるでマリアッチのようにレコーディングしたという本作。その内容は、エイミー・マン、スーパーチャンクのジョン・ウースター、サン・ヴォルトのマーク・スペンサー、トリオ・エラスらがゲスト参加した、自由でリラックスした音、楽曲群が詰まったものとなっています。

ここでは、本作『Former Lives』の内容と制作背景について語った、ベンジャミン・ギバードのインタビューをご紹介しましょう。

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Dragonette『Bodyparts』インタビュー

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マルティナ・ソーバラ、ダン・カーツ、ジョエル・ストウファーからなる、カナダはトロント出身の3人組エレクトロ・ポップ・バンド、ドラゴネット(Dragonette)。これまでに『Galore』(’07)、『Fixin to Thrill』(’09)と、2作のアルバムをリリースしている彼らは、ベースメント・ジャックスとのコラボ曲「Take Me Back to Your House」(’06)や、コンピレーション『Kitsuné Maison Vol. 4』に収録された「I Get Around」(’07)でその名を知られるようになったアーティストです。近年は、マーティン・ソルヴェグとのコラボ曲「Boys & Girls」(’09)、「Hello」(’10)のヒットでも有名ですね。

そんなドラゴネットが、ニュー・アルバム『Bodyparts』(ボディー・パーツ)をリリースしました。活動拠点にしていたロンドンを離れ、リオデジャネイロのアパートに数ヶ月間こもって完成させたという本作。先行シングル「Let It Go」や「Live in This City」を筆頭に、キャッチーでダンシーでロッキンなエレクトロニック・ポップを満載した、楽しい内容となっています。

ここでは、本作『Bodyparts』の内容について、ドラゴネットにメールで話を聞いてみました。

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Boys Noize『Out of the Black』インタビュー

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ベルリンのエレクトロニック・ミュージック・アーティスト、ボーイズ・ノイズ(Boys Noize)。本名、アレックス・リダ。2005年に自身のレーベル、Boysnoize Recordsを設立して以降、休むことなく勢力的に活動を展開してきた彼は、ニュー・エレクトロ・ムーブメントを牽引する存在として注視され続けてきた人気クリエイターです。オリジナル・アルバムは、これまでに『Oi Oi Oi』(’07)と『Power』(’09)の二作を発表。また、チリー・ゴンザレス、スパンク・ロック、サンティゴールド、シザー・シスターズらの作品プロデュースも手がけるなどして、活躍の場を広げています。

そんなボーイズ・ノイズが、待望のサード・アルバム『Out of the Black』(アウト・オブ・ザ・ブラック)を10/3にリリースします。今作を制作するための時間を設けて、ベルリンにある彼のスタジオで集中的に作業を進め、完成させたという意欲作です。その内容は、ボーイズ・ノイズならではの唯一無二のサウンドと新たなアイディアが詰まった、高い完成度を誇るものとなっています。

ここでは、本作『Out of the Black』の内容と制作背景について、9月に緊急来日した彼に話を聞きました。EDMのことや、新たにスタートさせるライブ・ツアーについても話を聞いてみましたよ。

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Daphni『Jiaolong』インタビュー

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現在はロンドンを拠点に活動しているカナダ出身のアーティスト、ダン・スナイス。マニトバ(Manitoba)名義、カリブー(Caribou)名義で知られる彼は、叙情的なエレクトロニカ~インディー・ロック・サウンドを軸に、これまでに5作のスタジオ・アルバムをリリースしている実力派です。特にCity Slangから2010年にリリースされた『スイム』(Swim)では、名実共に高い評価を獲得。レディオヘッドからも信頼を得ており、リミックス提供だけでなく、’12年のツアーにはサポートとして同行しています。

そんなダン・スナイスが、ダフニ(Daphni)名義のアルバム『ジャオロン』(Jiaolong)を、10/3にリリースします。自身で立ち上げたレーベル、Jiaolongからリリースしてきたシングル曲に、新曲を加えた作品集です(フォー・テットとのスプリット・シングル曲「Ye Ye」も収録)。彼が、“金曜日の夜、DJする時にかける曲が欲しいと思ったら、金曜日の日中に、今日はこんな曲をかけたい、と考えながら作ってしまう。それがダフニ…”と語る通り、ダン・スナイス流の先鋭的にして繊細なダンス・ミュージックを楽しめる内容となっています。

