レイヴ・ミュージック・クラシックの「Go」(’90)をヒットさせ、ダンス~テクノ・ミュージック・シーンを中心に一躍人気アーティストとなって以降、ロック、アンビエント、ブレイクビーツ、ブルース、映画音楽…と、様々なサウンドを使い分け、そして融合させ、独自の音楽世界を展開してきた奇才、Moby(モービー:Richard Melville Hall)。全世界で1,000万枚を超えるセールスを記録した『Play』(’99)、500万枚を超えるセールスを記録した『18』(’02)をリリースして以降も、コンセプチャルで個性的なアルバム群を送り出しているベテラン・アーティストです。
そんなMobyが、2011年の『Destroyed.』に続く11作目のスタジオ・アルバム『Innocents』(イノセンツ)をリリースしました。2009年の『Wait for Me』以降特に顕著になったシンフォニックでエモーショナルな音世界を踏襲しつつも、彼が送り出してきた作品群の中でも稀な展開といえるゲスト・ボーカル陣(ザ・フレーミング・リップスのウェイン・コインを筆頭に、マーク・ラネガン、スカイラー・グレイ、コールド・スペックら)をフィーチャーしたうえ、外部プロデューサー(マーク・スパイク・ステント)も招き制作した注目作です。さらに驚くべきことに、彼の生まれ育った街、NYを離れ、移り住んだLAでつくり上げたアルバムとなっています。
制作環境を一変させ、キャリアの中でも初となる男性ボーカリストの本格的フィーチャーを行う等しながら、一切の妥協を許さず完成させたという『Innocents』。ここでは本作の内容について、Mobyに話を聞きました。