ここでは、ダフニのコンセプトとアルバム『ジャオロン』の内容について語った、フジロック来日時に行われたダン・スナイスのインタビューをご紹介しましょう。

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『EDM ~Electronic Dance Madness~』TOMO HIRATAインタビュー

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現在アメリカを中心に、“ヒップホップ以来、最大のユース・ムーブメント”、“ザ・サウンド・オブ・ヤング・アメリカ”と言われるほどのブームを巻き起こしている、新たなダンス・ミュージック・ジャンル、EDM。そのEDMに焦点を定めた、日本初のコンピレーション・ミックスCD『EDM ~Electronic Dance Madness~』が、9/26にリリースされます。日本ではまだまだ認知されていないEDMを、より分かりやすく伝えるべく企画されたこのコンピ。デヴィッド・ゲッタ、デッドマウス、スウェディッシュ・ハウス・マフィアといったEDMシーンを代表するトップ・アーティストの代表曲/最新ヒット曲から、ポップ・アーティストのEDMリミックスまでを網羅した、気軽にEDMをチェックできる、楽しい内容となっています。

ということで、ここでは『EDM ~Electronic Dance Madness~』のコンパイルとミックスを担当したクリエイター/DJ、TOMO HIRATA(iLOUD読者の方はご承知の通り、目下EDMの広報役として活動中です)にインタビュー。本作の内容と、EDMという音楽のポイントについてご紹介しましょう。

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Flying Lotus『Until the Quiet Comes』インタビュー

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ロサンゼルスのビート・シーンを拠点に活動する、唯一無二の個性と才能を有するエレクトロニック・アーティスト、フライング・ロータス(Flying Lotus)。エレクトロニカ、ジャズ、ソウル、ヒップホップ、ロックなど、あらゆる音楽ジャンルを横断するフリー&スピリチュアルな音楽性で、2000年代後半以降、シーンの最先端を象徴する存在として脚光を浴び続けてきた人気クリエイターです。レーベル、Brainfeederの主宰者としても有名ですね。

そんなフライング・ロータスが、フル・アルバムとしては名作誉れ高い『Cosmogramma』(’10)以来となる、通算4作目のニュー・アルバム『アンティル・ザ・クワイエット・カムス』(Until the Quiet Comes)を9/26にリリースします。作品毎に進化してきた彼らしく、リスナーの期待を決して裏切らない独自の音楽的センスをキープしながらも、前作とは異なる新たな音世界を描き出した本作。トム・ヨーク、サンダーキャット、エリカ・バドゥらとのコラボレーション曲を含むその内容は、アルバム・タイトルからも連想できる通り、より神秘的で美しい雰囲気を宿したものとなっています。

ここでは、本作『アンティル・ザ・クワイエット・カムス』の内容について語った、フライング・ロータスのインタビューをご紹介しましょう。なおフライング・ロータスは、11/23(金)幕張メッセ、11/24(土)大阪 ATCホールで開催される<エレクトラグライド2012>で、来日することが決定しています。

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Wild Nothing『Nocturne』インタビュー

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米ヴァージニア出身のジャック・テイタムが始めたワンマン・インディー・バンド、ワイルド・ナッシング(Wild Nothing)。’09年にリリースしたシングル「Cloudbusting」「Summer Holiday」、そしてケイト・ブッシュのカバー「‪Cloudbusting‬」がインディー・シーンを中心に話題をさらうと、2010年の春にデビュー・アルバム『‪Gemini‬』を発表。シューゲイズ〜ドリーム・ポップ系譜のサウンドを受け継ぐ、その彼独自の音世界で高い評価を獲得したアーティストです。

そんなワイルド・ナッシングが、待望のニュー・アルバム『Nocturne』(ノクターン)を9/12にリリースします。ジャック・テイタムが、“僕がポップ・ミュージック好きであるということを皆に伝えるアルバムではないと思う。それよりは、僕の理想世界の中でポップ・ミュージックは何だったのか、またどうあるべきなのか、といった感覚を表現したアルバムだ”と語る本作。その内容は、前作以上に美しく繊細なメロディーとハーモニーが響き合う、音楽性、サウンド・プロダクション共に大きく成長したものとなっています。

ここでは、本作『Nocturne』の内容について語った、ジャック・テイタムのインタビューをご紹介しましょう。なお本作の日本盤には、’Golden Haze EP』(’10)やシングル「Nowhere」(’12)など、ボーナス・トラック9曲が収録されております。

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The xx『Coexist』インタビュー

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ロミー(Vo/G)、オリヴァー(Vo//B)、ジェイミー(Keys/Programming)からなる、サウス・ロンドン出身のインディー・バンド、The xx(ザ・エックス・エックス)。2009年にデビュー・アルバム『XX』をリリースすると、そのアンニュイでミニマムな音楽性が話題を呼び、翌’10年には英マーキュリー・プライズを受賞、一躍世界的に知られる存在となった人気アーティストです。

そのThe xxが、待望のニュー・アルバム『Coexist』(コエグジスト)をリリースしました。このアルバムをつくるためのスタジオ(部屋)を用意し、曲づくりからレコーディングまで1年以上の時間をかけて制作したという注目作です。その内容は、独自の作曲センス、サウンド・プロダクションに磨きをかけた、彼らにしか表現できないシンプルかつディープな音世界が詰まったものとなっています。

ここでは、そんな本作『Coexist』の内容について、7月に来日を果たしたThe xxのメンバー、ロミーに話を聞きました。

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Two Door Cinema Club『Beacon』インタビュー

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北アイルランド出身の3人組インディー・バンド、Two Door Cinema Club (トゥー・ドア・シネマ・クラブ)。メンバーは、アレックス・トリンブル(Vo/G)、サム・ハリデー(G)、ケヴィン・ベアード(B)の3名。’09年にKITSUNÉからリリースしたシングル「Something Good Can Work」と「I Can Talk」で脚光を集め、翌’10年にデビュー・アルバム『Tourist History』をリリースすると、UKでプラチナ・ディスクに輝くセールス、全世界で100万枚以上のセールスを記録。ライブ・パフォーマンスの評価も高く、一躍世界的に知られる存在となった人気アーティストです。先日開催されたロンドン五輪の開会式では、総合監督ダニー・ボイルのリクエストでアレックスが登場、その歌声を披露し話題を集めたばかりですね。

そんなTwo Door Cinema Clubが、9/2にニュー・アルバム『Beacon』を日本先行リリースします。プロデューサーにU2やR.E.M、ブロック・パーティーとの仕事で知られるジャックナイフ・リーを迎え、LAにある彼のホームスタジオでレコーディングしたという本作。その内容は、アレックスが“デビュー・アルバムと比べると、とても私的な作品。それと同時に様々な要素が入ったスケールの大きな作品なんだ。このバランス感は、僕たちが長い間追究している大きなテーマなんだけど、この作品でその夢に大きく一歩近づくことができた”と語る注目作となっています。

ここでは、本作『Beacon』の内容について、Two Door Cinema Clubのメンバー、サムに話を聞きました。

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Animal Collective『Centipede Hz』インタビュー

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2000年に、ボルチモアの友人同士で自然発生的に結成されたAnimal Collective(アニマル・コレクティヴ)。デビュー・アルバム『Spirit They’re Gone, Spirit They’re Vanished』(’00)を発表して以来、『Campfire Songs』(’03)や『Sung Tongs』(’04)、『Feels』(’05)など、作品毎にその独創的な音楽性で話題を集め、不動の人気を獲得してきたインディー・バンドです。特にDominoからリリースされた『Strawberry Jam』(’07)、『Merriweather Post Pavilion』(’09)ではキャリア最高の評価を獲得し、アメリカの代表するバンドへと成長。現在は世界的人気を誇る存在となっています。

そんなAnimal Collectiveが、待望のニュー・アルバム『Centipede Hz』(センティピード・ヘルツ)をリリースしました。エイヴィー・テア(デイヴ・ポートナー)、ジオロジスト(ブライアン・ウェイツ)、パンダ・ベア(ノア・レノックス)、ディーケン(ジョシュ・ディブ)の4人体制に戻り、彼らの真骨頂ともいえるライブ・バンドとしての側面を打ち出した話題作です。

ここでは、そんな『Centipede Hz』の内容と制作背景について、Animal Collectiveのメンバー、エイヴィー・テアとジオロジストの二人に話を聞きました。

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